商社の兼松ら4社、国内初のセキュリティ企業に特化したファンドを設立
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兼松と兼松エレクトロニクス、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)、ウエルインベストメントは7月29日、国内で初めてサイバーセキュリティ企業への投資に特化した「サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合(NCFS)」の設立を発表した。国内セキュリティ企業13社がリミテッドパートナー(LP)として参加している。
同ファンドは、国内企業のサイバーセキュリティ推進と産業新興を目的にしている。特徴は、サイバーセキュリティ企業に特化している点で、LP各社がファンドに出資するだけではなく、投資先の選定や経営アドバイスの提供、販売経路の提供、マーケティング支援、株式上場の支援まで広範な支援を行うという。
同日の設立記者発表会に登壇したGSX 代表取締役社長の青柳史郎氏は、設立の背景として、国内でサイバー攻撃などによる被害が多発する一方、サイバーセキュリティの製品やサービスを提供する企業や人材が不足し、さらにはサイバーセキュリティ産業への投資家や社会一般からの認知が低いという課題があると説明した。
青柳氏は、「日本のサイバーセキュリティ産業業界はまだ歴史が浅く、産業としての成長を推進していきたい。そこで志のある国内のセキュリティ企業がタッグを組むことで課題の解決を目指し、LPおよび投資先と一緒に日本企業を守りたい」と語った。
兼松 代表取締役社長の宮部佳也氏は、商社として2010年から有望なスタートアップの発掘に取り組み、サイバーセキュリティ分野を含む米国での活動実績を生かしながら、日本のサイバーセキュリティ企業の海外進出を支援したいとコメントした。
また、兼松エレクトロニクス 代表取締役社長の渡辺亮氏は、現在の顧客とのプロジェクトにおいてサイバーセキュリティが必須要件になっているとし、NCFSを通じて国内サイバーセキュリティ企業の技術やサービスを取り入れた価値を顧客に提供していきたいと述べた。
ウエルインベストメント 代表取締役社長の瀧口匡氏は、「コーポレートベンチャーキャピタルではない業界特化型ファンドは珍しい取り組み。このモデルが成功すれば、ほかの業界に広がることが期待される」と話した。
NCFSの投資規模は100億円程度を予定しているという。LPには、兼松と兼松エレクトロニクス、GSXのほか、AGEST、網屋、エーアイセキュリティラボ、サイバートラスト、セキュア、セキュアヴェイル、セキュアスカイ・テクノロジー、セグエグループ、ディクスホールディングス、テリロジーホールディングス、ピーエスシー、ブロードバンドセキュリティ、ユナイトアンドグロウが参加する。
ファンドやLP各社の代表者らはアドバイザリーボードを設置して、既に投資先の選定作業を進めているという。2024年秋頃には、機関投資家向けにファンド参加の募集を開始することにしている。