【コラム】アフリカ諸国政府にブロックチェーンサービスを売って学んだこと

今回は「【コラム】アフリカ諸国政府にブロックチェーンサービスを売って学んだこと」についてご紹介します。

関連ワード （アフリカ、ケニア、コラム、シエラレオネ、ナイジェリア、南アフリカ等） についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

編集部注：本稿の著者Mohammed Ibrahim Jega（モハメド・イブラハム・ジェガ）氏は、Domineum Blockchain Solutionsの共同ファウンダー。連続テック起業家、スタートアップアドバイザー、フィンテック専門家でブロッチェーン推進者。

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アフリカ大陸の大きな魅力の1つは12億という人口であり、そこに獲得可能な巨大市場があることを意味している。しかし、ターゲット顧客が54カ国の政府だと何が起きるのか？

我々のケースがそれだ。Domineum Blockchain Solutions（ドミニエム・ブロックチェーン・ソリューションズ）を設立したのは、アフリカ諸国政府が貨物の出荷と記録管理に関わる問題を解決するのを手助けするためだった。

大変な仕事になることはわかっていたが、最初の顧客を獲得するのが最難関になるとは予想していなかった。

当社の最初のプロダクトは、貨物の出荷元と移動経路を追跡し、あらゆる国との輸出入製品の内容を特定する貨物サービスだった。我々は、貨物が非公式な裏経路を通ることによる収入減少問題を解決するためにこれを開発した。

サハラ以南アフリカに焦点を合わせていた我々は、2019年に4つの国に打診した。母国ナイジェリアとケニア、ガンビア、ギニア共和国の各国だ。

最初に話を持ちかけた時、どの政府からも期待した反応を得られなかった。我々のソリューションを試す準備が整っていなかった。提案は新奇であり、彼らがブロックチェーン技術に馴染みがなかったためだ。動揺した我々は、ターゲットに小国を加えた、シエラレオネだ。

首都フリータウンの港湾は、シエラレオネの貿易の主たる玄関口として貿易量の80％がここを通過している。同港には貿易中継地としての長い歴史があり、ヨーロッパとアメリカ大陸の中間という戦略的に重要な位置の恩恵を受けてきた。

しかし、フリータウンはアフリカはもちろん、サハラ以南アフリカの中でも主要な港湾都市とはいえない。この港を通過するのは、全世界の輸送取扱量の1%にも満たない。世界人口のおよそ0.1％が住むアフリカの小国はダイヤモンド、カカオ、コーヒーなどを輸出し、食糧、機械、化学薬品などを輸入している。

ある時この国は、一連の製品の輸出入に関して大きな課題に直面した。シエラレオネのあるサプライチェーンマネージャーが状況を説明した。「私たちは輸出手続きで大きな課題に直面しました。港で長期に渡る遅延が起きていたのです。深夜前に到着した私たちのトラックは、何時間、時には何日間も順番を待たせられました。書類手続きが非常に複雑でした」。

世界銀行によると、シエラレオネの「貿易問題はいくつかの要因に起因する。貿易情報の欠如、高レベルな現物検査、さまざまな手数料、ライセンス、許可証、証明書。手作業による手続き。当局部署間の連携の欠如など」。Domineumはこれを解決することを目指した。

シエラレオネ政府との最初の話し合いは順調に進んだ。幸運なことに、シエラレオネは国境を越える物品の移動に必要な時間とコストを減らすために、世界銀行グループの支援を受けて5年計画（2018～2023年）を展開していた。目標は、貿易コストの10％削減だ。3カ月に渡る検討の結果、当社の貨物追跡システムが導入された。

当社は2019年の終わりにこの提携事業を開始し、さもなければ失われていた200万ドル（約2億2000万円）の収益を獲得することに成功した。ビジネスモデルはシンプルだ。当社の貨物追跡システムによってシエラレオネ政府が獲得した追加収益の40%を手数料として我々が受け取る。

アフリカに参入する際、ナイジェリアや南アフリカ、ケニアなどの大きくて人気のある市場に焦点を当てたがるのが一般的だ。しかし、これまでに我々が学んだのは、この国々は会社にとって最初の参入国ではない可能性が高いということだ。ビジネス－政府モデルは一筋縄ではいかない。政府と仕事をするためには実にさまざまな政治活動が必要だ。

これまでうまくいっているのが、まずいくつかの国に接触して足がかりを得て、それをコンセプトが通用する検証として使うやり方だ。シエラレオネでの成功を受け、我々は他の国々に戻って、よりよい反応を得られることを期待している。

シエラレオネの成功は、我々が提供していたサービスを考え直すきっかけになった。当初の話し合いは貨物追跡サービスから始まったが、やがて我々は、始めにノーと言った国に別のサービスを提案すべきなのではないかと考えた。

アフリカでは土地登記が共通の問題であることがわかった。アフリカの農村部の90％以上が未登記であり、土地収奪の温床になっている。このことが農業その他の産業の成長を阻んでいる。紛争時に土地が他者に略奪されたり、政府に強制収用されるからだ。

我々は再び各国を訪れ、ブロックチェーンを用いた土地所有登記などのサービスを提案した。ナイジェリア政府から肯定的反応があり、パイロットプログラムを実施することになった。このパイロットフェーズが終わった暁には次のビジネス契約を獲得できることを楽観している。

アフリカ諸国政府とのビジネスはどんな感じだったか？小さくて獲得可能な市場である。もしあなたが、アフリカの国の政府に製品やサービスを売り込むつもりなら、最初の顧客は小さな国にいることを念頭に置くのがよいだろう。

その他のチャンスをつかむために、我々はこの発想に基づいて今後も他のアフリカ諸国への拡大計画を続けていくつもりだ。

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画像クレジット：KTSDESIGN SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

【原文】

A major attraction of Africa is its large population of 1.2 billion, which hints at a sizable addressable market. But what happens when your target audience is the governments of 54 countries?

In our situation, that was the case. We started Domineum Blockchain Solutions with the intention to help African governments solve problems with shipping and keeping records.

We knew it’d be hard work, but didn’t anticipate that getting our first customer would be the most difficult part.

It’s typical when entering Africa to want to focus on the big and popular markets like Nigeria, South Africa and Kenya. But what we’ve learned so far is that there’s a high probability that these countries might not be your first entry point.

Our first product was a cargo service that tracks shipment origin and movement and determines the contents of goods being imported or exported in any country. We built this to solve the problem of lost revenue due to shipments being passed through informal backdoor channels.

With our focus on sub-Saharan Africa, we approached four countries in 2019: our home country of Nigeria, plus Kenya, Gambia and Guinea-Conakry.

We started this conversation and didn’t get a substantial response from the four countries’ governments. They weren’t open to trying out our solution — it was new and they weren’t familiar with blockchain technology. Distraught, we decided to add a smaller country to our list: Sierra Leone.

The Freetown seaport, located in the country’s capital, is the main gateway for trade in and out of Sierra Leone, with 80% of trade passing through this port. The port has a long history as a trading hub and benefits from the country’s strategically important location midway between Europe and the Americas.

But Freetown isn’t one of the top ports in Africa or even sub-Saharan Africa; a fraction of a percentage point of the world’s trade shipment flows through its ports. The small African country, with about 0.1% of the world’s population, exports diamonds, cocoa and coffee and imports food, machinery and chemicals.

Notably, it faced big challenges in shipping these products in and out of the country. A Sierra Leonean supply chain manager described this situation, “We used to face big challenges during the export process. There would be long delays at the port. Our trucks would arrive before midnight and could be stuck in queue for hours, even days. The documentation process was so complicated.”

According to the World Bank, Sierra Leone’s “trade challenges can be attributed to several factors: lack of access to trade information; high levels of physical inspections; multiple fees, licenses, permits and certificates; manual processes; and the lack of coordination among agencies.” Domineum set out to solve this.

Our initial conversations with the Sierra Leone government went well. Fortunately, Sierra had developed a five-year plan (2018-2023), supported by the World Bank Group, to reduce the time and costs needed to move goods across its borders. The goal is to reduce trade costs by 10%. After three months of discussion, our cargo tracking system was implemented.

In late 2019, we started this partnership, and so far we’ve been able to capture $2 million in revenue that would have been lost. The business model is simple: We get a 40% commission out of extra revenue we’re able to capture for the Sierra Leone government via our cargo tracking system.

It’s typical when entering Africa to want to focus on the big and popular markets like Nigeria, South Africa and Kenya. But what we’ve learned so far is that there’s a high probability that these countries might not be your first entry point. A business-to-government model is a difficult one. There’s a lot of politicking that goes into working with the government.

What we’ve seen work is to approach other countries and gain a foothold, then use that as validation that the concept works. With the success of Sierra Leone, we’re hoping to return to other countries and get a better reception.

The success of Sierra Leone got us rethinking the services we were offering. The initial conversation started with a cargo tracking service, but then we wondered if we should offer a different service to countries that said no at first.

We identified that land registration was a common problem in Africa. More than 90% of rural land in Africa is undocumented and therefore vulnerable to land-grabbing. This hampers the growth of agriculture and other sectors because land is lost to other parties or taken forcefully by the government during times of conflict.

We returned to these countries, offering other services like land ownership registration via blockchain. We got a positive response from a state government in Nigeria to carry out a pilot program. We’re optimistic that once this pilot phase is over, we’ll be able to seal the next business deal.

What’s it like working with African governments? It’s a smaller addressable market. If you’re looking to pitch a product or service to governments in Africa, it’d be helpful to keep in mind that your first customer might be from a smaller country.

To seize other opportunities, we’ll keep looking to expand to other African countries with this mindset.

（文：Mohammed Ibrahim Jega、翻訳：Nob Takahashi / facebook ）

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