「Linux 5.17」正式リリース–セキュリティ修正やドライバー改善など
今回は「「Linux 5.17」正式リリース–セキュリティ修正やドライバー改善など」についてご紹介します。
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「Linux」カーネルの最終的な調整役であるLinus Torvalds氏が、Linuxカーネルのバージョン5.17を正式に披露した。「Linux 5.17」では、Intel、AMD、およびArmベースのメーカーのハードウェアに関連するソフトウェアインターフェースに変更が施されている。
「Android」とクラウドインフラストラクチャーがテクノロジーを定義する世界では、Linuxカーネルの新バージョンのリリースは重要な出来事である。
Torvalds氏がLinuxカーネル5.17のリリースを発表したのは米国時間3月20日のことだったが、その直前に、複数の修正が施されている。これには、リリース延期の原因となった新しいセキュリティ脆弱性への対応も含まれる。
Linux 5.17のリリースは、チームが「Spectre」脆弱性の別の亜種に対応する必要が生じ、作業量が増加したため、1週間延期された。
そうした予想外の出来事はあったものの、Torvalds氏は5.17の開発プロセスについて、「非常に穏やか」と評した。カーネル開発者は「brown paper bug」を修正するだけで良かったからだ。
同氏はLinuxカーネルのメーリングリストで、「したがって、リリースを当初の予定よりも1週間遅らせた。幸いなことに、開発プロセスは実際に非常に穏やかだった」と述べた。
「おそらく、予定通りにリリースしても問題はそれほど発生しなかったはずだが、実際には、土壇場でいくつかのリバートと修正を実行し、いくつかの『brown-paper bug』を回避した。これをやらなければ、それらのバグの修正は安定版まで後回しになっていたはずなので、やってよかった」
Torvalds氏によると、大きなニュースはLinux 5.17が小規模なアップデートであることだという。セキュリティの修正以外では、ハードウェアドライバーを改善する小規模な修正がいくつか施されただけだ。
「本当に小規模なので、以下の詳細をスクロールしながら、短いサマリーを読んでいけば、先週起きたことを概ね把握できるだろう」(Torvalds氏)
Linux 5.17の開発作業は1月に開始され、ノートPCやモバイルデバイス用のAMD、Intel、およびQualcommチップを対象とする改善が施された。LinuxニュースサイトのPhoronixが指摘しているように、このアップデートにより、「AMD Zen 2」システムの電力効率が向上し、Intelの「Alder Lake」モバイルプロセッサーの問題が修正されるはずだ。
Linuxカーネル5.17のリリース後、Torvalds氏と3万人の協力者たちは、カーネルバージョン5.18の開発を開始した。5.18は、5.17よりも大規模なリリースになるはずだ。
「linux-nextの統計データから判断すると、5.18は5.17よりも若干大規模になりそうだが、大きな騒動がないことを願っている」(Torvalds氏)
したがって、次のバージョンの開発作業はすでに始まっている。「もちろん、これは5.18のマージウィンドウが3月21日から開かれることを意味する。私の受信トレイには、すでに多数のプルリクエストが届いている。早い時期でのプルリクエストに感謝したい。『これはすべて十分な時間をかけて準備された』という暖かくて穏やかな気持ちになるからだ」(Torvalds氏)