Dellが「APEX」サービスを拡大、マルチクラウド戦略を強化

今回は「Dellが「APEX」サービスを拡大、マルチクラウド戦略を強化」についてご紹介します。

関連ワード (ストレージ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Dell Technologiesは1月19日、自社のアズ・ア・サービス「APEX」の最新版となる「APEX Multi-Cloud Data Services」など、新たなマルチクラウド戦略を発表した。

 APEXは、Dellが2020年秋に構想を発表したアズ・ア・サービスのブランド。サブスクリプション条件を選択し、サーバーなどのインフラハードウェアを資産として所有する必要がないなどクラウドのように使用できるものだ。既にダッシュボードの「APEX Console」、コンピューティングの「APEX Cloud Services with VMware Cloud」、データストレージの「APEX Data Storage Services」などのサービスをそろえている。

 同社がAPEXとして発表したのは、「APEX Multi-Cloud Data Services」と「APEX Backup Services」の2つ。これに加えて「Project Alpine」も発表した。また、既存の「APEX Data Storage Service」は、提供地域拡大などのサービス内容の強化を加え、開発者向けの取り組みも発表した。

 APEX Multi-Cloud Data Servicesは、パブリッククラウドでデータを利用するためのデータストレージとデータ保護の機能を提供するサービス。ストレージとしてファイル/ブロック/オブジェクトの各データタイプをサポートし、APEX Consoleと統合することで単一のコンソールから主要なパブリッククラウドに、同時にアクセスできるという。

 同社でクラウド、エッジ、テレコムを担当するシニアバイスプレジデントのVarun Chhabra氏は、「(企業は)アナリティクスやデータ処理をそれぞれの用途に強いクラウドサービスを使って実行したいが、そのためにはデータを移動させなければならない。これはコストと時間の両方で大きな負担になっている」と話す。APEX Multi-Cloud Data Servicesは、Dellの独自技術により、特定の場所にデータを保持しながら複数のクラウドを使うことができるため、「パブリッククラウドのベンダーロックインを回避できる」(Chhabra氏)という。

 APEX Multi-Cloud Data Servicesは、2022年第1四半期中に米国など一部の国で提供するが、ここに日本は含まれていない。

 一方のAPEX Backup Servicesは、Office 365やSalesforceといったSaaSアプリケーション、ノートPCなどのエンドポイント、パブリッククラウドにある仮想マシンなどハイブリッドワークロードなどのデータを保護できるサービス。データが散在する環境において、中央でモニタリングと管理ができる。それ自体もSaaSで提供され、ユーザーはAPEX Consoleを通じてポータルにログインし、保護したいサービスを選択するだけで良いという。

 2021年に第1陣のAPEXサービスとして発表していた「APEX Data Storage Service」は、これまで北米で提供してきたが、今回から欧州・中近東・アフリカ、日本以外のアジア太平洋の数カ国に拡大する提供地域の拡大に加え、Equinixとの提携を通じ、「APEX Anywhere」として、自社データセンターではなくEquinixのデータセンターでDellが実装管理できるようになった。データセンターの面積を縮小したい顧客向けとしている。

 同時に発表した「Project Alpine」は、新たなイニシアティブで、Dellのブロックとファイルストレージをパブリックソフトウェアに拡大するもの。オンプレミスとパブリッククラウドの間で、一貫性のある形でデータを管理できるようにするという。

 Dellのデータ保護クラウドをベースとしており、「Dellのストレージプラットフォームに組み込んでいるパフォーマンス、データ最適化、セキュリティ、コンプライアンスなどのエンタープライズ機能をマルチクラウド環境でも利用できるようになる」とChhabra氏は説明する。課金方法も柔軟にし、クラウド事業者の既存のクラウドクレジットも使えるようにするという。なお、Dellは9エクサバイトのデータをクラウドで保護している実績があるという。

 APEX Backup Servicesは、グローバルで提供を開始した。Project Alpineは、パブリッククラウドのマーケットプレイスまたはパブリッククラウド事業者のコンソールよりマネージドサービスとして提供する。

 また、開発者向けにDevOpsレディのプラットフォームとして、SUSE RancherのKubernetes実装をサポートすることを発表した。また、Amazon Elastic KubernetesをPowerFlexとPowerStoreでもサポートし、ベアメタル、コンテナー、仮想環境などで実装できるようにする。

 開発者向けのポータル「Dell Technologies Developer」(developer.dell.com)では、 Application Programming Interface(API)、ドキュメンテーションなどを集約した。コードとしてのインフラ機能を備えることで、アプリケーション開発者やDevOpsチームのワンストップショップを目指す。

 APJプレジデント兼グローバルデジタルシティーズ事業プレジデントのAmit Midha氏によれば、DellとForrester Consultingの共同調査で、83%がマルチクラウドアプローチを採用中もしくは今後12カ月以内に採用予定であることが分かったという。

 Midha氏は、「データの増加により、データから価値を得る段階に入っている」と述べ、APEXは顧客がマルチクラウドで抱えるデータの管理やガバナンス、スキルと人材不足、コストなどの課題を解決する技術を提供することで成果を提供すると位置付ける。「デフォルトでのマルチクラウドではなく、組み込まれたマルチクラウドを」と述べ、これがDellの競合差別化の点になると続けた。

 Midha氏はまた、VMware、Google、Amazon、SAP、Red Hat/IBM、Equinixなど提携する企業名を挙げ、マルチクラウド戦略においてクラウドエコシステムを強化することも強調した。「クラウドエコシステムのチャンピオン」を目指す、とMidha氏は述べた。

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