対象商品の売上アップに寄与–ストアギーク、リテールメディアの取り組み解説
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ストアギークは報道関係者向けにラウンドテーブルを開催し、同社が2023年10月から提供しているリテールメディアサービス「ストアギークサイネージ」の取り組み状況を解説するとともに、インフルエンサーのプロデュース事業を行うUUUMとの共同サービス提供を発表した。
ストアギークは2021年3月、フリークアウト・ホールディングスとフェズの合弁会社として設立された。フリークアウト・ホールディングスのグループ会社フリークアウトは、「LINE」や「TVer」など大手メディアプラットフォームの開発・運営を支援。フェズは、ID-POS(顧客情報がひも付いた購買データ)を基に店舗における売り上げの可視化と向上を支援するリテールデータプラットフォーム「Urumo(ウルモ)」を開発・提供している。
ストアギークサイネージは、デジタルサイネージを活用したリテールメディアサービス。特定カテゴリーの商品が陳列されている定番棚の前に設置することで、来店客がカテゴリーの商品購入を検討する際、広告の対象商品をアピールできる(図1)。同サイネージは棚前の設置に特化した造りとなっており、陳列商品と広告コンテンツ両方の視認性を確保する。店頭でのリテールメディアでは効果検証の方法が課題となるが、同サービスではUrumoを活用してID-POSデータを用いた検証が可能となる。
ストアギーク 取締役の安藤尚人氏は「当社はインストアサイネージの領域では後発」とした上で、「この領域は期待値はあるが、なかなかうまくいっていない。店舗入口設置型では購買の接点と遠く、来店客にリーチするだけであればテレビ広告やデジタル広告でよい。エンド棚(長い陳列棚の端)設置型では、小売企業のバイヤーの選定次第となってしまう」と競合サービスとの違いを述べた。
ストアギークはまず、取り扱うカテゴリーをオーラルケア製品に絞ってストアギークサイネージを展開。同サービスは10月時点で、ウエルシア薬局などドラッグストアチェーン11流通が導入しているほか、サンドラッグも導入を決定している。設置台数は260台、総リーチ数(重複あり)は約200万人、対象エリアは16都道府県、予定を含む設置店舗は260店舗に上る。複数のドラッグストアチェーンでの導入により、小売企業を横断した商品の販売促進が可能となる。
ストアギークサイネージを導入した結果、複数の商品において販売効果を確認しているという。サンスターの「G・U・M(ガム)」の売り上げは非設置店舗と比較して、同商品では11.2%、ブランド全体では2.2%高かった。新規購入率は、同商品では36.2%、ブランド全体では3.2%上回った。
第一三共ヘルスケアは、「クリーンデンタル」の広告を2024年3~6月の4カ月間出稿した。マス/デジタル広告で同商品を消費者に認知させ、来店時にストアギークサイネージでリマインドする連動施策を実施。その結果、前年同月と比較した売り上げの伸び率は毎月増加し、ほかの広告との相乗効果が見られた。