楽天生命、リスクシミュレーションで保険の引受査定を自動化

今回は「楽天生命、リスクシミュレーションで保険の引受査定を自動化」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 楽天生命は、日立製作所が提供するリスクシミュレーションサービス「Risk Simulator for Insurance」を採用し、保険加入希望者の健康状態から将来の入院リスクを人工知能(AI)で予測し、保険の引受査定を自動化するシステムを構築し、稼働を開始した。

 本格採用に先立ち、両社は2021年3月から約4カ月間に渡り概念実証(PoC)を行い、Risk Simulator for Insuranceを使った査定自動化について実現性を確認している。

 Risk Simulator for Insuranceは、医療ビッグデータ分析ノウハウに基づいて開発した独自のリスク予測モデルをAPI形式で提供するサービスで、糖尿病や悪性新生物などの8つの生活習慣病を対象に、将来の入院発生確率や医療費などを予測する。

 多くの生命保険会社で導入されている数字査定法による引受査定に比べ、システムの構築コストやルール改定時の手間を軽減しながらリスクを査定できる。また、AIで査定を自動化することにより、高度な医学的知識が必要でリソース確保が困難な、保険査定エキスパートの負担平準化にも寄与する。

 楽天生命の新システムは、保険申込時の告知情報をもとに、Risk Simulator for Insuranceが生活習慣病に関わるリスク(将来の入院リスク予測値が、健康な人と比べ何倍高いか)を解析・判定し、楽天生命が予め設定したリスク度合いの基準と照合して、引受可否の判断を自動で行う。

 保険募集代理店が持つ営業タブレットからの申込を対象に新システムを導入し、申し込みから契約までの所要時間を大幅に短縮する。

 さらに、保険申込書における記述は自由記述となっていることが多く、申込書に記載されている病名や服用中の薬に関する情報には誤字脱字や表記揺れなどが多く含まれるが、新システムでは、必ずしも正確な名称であるとは限らない健康状態や既往症情報からのリスク予測を、人手を介さずに一気通貫で行う。

 この機能については、日立が申込書のテキスト情報を解析し、適切な病名や薬剤名、さらには「ICD10」と呼ばれる世界共通の傷病を分類するコードへ自動変換する機能を新たに開発したもので、4月からは、Risk Simulator for Insuranceの新機能として正式にリリース予定だ。

 今後、楽天生命ではAIによる査定自動化の対象範囲を拡げ、各種保険の加入手続きのさらなる効率化などを図る。さらに、自動査定を通じて取得する引受データを保険金・給付金の支払いデータと突合し分析することで、医務査定の精緻(ち)化を図っていく。

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