日立とレゾナック、大分コンビナートでデジタル化基盤構築–運転員の作業時間短縮
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日立製作所(日立)とレゾナックは7月29日、レゾナック大分コンビナートにおいて、プラント操業の安定化と技術伝承を支えるデジタル化基盤を構築し、5月から本格運用していると発表した。レゾナックは2023年1月、昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合して設立された。
同基盤には、製造業における業務ノウハウのデジタル化や既存システムに散在するデータを統合的に管理する「Lumada」の情報一元管理プラットフォーム「WIGARES(ウィガレス)」を活用している。石油化学製品の基礎原料であるエチレン製造の運転業務に関する約3000のアラームについて、デジタル化基盤の構築と効果の検証を経て本格運用を開始した。
WIGARESを導入することで、熟練運転員の経験やノウハウを蓄積し、プラントの異常予兆に対する運転員の行動を支援する。例えば、異常予兆に対して、解決に必要なマニュアルや図面などの情報を短時間でユーザーに表示する。同機能は、AIを活用した日立の異常予兆検知システム「ARTiMo(アルティモ)」の信号を活用して実現したもので、レゾナックではプラントの運転員が同じ情報をこれまでの約半分の時間で取得できるようになった。
両社は今後、大分コンビナートにおいてWIGARESを業務ノウハウの継承や安全/安定操業の追求に活用し、業務効率化を進める。さらに、業務プロセスやノウハウのデジタル化により、情報の迅速な共有や分析、予測不可能な出来事への迅速な対応能力の向上を図る。これにより、プラント操業の高度化を実現し、事業競争力の持続的な強化に貢献することを目指すとしている。