説明可能なAIを活用–富士通Japan、介護予防ソフトウェア発売
今回は「説明可能なAIを活用–富士通Japan、介護予防ソフトウェア発売」についてご紹介します。
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富士通Japanは、富士通が研究開発した説明可能な人工知能(AI)技術「Wide Learning」を活用し、将来的な介護リスクの度合いを算出する「FUJITSU 公共ソリューション MCWEL介護保険V2 介護予防AIスクリーニングオプション」(介護予防AIスクリーニング)を開発し、提供開始した。 販売価格は個別見積もり。
同製品は、介護保険システム「FUJITSU 公共ソリューション MCWEL介護保険V2」(MCWEL介護保険V2)を利用している自治体向けにオプションとして販売する。2024年度末までに、「MCWEL介護福祉」関連ビジネス全体で累計売上約12億円を目指す。
介護予防AIスクリーニングは、MCWEL介護保険V2で管理する住民の年齢や要介護状態区分などの介護認定情報、同居人の有無などの世帯情報、過去の介護サービス受給履歴などの項目を学習したAIを搭載して利用する。これにより、膨大なデータの中から過去に要介護認定を受けた人の特徴の組み合わせと影響度を抽出して可視化する。
また、介護認定のない人が1年間で要支援2以上になる可能性がある高齢者の特徴を基に、将来的に要介護となるリスクが高い特徴の組み合わせと影響度をグループ化し、リスクが高い順にグラフ形式で可視化する。自治体はこれを利用し、住民に対して介護予防に向けた提案や支援をより積極的に行うことができる。
製品化に先立ち、2019年に福島県いわき市と共同でAIを用いた実証実験を実施した。同市が2018年末時点で介護認定を受けていない高齢者8万人を対象に、1年後に要支援2以上になった高齢者の特徴を基に影響度をグループ化してAI学習モデルを作成した。次に、まだ介護認定を受けてない全ての高齢者に対してAI学習モデルを適用し、将来的な介護リスク度合いを算出した。
これらの算出結果と過去の訪問履歴を参考に、一部の高齢者に訪問ヒアリングを実施したところ、69%の高齢者が生活や健康上の課題を抱えており、何らかの支援が必要であることが分かった。さらに、91%の高齢者が介護予防健康づくりを行う「通いの場」へ未参加だったため、個別に参加を促して介護予防や健康づくりのアドバイスを行った。こうした取り組みより、地域社会とつながるきっかけとなる介護予防施策を実施できるようになったという。