中国政府が決済事業の規制案を発表、AntとTencentによる寡占を抑制
今回は「中国政府が決済事業の規制案を発表、AntとTencentによる寡占を抑制」についてご紹介します。
関連ワード (Alibaba、Ant Group、Tencent、WeChat Pay、モバイル決済、中国、独占禁止法等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
中国の決済業界における最近の一連の出来事は、Ant Group(アントグループ)とTencent(テンセント)による複占が揺らいでいる可能性を示唆している。
Ant Groupの急な新規株式公開の中止と、中国政府が同社の事業に修正を指示したことに続き、中国当局は先週、繁栄を続けるデジタル決済業界の寡占を抑制する計画を示す新たなメッセージを送った。
ノンバンク決済を規制するために、中国人民銀行(PBOC)が先週発表した一連の草案によると、1社でノンバンク決済市場の3分の1を占める場合、または2社の合計で半分を占める場合、国務院に属する反独占委員会から規制上の警告を受けるという。
一方、ノンバンク決済事業者1社でデジタル決済市場の半分以上を占める場合または2社で3分の2を超える場合は、独占状態にあるかどうか調査される。
2つの規則の違いは微妙であり、前者はノンバンク決済、後者はデジタル決済に焦点を当てている。
さらに当局が企業の市場シェアをどのように測定するのか、たとえば総取引額なのか、総取引量なのか、それともそれ以外の基準で判断するのかについては、規則では特定されていない。
市場調査会社のiResearch(アイリサーチ)によると、Ant GroupのAlipay(アリペイ)は2020年第1四半期に中国の第三者決済取引の半分以上を処理しており、Tencentは同期間に40%近くを処理していたという。
中国は決済大手への監視を強めており、一方で金融市場を国際的なプレイヤーに開放してもいる。2020年12月には、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が中国の合弁事業の完全所有権を取得した。そして2020年1月、PayPal(ペイパル)は現地の決済パートナーであるGoPay(国付宝)の残りの株式を買い取り、中国で1つの決済事業を100%支配する初の外資系企業となった。
業界の専門家は、PayPalが中国内の決済大手を追うことはないだろうが、代わりにクロスボーダー決済の機会を探る可能性があると、TechCrunchに語った。つまり、Antのベテランチームによって設立されたXTransferなどの地元企業がいる市場だ。
AntとTencentは、他の中国インターネット企業との競争にも直面している。食品配達プラットフォームのMeituan(美団)や電子商取引プラットフォームのPinduoduo(拼多多)やJD.com(京東商城)、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)まで、様々な企業が独自の電子ウォレットを導入しているが、いずれもAntのAlipay(アリペイ)やTencent傘下のWeChat Pay(ウィーチャットペイ)に差し迫った脅威を与えるものではない。
PBOCの包括的な提案では、決済処理業者が顧客データをどのように扱うかについても定義している。ノンバンク決済サービスは、一定のユーザー情報や取引履歴を保存し、データチェックについて関係当局と協力することになっている。また、企業はユーザーの同意を得て、顧客のデータがどのように収集され、どのように使用されるかを明確にすることも求められている。これは不正なデータ収集を取り締まる中国の広範な取り組みを反映した規則だ。
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画像クレジット:Alipay via Weibo
【原文】
A string of recent events in China’s payments industry suggests the duopoly comprising Ant Group and Tencent may be getting a shakeup.
Following the abrupt call-off of Ant’s public sale and a government directive to reform the firm’s business, the Chinese authorities sent another message this week signaling plans to curb concentration in the flourishing digital payments industry.
The set of draft rules, designed to regulate non-bank payments and released by the People’s Bank of China (PBOC) this week, said any non-bank payments processor with over one-third of the non-bank payments market or two companies with a combined half of the market could be subject to regulatory warnings from the anti-monopoly authority under the State Council.
Meanwhile, a single non-bank payments provider with over one half of the digital payments market or two companies with a combined two-thirds of the market could be investigated for whether they constitute a monopoly.
The difference between the two rules is nuanced here, with the second stipulation focusing on digital payments as opposed to non-bank payments in the first.
Furthermore, the rules did not specify how authorities measure an organization’s market share, say, whether the judgment is based on an entity’s total transaction value, its transaction volume or other metrics.
Alipay processed over half of China’s third-party payments transactions in the first quarter of 2020, according to market researcher iResearch, while Tencent handled nearly 40% of the payments in the same period.
As China heightens scrutiny over its payments giants, it’s also opening up the financial market to international players. In December, Goldman Sachs moved to take full ownership of its Chinese joint venture. This month, PayPal became the first foreign company with 100% control of a payments business in China after it bought out the remaining stake in its local payments partner Guofubao.
Industry experts told TechCrunch that PayPal won’t likely go after the domestic payments giants but may instead explore opportunities in cross-border payments, a market with established players like XTransfer, which was founded by a team of Ant veterans.
Ant and Tencent also face competition from other Chinese internet firms. Companies ranging from food delivery platform Meituan and e-commerce platforms Pinduoduo and JD.com to TikTok’s parent firm ByteDance have introduced their own e-wallets, though none of them have posed an imminent threat to Alipay or WeChat Pay.
The comprehensive proposal from PBOC also defines how payments processors handle customer data. Non-bank payments services are to store certain user information and transaction history and cooperate with relevant authorities on data checks. Companies are also required to obtain user consent and make clear to customers how their data are collected and used, a rule that reflects China’s broader effort to clamp down on unscrupulous data collection.
(翻訳:TechCrunch Japan)
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