「Raspberry Pi」の新ブートローダーがリリース–OSのネットワークインストールが可能に

今回は「「Raspberry Pi」の新ブートローダーがリリース–OSのネットワークインストールが可能に」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Raspberry Pi Foundationが新しいブートローダーをリリースした。これを使用すると、別のコンピューターを経由することなく、「Raspberry Pi」に直接OS(公式OSなど)をインストールできる。

 これまで、Raspberry Piの所有者がPiデバイスにOSをインストールするには、「macOS」「Windows」、または「Ubuntu」デスクトップにインストールされたイメージ書き込みツールを使用する必要があった。別のPiデバイス経由で実行することも可能だが、この場合は、それぞれのデバイスにSDカードリーダーを接続する必要がある。新しいRaspberry Piブートローダーはネットワークインストール機能を提供するので、2台目のコンピューターを使わずにOSをインストールすることが可能だ。

 Raspberry Pi Foundationは、ネットワークインストーラーをベータ版としてリリースし、ネットワーク経由で空のSDカードにOSをインストールした体験についてユーザーのフィードバックを求めている。

 Raspberry PiのソフトウェアエンジニアのPeter Harper氏は、「そもそも2台目のコンピューターがない場合、どうすればOSをSDカードに書き込めるのか。これは古典的な鶏が先か卵が先かという問題だ。われわれは今回、それを解決した」と述べている。

 Raspberry Piのサポートノートによると、新しいブートローダーを使用すれば、「Raspberry Pi Imager」を実行するための2台目のコンピューターは不要で、代わりに「『Raspberry Pi 4』または『Raspberry Pi 400』をイーサネットケーブルでインターネットに接続して、ImagerをそのPiデバイス上で直接起動する」ことが可能だという。

 ベータ段階のブートローダーの使用に関しては、いくつか注意点がある。サポートされるのは、Pi 4やRaspberry Pi 400など、最新のハードウェアのみであり、「Raspberry Pi 3」以前のデバイスは対象外だ。また、既存のボードを使用しているユーザーは、ブートローダーを更新する必要がある。

 ベータ期間終了後は、新しいネットワークブートローダーがRaspberry Piデバイスに標準でインストールされるので、ブートローダーの更新は不要になる。また、Raspberry Piのブートローダーの更新に使用されているSDカードは完全に消去される。

 サポートノートには、以下の注意事項が記載されている。

 試してみたいユーザーは、Imagerアプリケーション内でベータブートローダーを選択するといい。「Choose OS」ボタンをクリックすると、ポップアップウィンドウに「Operating System」リストが表示されるので、「Misc utility images」をクリックして、「Beta Test Bootloader」を選択する。

 Raspberry Pi Foundationによると、ネットワークインストールオプションは、Raspberry Pi Imagerの組み込み版をraspberrypi.comからメモリーに安全にダウンロードし、RAMディスクとして実行するという。

 近頃は、世界的なチップ不足の影響で、新しいRaspberry Piを入手するのが困難になっており、Raspberry Piデバイスの初めての値上げも実施された。

 複数の再販業者がRaspberry Pi 4の在庫切れを報告しているにもかかわらず、Raspberry Piの最高経営責任者(CEO)のEben Upton氏は先頃、米ZDNetに対して、供給ではなく「需要」の問題に直面していると語った。ただし、Upton氏は、Raspberry Piが「逼迫した市場」で事業を展開していることを認めた。

 Upton氏は米ZDNetへの電子メールで、「われわれは、可能な限り速いペースでRaspberry Pi 4を製造しており、第1四半期には(多数の「Compute Module」や古い製品とともに)約100万台が製造されている」と語った。

 「2021年と同様、供給が少ないのではなく需要が多いと言った方が適切だ。2021年には、700万台以上のRaspberry Piを出荷した。2020年も同じペースで進んでいる。したがって、製品は供給されているが、市場が逼迫していることも確かだ」

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
好きな視点と照明でリアルな合成画像 Googleなど「Neural Light Transport」開発 :Innovative Tech
イラスト・デザイン
2021-03-29 00:13
NECネッツエスアイ、自治体向けサブスク型サービスを提供–補助金申請業務をオンライン化
IT関連
2023-08-24 19:28
サイバーセキュリティ/ITチームの分断にどう対処するか–テナブル調査
IT関連
2023-11-11 17:48
三井住友信託銀行、ハイブリッドワーク端末に「レッツノート」を採用
IT関連
2025-03-19 19:06
Docker DesktopがWebAssemblyランタイムを統合。コンテナと同様にWebAssemblyイメージを実行可能に
Docker
2022-10-26 08:16
全国初摘発「ファスト映画」急増のワケ コンテンツ過多で「時短視聴」需要も
IT関連
2021-07-07 13:49
グーグル、奇妙なAI検索結果の真相を説明
IT関連
2024-06-04 09:08
「Firefox 89」公開、デザイン刷新で使いやすく
IT関連
2021-06-02 16:06
マイクロソフト、GPT-4に任意のドキュメントなどを読み込ませて回答してもらえる「Azure OpenAI Service On Your Data」が正式サービスに
Microsoft
2024-02-29 20:39
豊田自動織機、富士ソフトとAI自動補正システムを構築
IT関連
2021-07-22 02:19
Meta(旧Facebook)が大規模向けのビルドシステム「Buck2」をオープンソースで公開。高速かつ高信頼で拡張可能なビルドシステム
Facebook
2023-04-14 19:17
ITとOTを知るフォーティネットの田井新社長–セキュリティ対策の相違点
IT関連
2022-08-24 17:24
VSCodeでコードを修正すると、次に修正すべきコードの場所を提案してくれる「Copilot Next edit Suggetions」プレビュー公開
GitHub
2025-02-19 15:15
ENEOS、基幹システム「CoMPASS」を「RISE with SAP」に移行
IT関連
2025-02-19 08:07