MariaDB社が投資会社「K1」に買収されると発表。CEOは交代、製品開発と提供は継続

今回は「MariaDB社が投資会社「K1」に買収されると発表。CEOは交代、製品開発と提供は継続」についてご紹介します。

関連ワード (ここ、同社、方法論等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


MySQLから派生したリレーショナルデータベースであるMariaDBの開発を主導するMariaDB社が、投資会社「K1 Investment Management, LLC」(以下、K1)に買収され、同社の100%子会社になることを発表しました。

MariaDB社はニューヨーク証券取引所の上場企業ですが、買収により上場廃止となります(ちなみにオープンソースの開発コミュニティとしては、MariaDB社とは別にMariaDB Foundationが存在しています)。

We are excited to announce that today, MariaDB joins the K1 Investment portfolio and appoints new leadership to drive the next phase of #MariaDB #database growth. Read the announcement: https://t.co/ODgkf67pOc

— MariaDB (@mariadb) September 10, 2024

同時にCEOの交代も発表されましたが、買収後もMariaDBは開発と製品提供を継続するとしており、MariaDBの新機能としてのベクトル検索機能やKubernetes Operator(プラグイン)などをリリースするとしています。

不調が伝えられていたMariaDB

MariaDBは、MySQLの創始者であるMichael “Monty” Widenius氏が2010年にMySQLをフォークしたMariaDBを開発するための企業として発足しました。

当初はSkySQLという名称でしたが、2014年にMariaDBに変更。MariaDB Enterprise Serverに加えて可用性や性能を向上させた大規模システム向けのMariaDB MaxsSale、OLAP向けのColumnStoreなどの製品を展開し、2022年にはニューヨーク証券取引所に上場しています。

また2023年には、MariaDBのマネージドサービスを提供する企業を、かつての社名「SkySQL」としてスピンアウトさせています。

しかしデータベース市場の中心がマネージドサービスへと移る中で、ここ数年の同社は不調が伝えられており、昨年(2023年)10月にオープンソースプロジェクトとしてのMariaDBの最上位スポンサーにAWSがなった際には、MariaDBのマネージドサービスを提供している同社がMariaDBのコミュニティを支えようとしているのではないか、との推測もありました。

参考:AWS、MariaDBの最上位スポンサーになったと発表。なぜMariaDBの大口スポンサーに?

K1は多数の中小規模ソフトウェア企業を買収

一方のK1は、投資企業として多数の中小規模のエンタープライズ向けソフトウェア企業を傘下に持ちます。MariaDBもちょうどこの同社のターゲットに合致していると言えます。

同社は投資した企業を完全子会社にしたうえで単一オフィス、単一チームに集中させるという方法論を用いて経営を改善し、そのうえで売却するという実績を多数持つと説明しています。

今回のMariaDB買収においても買収と同時にCEOの交代が発表されており、K1がMariaDBの経営を刷新して業績を改善させた上で、最終的には売却を目指すものと思われます。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
兵庫県神戸市、システム内製でコロナ電話対応を10分の1に 全国的なDXには仕様統一が重要
IT関連
2021-03-05 23:34
マルチクラウドに生成AIを加えるヴイエムウェアの新展開
IT関連
2023-08-25 17:27
アイアンストライカーズ社会保険労務士法人、セキュリティ監視サービスで顧客情報を保護
IT関連
2024-06-13 05:16
組織や企業の教育コンテンツに特化したAIビデオ生成プラットフォームSynthesiaが13.5億円調達
人工知能・AI
2021-04-23 19:08
プログラミング言語「Rust」のための「Rust Foundation」設立–AWS、MS、グーグルらメンバー
IT関連
2021-02-10 08:42
買い物データから栄養を分析しレシピを提案する「SIRU+」と西鉄ストアが健康的食生活を支援する社会実験を開始
ヘルステック
2021-07-13 12:54
「LegalForce」、契約書の添付が案件管理機能上で可能に
IT関連
2023-07-13 22:07
「Bill One」、経理業務改善ソリューション「intra-mart DPS for finance」と連携
IT関連
2022-05-13 12:47
Google Cloud、動的にブロックストレージのIOPSとスループット性能をそれぞれ設定できる「Hyperdisk」など発表
Google
2022-09-13 06:44
レトロなアーケードでゲームを楽しめるハイブリッドな没入型プラットフォームをPortalOneが年内提供予定
IT関連
2022-02-15 04:46
Spring Framework 6.0正式リリース、5年ぶりのメジャーバージョンアップ。Java 17以降に対応、ネイティブバイナリ化支援機能など
Java
2022-11-28 13:19
Firefox、サイドバーに統合する生成AIを選択可能に。まずはChatGPTやGoogle Gemini、HuggingChatなど、今後も選択肢を追加
Firefox
2024-06-26 18:39
プログラミングを3D空間で ソニー子会社が4月から提供 物理演算シミュレーターも搭載
ロボット・AI
2021-01-30 06:54
ゴールは信頼の醸成–セールスフォースの「最高信頼責任者」の活動とは
IT関連
2023-03-07 06:31