Ultrahumanのグルコーストラッカー「Cyborg」を4週間装着、自分を定量化することで何ができるのか?

今回は「Ultrahumanのグルコーストラッカー「Cyborg」を4週間装着、自分を定量化することで何ができるのか?」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


2021年のある4週間、TechCrunchの記者である私は、インドのベンガルール本拠のスタートアップUltrahuman(ウルトラヒューマン)が提供している「代謝健全性」サービスを思い切ってテストした。このトラッカープログラムは商標名をCyborg(サイボーグ)といい、腕に装着する医療用のハードウェアを使用して血中グルコース値をリアルタイムで読み取る。Cyborgは、この動的なデータポイントを利用して食事の内容や運動の方法にスコアを付ける健康定量化サービスであり、1日を通して健康的な生活習慣を選択するようユーザーにアドバイスする。

研究によると、質の悪い食生活や運動不足などの要因で起こる代謝性の慢性炎症によって、糖尿病、心臓血管疾患、慢性腎疾患、がんなど、さまざまな病気を発症する危険性があるという。Cyborgの背後にある理論は、生活習慣の中で数多くの選択を積み重ねることで、より健康的な長期的展望が開けるというものだ。それには、そのような日々の決断を最適化して炎症や酸化ストレスを回避することが前提となる。

この長い記事では、皮膚に穴を開けるタイプのデバイスを身に付け、動的に更新される生体内プロセスのデジタルウィンドウを見ながら生活を送ったときの興味深い体験、および健康全般とフィットネスのために継続的グルコースモニタリング(CGM)を行う価値について書いてみたい。また、この種のセンシングハードウェアが次々に製品化されている現状における市場勢力図についても触れてみたい。

この記事は、Ultrahumanの製品とサービス(現在は非公開ベータ版で運営)に関する大まかなレビューだが「評定と価格」というセクションも設けた。動作の詳細をすぐに知りたい方は読み飛ばしていただきたい。その前に背景について少し説明することにしよう。

Cyborgになるのはもはやまったくのサイエンスフィクションではなくなってきている。何年にも渡る「自己定量化」トレンドによって、身体の活動を計測し、出力を追跡して最適化するようアドバイスするさまざまなセンサーやサービスが次々に生まれた。歩数計、心拍数モニター、ストレスおよび睡眠センサー、肺活量測定器などだ。最近ではさらに変わったものも登場している。血中グルコース値モニター、唾液や小便 / 大便分析器などだ。大便を解析することで、必要に応じて、ホルモンや微生物叢 / 代謝に異常があるかどうかを知ることができる。

心配症の人たちに手首装着型、またはベルト固定式の自己管理型センシングデバイスを装着させ、サブスクリプションサービス(計測したデータの意味をアプリで解釈し、数値を改善する方法を提示する)を提供するビジネスが活況を呈している。Apple Watchのリングを完成させる、深く呼吸する、早めに就寝する、といったことをアドバイスされる。

こうした定量化ヘルステックは少し浅薄で不真面目だと受け取られる可能性がある。毎日の生活にちょっとした小道具を持ち込み、単に散歩に行ったり早めに寝たりすればよいだけなのに役に立ちそうもない小物を押し付けてくる感じだ。やる気の出ない人に行動を起こしてみるよう勧める電話サービス、失われた子ども時代の代わりになる環境、あるいは存在の証明としてのデータ化サービスなどを販売する、もっと基本的で単純な製品でも十分だ。

しかし、餅は餅屋ということもある。睡眠障害があったり、ストレスや心配事で苦しんでいたりするなら、睡眠をトラッキングして、少しでも睡眠時間を増やすためのアドバイスやヒントを貰えば、質の高い睡眠を安定的にとれるようになるかもしれない。

利用できるテクノロジーもどんどん洗練されてきている。市販のトラッカーは臓器(心臓や肺)の機能障害の有無に焦点を合わせているのに対して、定量化というのは良さそうに思えるかもしれないが、正確性には疑問の余地がある。というのは、この種の製品は、規制の対象となる医療機器ではなく消費者向けレベルであることが多いからだ。

歩数計のデータでさえかなり不正確な場合がある。

しかし、最近の開発現場では、医療用レベルのセンシングハードウェアを使用して自己管理型の代謝分析機能を提供するスタートアップがどんどん増えている。こうしたデバイスは、皮膚上(というより皮膚中)に装着するセンサーを介して血中グルコース値の変化をほぼリアルタイムでトラッキングする。

これは魅力的な機能であり、成長しているが、健康定量化スタートアップとしてはまだまだ新しい領域だ。だが、有望な領域に思える。個人の有益な健康情報を提供でき、なおかつ十分なデータがあれば実用面でも大きく向上する可能性がある。また、多くの人たちがより健康的な生活習慣を選択できるようになる。

しかし、大きな問題がある。代謝健全性の科学的理解が我々が思っているほど完全ではないのだ。

UltrahumanのCyborg。欧州にいる筆者に送られてきた箱の中身。Abbott(アボット)製のCMGセンサー、アルコールティッシュ、センサーの上に貼るテープパッチ(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

まだ多くのことが解明されていない。例えば個人によって代謝反応に大きな差がある(まったく同じ食事を摂っても、人によって反応が大きく異なることがある)のはなぜかや、糖尿病やがんなどの発症リスクの増大に炎症がどのような役割を果たしているのか、といったことだ。

したがって、スタートアップ各社の病気を予測する能力は、今後の研究の必要性によって決まってくる(ただし、研究の進展のためにデータを収集して理解することは、企業家がひそかに狙っているビジネスチャンスの重要な部分ではあるが)。

また、問題となっているセンシングハードウェアは、大半のスタートアップが追求している「一般的な健康」という使用事例において規制の対象になっていない。

つまり、こうしたサービスはまだ新しい領域、つまり実験段階ということだ。たとえスタートアップが転用しようとしているハードウェアが老舗の医療機器会社によって製造されているという点で合法であり、より狭い範囲における使い方(糖尿病管理など)では規制の対象になるとしてもだ。

通常、このようなセンサーは、糖尿病患者が定期的に血糖測定を行う代わりに血糖値をトラッキングするためのデバイスとして規制当局の認可を受けている。そのため、スタートアップ各社は信頼性を付与され、同じデバイスメーカーのAPIに接続して同じデータストリームを取得できるようになるかもしれない。しかし、こうしたサービスがデータに付与するのは、偏った解釈だ。

生活習慣に関するアドバイスを含む、より広範な分析を行えば、FDAには絶対に認可されない。

栄養に関して長年に渡って激しく繰り返されてきた議論、すなわち、一時的な流行りの食事療法、ベストセラー本、体に良い食物と悪い食物や効果的な運動に関して繰り返される議論などは、人間の生態と人間が定期的に自分の体をさらすもの(食物、運動など)の間の相互作用に関する理解が不十分であるために起こってきた現象だ。

すべての構成要素がどのように相互作用するのかを完全に理解せずに複雑なシステムを計測しても、全体像を把握することはできない。把握できるのはせいぜいスナップショットだ。それでも理解を深めることができるかもしれないが、すべての答えがそこにあるわけではない。誤った解釈のリスクは本当に存在するのだ。気を付けなければならない。

「代謝健全性」の計測を実際にどのように行うのかという疑問もある。代謝健全性というのは漠然とした言葉だ。複雑な生物相互作用が化学反応を引き起こし、それによって体に必要なエネルギーが生成され、その結果、健全な体重を簡単に維持できることになる(あるいは維持できない場合もある)。つまり、体全体の健康を実現するのを支援することもあれば邪魔することもある。

食事の内容、方法、時刻、およびその時に十分に活動し休息を取れているか(ストレスを感じることなく)は、代謝機能に影響を及ぼす可能性のある動的な変動要因のほんの一部に過ぎない(わかりやすい例。今日体内で食材が代謝される方法は、昨日食べたものによって影響を受ける可能性がある)。センシングデバイスで焦点を絞って追跡するよう選択された生体指標(複数の場合もある)によって「代謝健全性」サービスでわかるもの、そして推定できるものも明らかに違ってくる。

代謝健全性を追求するスタートアップは、血中グルコース値のトラッキングから腸内微生物や体の排出物(尿など)の分析、あるいは、出力とシグナルの組み合わせの確認(心拍数を考慮に入れることもある)など、さまざまな方法を模索している。そのうち、より多くの体のシグナルがチェック対象に追加され、十分に解明していくための取り組みが行われるだろう。しかし、現状の代謝トラッキングの多くはせいぜいパズルの1ピースに過ぎない。陰影付けの線よりも空白のほうが多いスケッチ(つまり、大まかな推測)のようなものだ。

あらゆる生体化学を理解する最新技術の製品化を試みる人たちにとって、さまざまな代謝シグナルの組み合わせから得られるデータを理解する、いや最善の解釈を導き出す方法については、疑問と課題が山積みの状態だ。Ultrahumanの創業者もこの点を認めており、次のように話す。「血中グルコース値という生体指標から生成される情報を正確なものにすることが、当社の最も重要な使命です」。

Ultrahumanのウェブサイトには、Cyborgのサービスは「スポーツ愛好家が自分の血中グルコース値レベルと運動能力を把握するための一般的な情報を提供するもの」であり、医師の意見の代わりになるものでもなければ、特定の病状や健康上の懸念のケアや対処方法を構成するものではないという免責条項がある。

代謝の謎を解き、代謝健全性の概念を商用化するという企業使命はまだまだ現在も進行中だが、次の2つのことは明確だ。第1に、生物学的機能の理解を深めようとするニーズが存在している(トップアスリートだけでなく多くの人たちが体内で起こっていること全般、とりわけ代謝について関心を持っている)。第2に、この種のヘルストラッキングテクノロジーが個人ユーザーにもたらす長期的利点は何なのかについて、重大でありながら、未確認のさまざまな主張が行われている。

そこで、注意していただきたい点をもう1つ。代謝バイオハッキングに是非関わりたいと考えている人は、その制限についても明確にしておく必要がある。

少しばかりのデータを取得しても、診断を下すどころか、適切な理解さえできないこともある。この場合データ量が多いと、ノイズと混乱が増え、必ずしも明確なシグナルが得られるとは限らない。本来心配する必要のないことまで心配になることもある。

この10年間、デジタルでの健康 / ウェルネストラッキングの消費ブームは、侵襲的 / 半侵襲的なウェアラブル機器に関しては伸びが鈍化していたが、それもうなずける。侵襲的ウェアラブルとは、体の内部に(少しだけ)刺し込んで使うセンシングデバイスのことだ。

たとえ部分的でもウェアラブルな(UltrahumanのCyborgの場合は、皮膚パッチを皮下に刺して間質液中にセンシングフィラメントが押し込まれるようにする)代謝トラッキングサービス、それがこのレビューの中心テーマだ。この半侵襲的センサーとアプリの組み合わせで、代謝健全性を把握して評価する代わりにほぼリアルタイムでグルコース濃度をモニタリングする。血糖値が高いと、効果的な生活習慣に向けて改善するよう装着者にアドバイスや警告が出される。

目的は、センサー装着者の日常生活におけるグルコース濃度を安定させて(著しく高いまたは低い状態を避けて)、健康に悪影響を及ぼすような炎症と酸化ストレスを軽減するという包括的なミッションを達成することだ。

Ultrahumanが提案しているのは「代謝健全性」(同社が自社のミッションを説明するために好んで使うフレーズ)に注意を払い、食事の内容と時刻、運動や睡眠の質と時刻に関して少しでも対策を講じることで、時間の経過とともに、糖尿病、非アルコール性脂肪肝、心臓血管病などの代謝異常を発症する可能性のある慢性的炎症を回避したり好転させたりできるというものだ。

食事療法は、CGMテクノロジーを製品化しているスタートアップによって常にあからさまに宣伝されているわけではないが、血糖値の急上昇は、もちろん甘い食べ物の摂取(および過剰摂取)と関連している。いずれも体重の増加につながる可能性がある。したがって、代謝健全性を支援することは、健康的な体重を達成してそれを維持できるよう助けることを意味する。

慢性疾患のリスク軽減、体重管理支援、運動能力を向上させるスマートなデジタルアシスタントなど、マスコミに取り上げられそうな潜在的利益があることを考えると、大手スタートアップがこぞって代謝の謎を解明しマネタイズしようとしているのもうなずける。

また、スタートアップ側のビジネスチャンスという点では、文字どおり「ワイヤイン(針を刺す)」タイプの消費者向けヘルストラッカーは間違いなく、Apple Watchなど、手首に装着するトラッキングギアなどの主流からは外れた位置付けだ。だがそのおかげで大手消費者向けテック企業との競争は少なくなり、挑戦を続ける企業家には成功のチャンスとなる。

Appleのウェアラブルデバイスのバックパネルに収納可能なグルコース測定用の金属針が埋め込まれていたら、そのグルコース検知フィラメントの外観がどれほどしゃれていても、Apple Watchの出荷数は現状に遠く及ばなかっただろう(噂では、Appleはもちろん、針を使わないグルコースモニタリング機能をApple Watchに埋め込みたいと考えているようだ。うまく機能するならだが)。

皮膚に針を刺すのは(実際にはそうでもないとしても)面倒そうな感じがする。そして当然、多くの人が針と聞いただけで嫌がる。ということは、バイオハッキングの最先端で健康定量化スタートアップが、主流の大手消費者向けテック企業よりもはっきりとした足跡を残す存在になるチャンスと市場余地があるということだ。人々の針恐怖症に臆せず挑む自己定量化テクノロジーは、より本格的であるように思える。というのは、トラッキングされる生体内作用に文字どおり近い位置で計測するからだ。

とはいえ、トラッカーを皮下に挿入することで、センサーを侵襲性の低い形で装着する場合に比べて、取得されるデータの質、そのデータの分析、結果としてユーザーに提示されるアドバイスといった点において有意な差異が生まれるのかどうかは簡単には答えられない質問だ(実際、非常に多くの質問が生じ、その内容はコンテキストとサービスの実施によって変わる)。

UltrahumanのCyborgの場合、大げさな約束をしないよう慎重に事を進めている。マーケティングでは「食事と運動が体に与える影響と毎日の改善のモチベーションとなるスコアをリアルタイムで確認し、改善の取り組みを行う」のはユーザーの責任である、とベータ版に同梱されている簡単な説明書に記載されている。

Cyborgが出力する代謝スコアはパーソナライズされるが、科学的にはまだ解明されていない部分が多い生体内作用を抽象化し解釈したものだ。したがって、再度いうが、これは答えを探している途中の段階であって、明確な1つの「生物学的真実」をやすやすとユーザーに与えるものではない(要するに、差し出す真実などないのだ。あるのはユーザーの好奇心を満たす示唆的な大量のデータだけである)。

少しばかり知識があるのは危険なことだが(問題になっているデータが自分の生物学的状態に関連する場合、その危険性はもっと高まる)、人の体内の働きを垣間見るのは興味のある人にとって間違いなくおもしろいことだろう。このデジタル時代にあっては、コンピューターのキーを一打するだけで、健康に関する研究情報をいくらでも見ることができる。誰でも自分の生物学的状態について多少なりとも興味があるのではないだろうか。

危険なのは、おそらく、侵襲性の高いセンサーを装着することで、この種のトラッカーが、単なるデータ処理(および代謝プロセスに関するより広範な科学的理解)の域を出ない機能よりも高品質の情報(より個人の特質に沿った情報)を与えてくれるものとユーザーが自動的に思い込んでしまうことだろう。

しかし、Ultrahumanはこのサイエンスフィクション的なイメージをセールスポイントとして前面に押し出すことを恐れない。だからこそ、皮膚の中にセンサーを装着し、センサーと人体を直接接合することを意図的に強調した「Cyborg」という商標名をあからさまに選択したのだ。つまり、このデバイスが「少しずつ段階を追って健康増進へと導く」ことを約束する健康定量化サービスを実現する特殊なソースであることを暗示している。しかも、食事内容の大幅な変更や退屈でストレスのたまる包括的な運動プランは必要ない。

他の多くのスタートアップが同じ(または類似の)CGMハードウェアを利用しているため、魔法のごとく自動的にデータを取得する機能はすでにコモディティ化されている可能性がある。重要なのは、取得した情報を視覚化し、分析して、個々のユーザーの特質に合わせて提供することだ。

しかし、ここでも、上述の科学的理解の不確実さを考えると、定量化は本質的に難しそうだ。

もちろん皮肉屋に言わせれば、それこそスタートアップにとって完璧なビジネスチャンスだということになるのだろうが。

Ultrahumanは、代謝健全性を算定するために、血中グルコース値の動的な変化をトラッキングすることを選択した。

なぜグルコースなのか。UltrahumanのCEO兼共同創業者のMohit Kumar(モーヒト・クマール)氏によると、グルコースは「食事、ストレス、睡眠、活動に敏感に反応するリアルタイムの生体指標」であるため、Cyborgで達成したいことを実現するのに最適だったからだという。

「当初は健康増進をパーソナライズするための生体指標と手法も探していましたが、当社が目指しているインパクトが与えられる生態指標を特定するのに1年に渡る実験が必要でした。HRV(心拍数のばらつき)、睡眠、呼吸数など、あらゆる生体指標を検討しましたが、グルコースは生活習慣の食事面についてフィードバックが得られるため、最もおもしろいものに思えました」とクマール氏はいう。

「つまり、さまざまな生活習慣要因について即座にフィードバックを得ることができるのです。そして、これまで見たところ、即座にフィードバックを与えたほうが実際に行動に移す可能性が高くなるようです。例えばスパイク(血糖値の急上昇)を引き起こす食事の後にすぐ散歩するようアドバイスしたほうが、翌日出力されるレポートよりも、行動に移す可能性が高くなります」。

「次に、活動のパフォーマンスを高めるフィットネスウェアラブルやマーカーはたくさんありますが、食事の最適化を支援するものは皆無です。栄養摂取は一般にブラックボックスであり、食事の種類と個人的好みが幾百もあることを考えるとはるかに複雑です。ですが、食物エコシステムが破壊されていることを考えると、栄養摂取は最も重要な生活習慣の要素です」。

「半侵襲的生体指標であってもグルコースを指標として選択することがROIの観点から大いに意味があると感じた理由もそこにあります。非公開ベータ版によって、どのようなアドバイスと情報を与えれば人の生活習慣を簡単に変えられるのかがわかってきました。アプリ公開時には大勢のユーザーが参加しました。21歳くらいのユーザーが毎日計測を行い、大半の人が使い始めてから約45日目で健康に大きな改善が見られました」。

CGMテクノロジーのおかげで血糖値の変動をリアルタイムでトラッキングできるようになったことは、数週間、数カ月に渡って試行錯誤しながら進める従来のダイエットのような、ユーザーに忍耐を強いるビジネスに即座に大きな前進をもたらした。こうした従来のダイエットでは、食事と運動の内容を変えて数週間または数カ月後に実際に効果があったかどうかを確認する。

指に針を刺して繰り返し計測する方法ではなく、継続的な血中グルコース値をトラッキングする方法が近年、CGMハードウェアの開発によって実現された。CGMは当初、糖尿病と正式に診断された患者向けだったが、最近は、このテクノロジーを製品化して健康に懸念のある、またはフィットネス指向の消費者に販売するスタートアップがますます増えている。

このテクノロジーによって興味深い科学的事実が明らかになっている。例えばこの2018年の研究論文には、グルコースの調節異常(正常と考えられる範囲外の値を示すこと)は実は健康な人たち、つまり糖尿病または糖尿病予備群と診断されていない人たちの間でもごく普通に起こっていることが示されている。これは、研究者にとって意外なことだった。

ベーシックレベルでは、Ultrahumanのサービスは腕に装着するセンシングハードウェア(円盤型のセンサー、2週間ごとに交換が必要)と血中グルコース値を視覚化し警告とアドバイスを行うアプリがセットで提供される。トラッキングを継続するために、センサーは交換のたびにアプリとペアリングする。

平均的なフィットネスウェアラブルではない(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

センサーハードウェアを製造しているのは、米国の医療機器メーカーAbbott(アボット)という別の会社だ。本稿の執筆時点でUltrahuman製品といっしょに出荷される専用センサーは、アボットのFreeStyle Libre 2(フリースタイル・リブレ2)というグルコースモニタリングシステムだ。

CGMセンサーを自分で装着するのは少し神経を使う。これは、1回で正しく装着する必要があるからだ。TechCrunchに送られてきたベータ版の箱にはセンサーが2つしか入っていなかったので、センサーを無駄にしたくなかった。

筆者が装着した時には、センサーの装着とセットアップを説明した2つの(ロボットのおもしろい音声による)動画がUltrahumanによって制作されていた。これは役に立った。が、少し耳障りなところがあった(数滴血が飛び散ることがあるのであまり強く押し付けないようにと言っている部分が原因だろう)。

アボット製のハードウェアにも、独自の操作説明書とばね仕掛けの装着器が同梱されている。これを手動で準備し、上腕を上げてプラスチックのカップを装着位置にセットしてから、不安な気持ちになりつつも、押し下げてフィラメントを皮膚に向けて発射する。この動作は非常に速いので、思わずぎくりとする。Ultrahumanの操作説明動画に出てくる「中空の針」というフレーズを思い出してもあまり役に立たないかもしれない。しかしこの針はフィラメントを誘導するためのもので、腕の中に目に見える金属が残されたままになることはない。

血は飛び散ったかというと、筆者の気づいた限りではそのようなことはなかった。ただし、2回目に装着したセンサーは神経か何かに刺さったのか数日間かなり痛みがあった。その後落ち着いて安定した。もしくは、筆者が慣れたのかもしれない。

1台目のセンサーは装着時に痛みはなかったが、腕にプラスチック片を付けた状態で眠るのに慣れるまで少し時間がかかった。あるヨガのポーズを取ると、センサーを不自然に押し付けてしまうのを避けるため、余分に体をねじる必要があることに気づいた。また、CGMを装着している期間中は夜間、非常に高いピッチのすすり泣きが確かに聞こえたように思うが、筆者が電気羊の夢を見ていただけなのかもしれない。

センサーを付けたままシャワーを浴びたり入浴したりすることはできる。Ultrahumanの製品箱には、センサーを保護するための(腕にブランド名を表示する目的もある)布テープパッチが同梱されている。このパッチは、生活習慣によっては数日で剥がれてくることもあるが、センサー自体は筆者の2週間のテスト期間中しっかりと固着されていた。ぼろぼろになったパッチを剥がして新しいものと交換することはできる(予備のパッチがあればだが)。しかし、パッチを早めに剥がしたためにセンサーを通常より早く引き抜いてしまいたくないので、この作業も神経を使う。基本的には、Macbook(マックブック)ステッカーを貼るのと同じくらい楽しい。

センシング用フィラメント自体に興味のある方のために言っておくと、これはそれほど細くない針金ような感じだ。最初に腕から引き抜くときに確認できる。この時見て思ったのだが、何らかの黒いペイントでコーティングされているようだった。で、見ていてあまり気持ちの良いものではなかったが、そのコーティングが少し剥がれていた。だが、皮膚に装着したまま生活して2週間が経過する頃までには、体がCyborgを受容した。スマートな感じだ。

センサーを腕から引き抜いたところ(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

跡が残るかどうかだが、フィラメントが皮膚を穿孔した場所に赤い小さな腫れが残る。これはしばらくすると消えた。テープおよびセンサー内蔵の固定具(テープよりもはるかにしっかりと皮膚に接触したままである)で皮膚に問題が生じることはなかった。

センサーはBluetooth経由でUltrahumanのアプリとペアリングされる。このため、電話が腕と数メートルの範囲内にないと接続が切れることがある。そうなると、データフロー(およびリアルタイムアラート)が停止する。電話を決して自分の側から離さないようにするための完璧な理由ができたわけだ。

接続が切れると、アプリからその旨が通知され、接続可能になったら電話をタップしセンサーと再接続して失われた読み取り値をアップロードするよう要求される(セットアップ時にも、センサーには、データフローを開始する前にちょっとした「ウォームアップ」時間が必要になる。このため、最初のワークアウトや食事を記録する準備が整うまで部屋の中を行ったり来たりして待つことになるかもしれない)。

1カ月以上に渡って2回に分けて行った(センサー1の装着期間とセンサー2の装着期間の間に中断を入れたため)TechCrunchでのテスト期間中、アプリはまだ開発中だった。このため、ソフトウェアは見た目の大きな変更を含め、多数の変更が行われた。

これにより、グルコースプロット線のグラデーションをあまりにも単純すぎる表示(グルコース値の高低に応じて、常に赤から緑のグラデーションで表示する)から中央の「ターゲットゾーン」を設けるように変更された。ターゲットゾーンでは、プロットが「正常値」を意味する霧がかった緑で表示されるが、値が急降下または急上昇すると黄色、オレンジ、赤の順にグラデーションで表示される。つまり、グルコース値が最適範囲(70mg/dLと110mg/dLの範囲)外になると高すぎる場合も低すぎる場合も赤で表示されることになる。

この変更は大きな改善だった。これまでのバージョンでは、緑は常に良いサインとしてグルコース値が低くなることは常に良いことであると視覚的に示唆されていた。たとえターゲットを下回る値(低血糖)であっても緑で表示されていた。これは、この種の健康定量化製品で見られるデザイン/UXの落とし穴の一例だ。

アプリは、1日を通じて血中グルコース値の増減(またはアボットのハードウェアが間質液から引き出した近似値。糖尿病患者なら誰もがいうだろうが、これらの値は血中グルコースの読み取りと正確に一致するわけではない。また、グルコース値が上昇または下降する際には、フラッシュグルコースモニターに表示されるまでの間に短いタイムラグが発生することがある)をプロットするだけでなく、Ultrahumanが「代謝スコア」と呼ぶ数字(0~100)も表示する。

これは、健康的な生活習慣に向けた改善の実施をアドバイスおよびゲーム化するためにアプリが使用するメインの「指標」の仕組みだ。

Ultrahumanは、このスコアを「全体的な代謝健全性」を表す指標と説明しており、グルコース値のばらつきと平均、およびターゲット目標範囲内に収まっていた時間に基づいて算出しているという。このスコアは毎日深夜に100にリセットされ「日中の活動と体の反応に応じて」増減する。

このゲーム化のミッションは非常にシンプルだ。「目標は毎日、このスコアを最大にすることです」。

実際には、良い(高い)スコアを得られるかどうかは個人の生物学的状態と生活習慣による。そして、気が滅入るが、前日の活動と食事の内容によっては朝起きるとスコアが80台(いや、それよりも悪い数値だと思われる)に落ちていることもある。

注意:ストレスも血糖値に影響を与える可能性があるため、自分では制御不能な出来事が起こると数値に影響が出ることがある。

食事、活動、およびテスト期間中に徐々にアプリに追加されていったその他のタイプの出来事は手動で記録する。

当初、記録は食事または活動の説明を手入力することで行っていたが、その後のアップデートで、食事と活動のインデックスが追加され、構造化されたリストから食事と活動を検索して選択し、その量または時間も指定できるようになったため、すべてを手入力する必要はなくなった。

筆者としては、結局、食事の内容は手入力で記録するほうが良い感じがした。というのは、用意されているリストはあまりに詳しすぎて煩雑なため便利だと感じなかったからだ(「チーズ」と入力すると、ありとあらゆるタイプのチーズが候補として表示されるが、自分が食べているチーズや、実際に皿に盛る量と完全に一致するとは限らないし、そもそも量など認識していないかもしれない。チーズ一品を記録するだけでこの状態だ。これを皿一杯の料理について繰り返すなどうんざりだ。それに、このリストはかなり米国寄りのようで、欧州の食事を記録するにはあまり役に立たなかった)。

対照的に、自分の好みのチーズまたは料理全体のカスタムの説明を手入力しておけば、アプリでカスタムラベルが記録されるため、次回その料理を食べるときに迅速に記録できる。

Ultrahumanが、でき得る限り最高品質の構造化データを実現して、AI予測モデルで要求される広範な実用性を構築したがっていることは間違いない。しかし、記録作業があまりに仕事のように感じられると、ほとんどのユーザーはその仕事をタダでやろうとはしないだろう。このため、カスタムだが謎めいたものではなく、正確で構造化された食事グルコース反応データをベータ版ユーザーベースから取得するよう作業が調整されたのかもしれない。

(実際、食事の写真を撮るようユーザーに依頼し、コンピュータービジョンテクノロジーを適用して情報に基づく推論を行う必要があるのかもしれないが、それでも多くの誤りが入り込む可能性がある。長期的には、このテクノロジーが本当に主流になれば、レストランのメニューに各料理のQRコードが印刷され、それをスキャンする方法も想像できる。この方法ならすべての正しい栄養素データが即座に記録され入力時のイライラも緩和される)。

活動の記録は食事の記録よりもはるかに簡単だ。オリンピック選手でもない限り、活動の記録量は食事の記録量よりもはるかに少なくて済むということもある。

Ultrahumanは、ベータ版ユーザーコミュニティからのフィードバックを受け「ストレスのかかる」出来事と断食を記録のオプションとして追加した。断食はもちろん、血中グルコース値に大混乱を引き起こす可能性があるが、いくつかの研究によると、断食特有の健康面での利点もあるという。したがって、ユーザーにより細かい選択肢を与えて、CGMデータの構造化を進めていくのが合理的だ。

将来的には、他のタイプの消費者向けウェアラブルとの統合により、記録を自動化する可能性もあるようだ。例えばフィットネスバンドやスマートウォッチで具体的な活動を検出し、そのデータをUltrahumanのアプリに渡すという方法は容易に想像できる。ユーザーはアプリで検出されたワークアウトの詳細を確認するよう求められるだけだ。

とはいえ、現時点では、データの入力と構造化の主導権を握っているのは依然としてベータ版ユーザーなので、データ品質は本当にごちゃまぜ状態になっている可能性が高い。

Ultrahumanの使用上の注意によれば、使い始め当初は、安定した高いスコアを得られない可能性が高いとある。

これは、通常、血中グルコース値を安定させるために行う必要があることを学習するには少し時間がかかるからだ。というのは、何が自分に効果的かを確認するために、さまざまな要素(食事の組み合わせ、運動する時刻など)を試してみる必要があるからだ。それでもこれは、保守的なダイエットやフィットネス計画査定の退屈な作業に比べると随分時短プロセスだ(当然だが、何もしなくても安定したグルコタイプ(グルコースの性質)に恵まれている人は、手動による、言わば「舵取り」を実行する必要性はずっと少なくなる)。

筆者はまだ使い始めの恐怖に対する心の準備ができていない。第1週のかなりの部分は、筆者の普段の食事内容についてアプリで見積もられる低いスコアをぼうぜんとして見ていた。

ランチはフムスサラダのピタパン・サンドイッチの後、クルミとリンゴ半分とコーヒー(ミルク入り、砂糖なし)。この食事はまあまあ健康的に思えないだろうか。ところが、筆者にとってこの食事は明らかに健康的ではないのだ。このランチは、Cyborgとして4週間の期間中で常に「下方ゾーン」に位置したままである(スコアもひどかった)。?

テスト期間中、常に最低(単に食後のグルコース値が急上昇したという意味で)と判定されたランチは筆者が用意したものではなく、ファストフードによる料理だった。ただし「自然」として謳っているブランドの食品でマックバーガーとポテトチップなどよりはるかに健康的な選択のはずだった。

問題の料理Leon’s lentil masala(「レオン」のレンズ豆のマサラ)は玄米を使用しており、レギュラーサイズのココナッツミルクラテ(植物性ミルクブランドRude Health(ルードヘルス)のもの)が付いていたが、これもひどいスコアを記録した。グルコース値があまりに急上昇したため、元のレベルに戻すために急遽高強度インターバルトレーニングを行う必要があると判断されたほどだ。

トレーニングは効いた。ただし、食物を代謝させるためにランチ直後にバーピーとスクワットを何度もやる必要があると、ランチ前にわかっていたら、ランチを変更していただろう。

継続的グルコースモニタリングが普及し、一般消費者が代謝データにリアルタイムでアクセスできるようになったら、ファストフード産業にどのような影響があるかというのは、実に興味深い質問だ。

ファストフードによる大きなスパイク。強度の高い運動をすると消えた(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

レオンの料理を食べる前に小さな文字で印刷されている原材料を確認しなかったが、アプリが赤色で警告してきたことを踏まえ、後で疑いの目でラベルを見てみると、添加物の長いリストの中に上白糖が含まれていることに気づき、さもありなんという感じだった。

ただ、こうした事実を認識したうえで、筆者にとってグルコース値急上昇の引き金となったのはココナッツミルク(シチューやコーヒーの原材料)ではないかと思っている。

残念ながら、食後のコーヒーもおそらく効いていなかった。

Cyborgを装着してわかったことで最も気に入らなかったのは、筆者の場合、コーヒーが血糖値を上げるらしいということだ。緑茶は問題ない。しかし、ブラックコーヒー、デカフェ、ミルク入りコーヒー、どれを飲んでもいくらか血糖値が上がる。筆者の場合、午後、ランチの後にコーヒーを飲むのが好きなのだが、これは食事による上昇に追い打ちをかけることになり、余裕で赤のゾーンに入る可能性がある。

それでも、モーニングコーヒー派になるのは未だに拒否している。

米も多くの人にとって血糖値急上昇の原因となる。白米は、繊維質の豊富な全粒穀物に比べてよりすばやく体に吸収されるからだ。しかし、筆者は白米中心の夕食を摂った後に起こる血糖値の急降下のほうを心配するようになった。血糖値が安定して一晩中ターゲットゾーンに維持されればよいのだが、白米はそれを妨げる方向に働くようなのだ。

結局のところ、低血糖も高血糖と同じくらい避けることが大事だ。少なくとも、それがCGMを4週間装着した後の感覚だ。アプリを使い始めた頃は赤の急上昇を避けることだけに専念していたが、時間の経過とともに急上昇を容易に管理できるようになった。それには、創造的なバイオハックと食事内容の戦略的な修正が必要だ。

例えば筆者は植物ベースのミルクをほとんど食事から除外した(ただし、コーヒーには少量のオートミルクを入れている。そう、コーヒーは完全にはやめていないし、やめる気もない。ただ、一杯のコーヒーを長時間ちびちび飲むようにはしている)。こうした代替ミルクによる血糖値の急上昇は決まって警告を発して無視できないため、筆者はこれはフルーツジュースのようなものと思い避けるのが一番だと考えるようになった。こうした加工度の高い飲み物の宣伝広告では「健康的な選択肢」を提供していることがしきりに強調されているのをよく見かけることを考えると、代替ミルクによる血糖値の急上昇もかなり興味深い。

おもしろいことに、他のCyborgユーザーも似たような問題を報告しているようだ。ある会社のニュースレター要約による共有学習には「アーモンドミルクと朝食のシリアルはホテルのビュッフェの朝食より大きなスパイクを発生させることがある」と書かれている。

これはおそらく、一杯のオレンジジュースは血糖値スパイクを引き起こすが、オレンジを1個まるごと食べてもスパイクは起こらないのと同じメカニズムなのだろう。あるいは、こうした飲料の製造方法における特有の何か(加工方法と特有の添加物など)が原因なのかもしれない。例えば多くのメーカーは飲料に砂糖を入れている(ただ、筆者がシリアルにかけるミルクには砂糖は含まれていないが、それでもスパイクは起きた)。自家製のオートミルクを作って市販のものと直接比較し、スパイクが小さくなるかどうか試したかったのだが、残念ながらその機会はなかった。

筆者は朝食に今でもオーツ麦を食べている。これも繊維質は豊富だが糖質には違いないのでスパイクを起こす可能性があるが、オートミールではなく特大のオーツ麦を摂るようにしている。そしてこれを忘れてはいけないのだが、シリアルにシナモンを多めにまぶすようにしている(これがグルコース値のスパイクを軽減することを発見したからだ)。さらには、水(ミルクの類ではない)、天然ヨーグルト(味付けと必須ビタミン)、そしてよくあるベリーと種子類のミックスといっしょに食べている。

これはCGM装着前の朝食(オーツ麦、ベリー、種子類など。ただしオーツミルクで流し込んではいたが)とそれほど大きく変わってはいない。しかし、代謝スコアでは大きな差が出た。通常スコアが「2」の食事が「9」になった。ばかげたことのように思えるが事実だ(正確には、Cyborgによる筆者の間質液変動の読み取り値によると事実だ)。

また、パンを食べても、それによって生じるスパイクを抑えることができる独創的な方法も見つけた。

パンの量を減らすかまったく食べないようにするのは、血糖負荷を軽減し、結果として血糖値の上昇を管理する方法の1つだ。ただし、オーツ麦などの全粒パンはダイエット効果のある複合糖質なので食事から除外したくなかった。そこで、アプリのリアルタイムグルコースビューの利点を活用して、他の繊維質、たんぱく質、高脂肪食品を摂った後、ランチの終わり近くに、全粒パンのスライスを食べて、消化吸収に時間がかかるようにしてみた。この方法は効果があったようだ。

もう1つリンゴ酢を使ったバイオハックを見つけた。これも効果があった。

シナモンと同様、この種の発酵酢はグルコース値の急上昇を抑える特性があることがわかったので、サワードウで作ったパンを食べる前に発酵酢をかけてみた(まあ、聞いて欲しい)。かなり奇妙に聞こえるが、これがとても美味しい。サラダ、ナッツなどを食べた後、食事の後半にこの方法でパンを食べることで、スパイクが発生していたランチを健康的ゾーンの範囲内のランチに変えることができた。血糖値の変動をリアルタイムで確認できなれば、このような具体的な方法を知る方法などなかっただろう。

問題は、スパイクを引き起こすランチを食べても、そうでないランチと比べてことさら非健康的な感じはしなかったという点だ。アプリで代謝反応を確認できなければ健康に悪いとは思えない。センサーのデータがなければ両者の違いに気づくことなどできなかっただろう。

もちろん、人によって代謝反応は異なるため、パンを5切れ食べてもスパイクがまったく起こらない人もいる。一般化する賢明な方法はない。糖質の摂取を抑え、注意深く食事のバランスをとるなどの基本的な制限を課すことくらいしかない。汎用的で大まかな戦略はあるが、これは即座にフィードバックが返されないとやる気がなくなる。その点で、CGMは、生活習慣ツールとして潜在性、個別対応性という点でまさに変革をもたらす内容になっている。突如として、食物を試して自分に効果があるかどうかを確認できるようになったのだ。

とはいえ、比較的小さな血糖値スパイクを管理することが、代謝トラッカースタートアップが勧めているほど、個人の長期的な健康にとって重要なことなのかどうかは、別の問題だ。

Cyborgを装着した筆者(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

英国のサンダーランド大学で人の代謝作用に影響を与える生物システムの研究をしている科学者Matthew Campbell(マシュー・キャンベル)博士にCGMテクノロジーの一般利用について意見を求めたところ、他の点では健康な人が血中グルコースの管理に精力を注ぐことの有益性については懐疑的だという答えが返ってきた。

「グルコース値は1日を通して変動するのが普通です。静的な値ではなく、動的に大きく動く値なのです。しかし、平均値は正常範囲内に収まっている必要があります。高いリスクがあると特徴付けられる人たちにはカットオフポイント(正常とみなされる範囲を区切る値)があります。例えば食事の後グルコース値が特定レベル以下に下がらないとか、慢性的に値が高い場合は朝の時間帯でもグルコース値が高いままであるとかいった場合です。それが、糖尿病や糖尿病予備群、つまり糖尿病を発症する危険性のある人たちを診断するときのカットポイントになります」。

「健康な人がグルコース値をトラッキングすることの問題点は、恣意的な値を取り得るという点です。数値が下がっているなら問題はなく、上がっているならあまり良くないわけですが、正常な範囲内に収まっている場合は、すでに健康な範囲内にあるグルコース値を1ミリモル減らすことが臨床的に有用なのか、健康上有益なのか、健康上の利点があるのかどうかについてはわかりません」。

「ですから、グルコース値が、全時間の95%、健全な範囲内に収まっているのに、変動幅を少なくして平坦にしたり、値をさらに下げるよう積極的に管理したりしても、さらなる健康上の利点がもたらされるとは思いません。すでに健康な範囲内にいるのですから」。

キャンベル博士はまた、CGMから得られる血中グルコース値データを、ユーザーの体内で起こっているグルコース値レベルに影響を与える可能性のあるすべてのことに正しく関連付けるのは難しいと指摘し、タイムラグだけでなく、ユーザーの腕のセンサー装着位置も読み取り値に影響を与える可能があると付け加えた。

「ですから特定の状況下で、体重、性別、民族性、個々の遺伝子構造など、さまざまなすべての要因がグルコース値に影響を及ぼします。睡眠、栄養素なども影響を与えます。このテクノロジーが単にグルコース値をトラッキングするだけでそうした他の要因を考慮しないなら、グルコース値に影響を及ぼしている要因を情報に基づいて判断するのは極めて難しいでしょう」と同博士はいう。

ただし、同博士は、アスリートがCGMを利用することの潜在性について肯定的だ。

「こうしたセンサーが役立つ例として、先程一流アスリートについて言及されていましたが、極めて高度な練習、または長時間に渡る練習をしている場合は、糖尿病でなくても、血糖値レベルが低下する危険があります。こうしたセンサーの多くは、アラート機能を備えていますから、安心です」と付け加えた。

またキャンベル博士はおもしろい比較もしてくれた。グルコース値が正常範囲外になっても、その人の代謝が積極的に対応して元のレベルに戻すことができるなら、常に問題になるとは限らないというのだ。

「考え方は、運動中の心拍数に少し似ています。同じ強度の運動をしても、他の人に比べて心拍数が上がる人がいます。そうすると、非常に激しく運動した結果、健康が低下したのだと考えるかもしれません」。

「しかし、心拍数の変動が非常に大きいということは、心臓血管の柔軟性が非常に高いことを示唆しています。これは運動耐性が非常に高く、健康状態が非常に良いことと深い関係があります。グルコース値の反応も同じことではないでしょうか 」。

「ですから、グルコース値のレベルが正常範囲外になったというのは必ずしも事実ではありません。なぜなら、そういう状態は多くの人たちに起こっており、その人たちは代謝的に健全だからです。全体像を見ることが重要だと思います」。

そのうえで、キャンベル博士はこうしたサービスの本当の有用性はCGMデータをアルゴリズムと機械学習で補強できる点にあると指摘する。機械学習では「データ内のパターンを見つけ、さまざまな情報を組み合わせることができます。『これを行った後にあなたのグルコース値は上昇しました』などと自分に都合の良いデータだけを選択するわけではありません。グルコース値が上昇しても、その後すごい勢いで下降すれば問題はありませんし、むしろ良いことですから」。

低血糖の話に戻ると、筆者は個人的に興味深い体験をした。一晩中グルコース値が低い状態が続いたのだが、それは夜中に冷や汗や生理痛で目が覚めたことと関係があることがアプリを使用して(Ultrahumanのアプリ内コーチとチャットして筆者のCGMデータを手動で解析してもらったことも含む)わかったのだ。

また、こうした一晩中続く低血糖は飲酒をともなう食事の後に起こることが多いことにも気づいた(飲酒には通常の代謝プロセスを妨げるという悪魔的な効果がある)。そこで、食事とアルコールの比率を用心深く見続けること、そして夕食に栄養分の少ない料理(白米など)でワインを飲んだ後、就寝前までの時間にたんぱく質の豊富なスナック菓子を食べることを、夜中に低血糖や生理痛が発生するリスクを抑えるためのちょっとしたハックとして行った。これならワインを飲みながらの食事を控えなくてもできる。

その場合の個人的な利点は明らかだ。睡眠を妨げられて不快にならずに済む。

この発見から推測して、私よりも年上の親戚に夜にスナック菓子を食べる同じようなハックを提案することができた。その親戚は数カ月間、夜間の慢性的な生理痛に悩まされていたのだが、ベッドタイムにスナック菓子を食べる戦略を含めるよう計画変更したところ、夜中の生理痛からほぼ解放されたという知らせがすぐに届いた。

これらはもちろん、単なる事例だ。しかし、それらは、生活習慣上の奇妙な行動とCGMデータ間の点を、個人が実験し、接続し、結び付けることができる可能性があることを示している。

スタンフォード大学の教授で上述の先駆的な研究論文の共著者であるMichael Snyder(マイケル・シンドラー)博士は、CGMを製品化する独自の代謝健全性トラッキングサービスを販売する米国のスタートアップJanuary AI(ジャニュアリー・エーアイ)の共同創業者である。シンドラー博士はご推察のとおり、このテクノロジーの利点を布教して個人ユーザーに価値ある事実を伝えている。

シンドラー教授は実は2型糖尿病患者であり、現時点で約10年間CGMを装着して病状を管理している。したがって、このテクノロジーの有用性をコメントするのにふさわしい人物だ。

シンドラー教授の個人的なCGMの使い方は具体的な病状に合わせたものであるため、Ultrahuman、ジャニュアリー・エーアイ、およびこの分野のその他のスタートアップがターゲットとしている一般的なフィットネスと健康のための使い方とは大きく異なる。しかし、CGMテクノロジーが広範に使われるようになることで、人々が糖尿病予備群または糖尿病になるリスクを管理または低下させることができると同教授は指摘する。

「自分がスパイクを起こす食物とそうでない食物がすぐにわかります。それは人によって異なります」と同教授は言い、こう続ける。「グルコース調節異常でありながらそれを認識していない人がいます。これは大事なことです。というのは、糖尿病予備群の9割は自分の病状を認識しておらず、7割がそのまま糖尿病になってしまうからです。ですから、グルコース値をコントロールして糖尿病の発症を数年遅らせることが期待できるのは本当に価値のあることだといえます」。

「人が食べる物には隠された秘密があります。少なくともその人にとっては秘密ですが、他の誰かにとっては明白なことかもしれません。しかし、何でも知っていると思っている人でさえ、私の見たところでは、わかっていなかったことを学びます。そう、とにかくあらゆるものに砂糖が含まれています」。

「この考え方には多くの人が賛同すると思いますが、第二次世界大戦直後と比較して、人々は現在、当時の4万倍以上の糖質を摂取しているはずです。とにかくあらゆるものに砂糖が含まれています」。

 

 

「私に言わせると、世界中の人たちは、少なくとも何らかの治療を受けたときにはグルコース値を計測してもらうべきだと思います。グルコース値をコントロールしている場合は計測回数を減らして、定期的に計測します。糖尿病予備軍または糖尿病の人にとって、この情報はある程度命を救ってくれるものになると思います」と同教授はいう。

シンドラー教授は、このテクノロジーは今よりずっとパワフルになると予測する。あらゆる経験データに基づき食物に対する反応についてAIと予測モデリングが追加されていくからだ。現在はアーリーアダプターによって食後に入力されている状態だ。

「AIが必要なのはそのためです」と同教授は言い、こう続ける。「まず、自分がスパイクを起こす食物とそうでない食物を知る必要があります。これは経験しなければわかりません。実際に食べてみなければスパイクが起こるかどうかわかりませんから。ぶどうでスパイクを起こす人もいれば、パスタでスパイクを起こす人もいます。白米を食べると誰でもスパイクを起こします」。

「スパイクを起こす食物は人によって異なります。ゆくゆくはスパイクを予測できるようになりますが、今は経験するしかありません。このようなデバイスが行っているのはまさにそれで、スパイクが起きるかどうか教えてくれるわけです」。

「ジャニュアリー・エーアイには食物推薦システムが備わっています。というのも、『あなたが食べているものでスパイクを起こすのはこれです。他の食物の構成についてもわかっています』と教えたり、そこそこの予測精度で『この食物はスパイクを起こさなかったから食べて良い、これはダメ』といったことを示したりできるためです」と同教授は付け加えた。

「ばかげていると思うかもしれませんが、これはビッグデータの問題です。こうした推測を可能にするには大量のデータと十分な理解が必要です」。

同様に、ジャニュアリー・エーアイでは、ユーザーの活動レベルも考慮している。活動レベルもグルコース値に影響を与えるからだ。シンドラー教授は、この2つの要素をトラッキングするだけでもこうしたサービスは十分に役に立つと指摘する。

「スパイクを起こす食物と活動レベル、基本的にこの2つの要素が重要です。もちろん他にも要因はたくさんあります。これがデータの問題である理由もそこにあります。ユーザーの個人的なデータを十分に取り込むことで、そのユーザーに効果のある方法を判断するためのデータが得られます」と同教授はいう。

個人的に、このことだけは確実に言える。これほど興味をそそるガジェットは今まで見たことがない。純粋に情報レベルだけで判断してもそう思う。

Ultrahumanのアプリが提供する定型的なアラートは、ポップアップ表示され、グルコース値が上がっていると警告し、グルコースレベルを下げるために運動せよと提案したり「睡眠の質と代謝反応を上げるために」夕食を早めに摂るようアドバイスしたり、スパイク/クラッシュが最小限に抑えられた場合に「すばらしい/すごい1日の始まりです」なとど高らかに宣言したりする。しかし、アラートは筆者にとってこの製品のおそらく最も役に立たない要素だった。というのは、データに注意を払っていれば、いちいちアラートで通知されなくても自分でわかるからだ。

筆者は、食事と運動のさまざまな工夫を試してみて、霧がかった緑の正常ゾーンを維持するためのハックや戦略を見つけられないか確認するという作業にあっという間にはまってしまった。

食べたものが体内でどのように処理されるのかを見るのは、本当に素晴らしくもありゾッとすることでもある。しかし、注意が必要だ。ランチや夕食時に急に携帯を取り出して、まず食事の内容をアプリに記録し、食べたものに対する体の反応にスコアが付けられるのを我が事のように観察したりしたら、恋人に嫌われるだろう。スクリーンタイムも長くなるためダブルパンチだ。これまでの中でも最も使用時間が長いアプリだ(食事中も食べているものをアプリに記録していることを考えると、本当にそうだ)。

だが、もちろん、このアプリも完璧ではない。

筆者が見つけた機能上の目立った問題として、このアプリでは、運動関連のスパイク(強度の高い運動をすると血糖値がターゲット範囲外に上昇することがある)と食事関連のスパイクを区別できない場合がある(注意深く記録を取っていたとしてもそうだ)。このため、実際には問題ないのにひどいスコアになってしまうことがある。

アプリのチャット機能を使ってこの点を質問してみた。Ultrahumanのコーチによると、運動関連のスパイクは何も心配する必要はないという。「強度の高い運動やHIIT(高強度インターバルトレーニング)を行うとアドレナリンとコルチゾールの値が上がり、それが肝臓を刺激してグリコーゲンがグルコースに分解されます」というのがコーチの1人から受けた説明だ。「何の心配もいりません。自然な現象です」という安心できる言葉も頂いた。

しかし、糖尿病の人は、たとえ運動が原因であっても、グルコース値がターゲットゾーンの範囲外になる場合は心配する必要があるかもそれない。糖尿病患者は上昇した血中グルコースを元のレベルに戻すのに苦労する可能性があるからだ。糖尿病ではない人、つまりUltrahumanがCyborgの対象と考えている一般消費者は、理論上、心配する必要はない。

しかし、このアプリの場合、現状では激しい運動の直後に食事を摂ると、少し心配になることがある。HIITによるグルコース値の上昇(これは通常「良いスパイク」として通知される)と、食事関連のグルコース値の上昇が混ざり合って、代謝スコアが低くなるのだ。

「良いスパイク」と悪いスパイクを正確に識別する修正は明らかに現在進行中だ。

この点についてクマール氏に質問したところ、次のような回答が返ってきた。「グルコース生体指標から生成される情報の精度を高めることは、当社のミッションの中心課題です。食物などに対する人体の反応の度合いを判定する臨床レベルのパラメーターを見ると、X(食物のマクロレベルおよびミクロレベルの成分)とY(回復状態。ストレス、睡眠不足、微生物叢の多様性など)の組み合わせであることがわかります」。

「現行のプラットフォームでは、Xを詳しく見ているため、食物に対するグルコースの反応については多くの例外があります。2022年始めに導入される当社のカスタムハードウェアでは、Yの残りの要因(心拍変動、睡眠など)を捕捉することでXの見方を変更する予定です。これによって、食物と活動に対する反応の見方、結果として得られる精度がまったく変わってくると思っています」。

「例えば新しいプラットフォームでは、スパイクにおける活動と食物の寄与度を明確に算出できます。これができるのは、グルコースと、カスタムのハードウェアウェアラブルデバイスによって捕捉されるその他の要因の組み合わせに基づいて、グリコーゲンのおおよその放出しきい値を算定できるからです」。

またクマール氏によると、Ultrahumanは、グルコース、インスリン、その他の身体パラメーター(中性脂肪とホルモンバランス)に関連する研究の臨床試験を開始して「グルコースモニタリング機能による予測(代謝スコア)と実際の代謝健全性の間の適切な相関関係」を確立したいと考えているという。

「この目標は、より小さなツールと非連続のグルコース値を利用して過去にも試みたのですが、v2でははるかに多くの検証が行えると思います」と同氏は予測する。

というわけで、ここでも、CGMにおいてユーザーの腕から取得する「パーソナライズされた」データのスナップショットの精度を改善するには、さらなる研究が必要になる。つまり、こうした最先端の健康定量化サービスでも、体内で刻々と起こっていることを比較的大ざっぱに査定している可能性があるということだ。

食物についても、もちろん、同様の複雑な問題がある(毎回の食事で1つの食材しか摂取しない場合は別だが)。

ほとんどの人はさまざまな食材を組み合わせて(さまざまな成分をまとめて)食べる。重要なのは、私たちが食べているのは多種多様な成分の組み合わせであるという点だ。そして、皿の上のさまざまな成分を摂る順序によって、それらの代謝方法も影響を受ける可能性がある。同じ食事でも食べ方(または食べる時刻)が異なると代謝のされ方も異なる。

繊維質の豊富な食物(サラダ、野菜など)から始めて、たんぱく質と脂肪を摂り、最後に炭水化物で終わる食事(フムスサラダピタのランチを分解したもの)は、おそらく、同じ食材をパンに挟んで手早く食べやすい方法で食べるよりも代謝スコアは低くなるだろう。

Cyborgを装着した4週間ではっきりとわかった重要なことがある。便利なファストフードを一定の速度でガツガツ食べると、容赦なく、いかにも不健全なグルコースの大きなスパイクが発生する。

また、加工度の高い食品(つまり、砂糖、防腐剤、油などを使った調理済みの食事)は、鮮度の高い自然食品よりもスパイクが発生する可能性が高い。

これは別に驚きもしなかった。筆者は加工度の高い食品は避け、新鮮で最小限に加工された成分を使って自分で調理したものを食べるようにしてきたからだ。とはいえ、加工度の高い食品でスパイクが発生するという事実は、西洋の問題の多い食文化の多くがいかにして形成されてきたかを如実に示している。時は金なりという考え方でスピードを重視した結果、食べられる程度のインスタンス食品を日持ちのする儲かる食品に変えるために人工甘味料やその他の添加物が大量に使われるようになった。

CGMを使ってみてわかったのは、炎症と酸化ストレスの少ない健康的な方法で食べるには、食物の準備と消費の両方により多くの時間をかける必要があるということだ。

より健康的な成分を自分で買い集めるのは、包装済みの「すぐに食べられる」食品を買うよりもお金がかかる。つまり、健康には時間とお金の両面でコストがかかる。したがって、代謝健全性に本格的に取り組み始めると考えるべき社会経済的な考慮事項が山ほど出てくる。

このパンドラの箱を開けることには、我々の破壊された食品システムを超えた意味合いがある。つまり、我々の社会に焼き付けられた広範な構造上の不平等に触れることになる。

健康状態の悪さと貧困は関連していることがよくある。ビッグデータとAIが価値のある健康情報へのアクセスを民主化する(個人が十分な知識を習得することで広範な実用性がスケールする)ことでそのリンクを断つことができるかどうかはまだわからない。あるいは、健康テクノロジーのスマート化が進む中、テクノロジー格差によって不平等がさらに加速することになるのだろうか。これもわからない。

Cyborgというと人類の新しい上流階級がすぐに思い浮かぶ。だが、トラッカーを買う余裕などない人たちはどうなるのだろうか。

夕食にピザ?ゆっくりだが確実な血糖値の上昇が待っている……(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

筆者は代謝トラッキングが謳っている潜在的利益の大きさについては未だに懐疑的だが(懐疑的で健全だと思っている)、Ultrahuman製Cyborgを装着した4週間で、これが何か大きなものの始まりであることを十分に納得できた。それに筆者には、体重を落としたいとか、体を鍛えたいなど、この製品を是非試してみたいというニーズもなかった。ただ、健康を維持することに興味があっただけだ。

また、フィットネス用ウェアラブルデバイスの愛好者というわけでもない。だが、この製品は自己定量化ツールとしてレベルが異なっていると感じた。

未来のヘルスケアの目的は、データアクセシビリティを活用して何が健康に良くて何が悪いのかという情報を知らせ補強することによって、予防介入の方向へシフトすることだ。とはいえ、代謝健全性に関しては、まだまだ知識と研究が不足していることは否めない。

個々のセンサーから得られたデータ(Ultrahumanのサービスだけでも本稿の執筆時点で400倍のCyborgが生まれている)が研究に使用され、複雑な代謝プロセスの理解がどんどん深まっていくだろう。商業的関心から自社の見解を支持し強調する結果を探すようになる危険性は幾分あるものの、潜在的な使用規模(こうしたサービスはどんどん増えている)によって透明性が推進され、技術がクリーンな状態に維持されるはずだ。

と同時に、慎重になるべき点もたくさんある。

非常に関心があり科学的知識も豊富なユーザーは、データ解釈の助けとなる広範な知識とリソースを利用できるため、この種のトラッキングサービスを最大限に活用できるだろうが、情報の少ないユーザーは情報の意味を過度に単純化して読み取る可能性がある。

また、明白なストレス要因を食物や他の生活習慣にリンクさせることで、摂食障害などの問題を引き起こす(または悪化させる)危険性もある。したがって、こうしたサービスのラッパー(やさしく使うための仕組み)とサポートが、CGMテクノロジーで提供される機能を最大限に活用する鍵となる。

簡単にいうと、貧弱なUX設計は深刻な結果をもたらす可能性がある。サービスの設計と実施に関する十分なケアと適切な配慮が必要だ。

長期的に見ると、血中グルコースのスナップショットビューという機能自体、制約が多すぎるのかもしれない。

さまざまなシグナルや生体指標を取り込んで個人の代謝作用について最善の理解を得るには、より統合されたトラッキングプラットフォームが必要になるだろう。ただし、現時点では、グルコースのトラッキングが第一歩のように感じられる。つまり、時間の経過とともに大きな恩恵が蓄積していくであろう生活習慣の調整を試してみる機会を提供してくれるものだ。ある意味、このほうがずっとやる気が起きる。健康食品の選択にいろいろと迷ってもリアルタイムのフィードバックなど一切ないからだ。

この製品を4週間使っただけで多くの興味深い情報が得られたし、本当に示唆に富む経験ができた。アボガドと卵は最高の朝食だ。ビールはひどいスパイクを起こすがリンゴ酒は実際に薬効がある。オリーブとナッツはまさに神の食物だ。こうした経験から小さいが息の長い生活習慣の変更をいくつか行うことができた。

こうした変更が長期的な健康という観点から本当に価値のあるものなのかまだ結論は出ていない。だが、それほど極端な変更ではないことを考えると、効果が出る可能性はわずかしかないとしても、問題はないのではないか。

ただし、別の問題がある。炭水化物によって大きなスパイクが発生することはわかった。だが、その結果に基づいて炭水化物の摂取量をさらに減らすと、トレーニングのためのエネルギー量が制限されてしまうのではないかと心配になった。

筆者の場合、炭水化物の摂取量はすでにかなり低いため、食物はエネルギーとなることを忘れるわけにはいかない。そして必要なエネルギーは変動する。したがって、血中グルコース値について「スパイクは悪い、安定しているのがベスト」という考え方をするのは、平均以上のスポーツ好きの生活を送っている人にとっては単純化し過ぎのきらいがある。

トラッカーのデータは是非ともしかるべき専門家に見てもらう必要がある。パーソナルトレーナーは、トレーニングに必要なエネルギー量を認識したうえで筆者の測定結果をはるかに賢明に活用できる能力を備えている可能性が高い。このようなトレーナーは、食事の調整についてもアドバイスできるかもしれない。それに基づいてパンを食べることが許されるかもしれない。

もちろんパーソナルトレーナーやパーソナル栄養士など、誰でも雇えるものでもないし(オリンピック選手でもない限り)生活習慣に基づいて正当化できるものでもない。そういう点では、この製品は価値があるように思う(ただ、得られるのはほとんど生のデータなので、より広範な解釈の大半を自分で行う必要があるが)。

Ultrahuman製Cyborgの価格は、ベータ版プログラムで2週間最大80ドル(約9000円)または12週間で470ドル(約53000円)だ。専属のパーソナルトレーナーに24時間体制で自分のデータを解析してもらうと、これよりはるかに高くなる。そういう点ではかなりお買い得だと思う(まともなパーソナルトレーナーを雇うと1時間80ドル(約9000円)くらいは取られる)。

このアプリがフルタイムのパーソナルトレーナーになることを目指しているわけではないことは強調しておく必要がある。ただし、血中グルコース値が高くなりすぎると運動するよう勧めたり、過去を振り返ってベストなワークアウトゾーン(つまり、1週間の間で運動するのに最適な時間帯を食事の方法に基づいて決めたもの)を特定したりといった基本的なことはやってくれる(「傾向はわかっていますか?この時間を有益に使って次回のワークアウトをこなしてください」という提案をメールで受け取ったことがあるが、正直言って、このアドバイスは役に立つというより思いつきのような感じがした)。

このアプリには人間のコーチが数人付いていて、質問を受けたり、データを分析したりしてくれる。また招待者限定のCyborg Slack(Cyborgスラック) チャンネル経由で他のユーザーにいつでも助けを求めることもできる(ただし、これはクラウドソーシングによって得られる知恵であり、専属のプロによるサポートではない)。したがって、価格は比較的リーズナブルだが、微妙なニュアンスの情報を知りたいときには、ほとんどの場合ユーザーが自分だけで解決する必要がある。

もう1つよく考えておくべきことがある。データ駆動型で野心的に予測を行うAI製品はどれも同じだが、Cyborgはユーザーをトレーニングしているだけではない。ユーザーのデータによってCyborgもトレーニングされているのだ。自分の生体情報を24時間休みなく提供することに、どのくらいの金銭的価値があるとお思いだろうか。

極めて私的なパーソナルデータから導出される価値はユーザーとデバイスの間を双方向に流れる。しかし、両者間でフローが均等に分配されているとは限らない。このサービスから十分な価値を得ていると感じているなら、それでもよいだろう。だが、プライバシーへの配慮がなされているかどうかは無視できない。

サービスにアクセスできるなら、このような私的なデータを民間企業と共有してもかまわないという人もいるだろう。しかし、Ultrahumanが規定しているCyborg向けのプライバシーポリシーには、ユーザーの情報が別の場所に送られる状況について記載されている。例えば召喚状を受け取った場合は、応じることが法的に義務付けられている。

このプライバシーポリシーには「匿名の集約データは、広告会社、調査会社、その他のパートナー企業と共有することがあります」という記載もある。また、アドテック業界が同じトピックについて複数の方法でデータを収集し共有することで個人のプロフィールの質を高めてターゲティング可能にするために貪欲に取り組んではいるが(「糖尿病」などのラベルを付けることも含む)、ヘルスデータを確実に匿名化するのは難しいことがよく知られている。したがって、CGMから吸い上げられた極めて個人的なデータが最近のウェブの巧みに操作されるマイクロターゲティング広告マトリックスに登録されることも、残念ながら、想像される。

個人的な感想はこのくらいにしておこう。クマール氏自身はCGMを使ってグルコースをトラッキングすることで何を学んだのだろうか?

「私にとって最も大きな学びは、自分が食べるものの範囲を広げて、自分の好きな食物をもっと食事に取り入れるようにすることです。CGMが登場する前は、自己管理型のダイエットを行っていましたが、ソーシャルイーティングに影響するため、長くは続きませんでした。Cyborgを使うようになって、食事と活動のバランスをとる方法を理解できるようになりました。ウェイトトレーニングをする日や全般に活動量の多い日は、いつもより少し柔軟に考えて好きなものを食べてもよいのだと思えるようになりました」と同氏はいう。

「もう1つの大きな学び、これはまだ進行中ですが、1日を通して安定したエネルギーレベルを維持することです。私の場合、グルコースレベルの安定とエネルギーレベルの安定の間に大まかな相関関係があります。ですから、仕事で大量の資料を読む必要がある週は、エネルギーレベルを安定させるようにしています」。

Food is fuel. Timing is key. https://t.co/FfBKXf2jHC

— Mohit Kumar (@deeppurpled) January 4, 2022

この分野は、自己定量化トレンドにおける針恐怖症を乗り越えて開けた真の開拓地だ。あまり踏み荒らされていない市場で、スタートアップが実験的にビジネスチャンスを狙っている。当然、退屈な旧式の歩数と睡眠のトラッキングよりもはるかにおもしろい。それはまさに、この種のトラッカーはあまりなじみがないからだ。

ばね仕掛けのCGMセンサーを自分の腕に発射すると純粋に発見の感覚を覚える。ある種の市民科学共同体に関与している先駆者のような気分だ。自身の生活習慣の健全性を問いただす実験を設計し実行するというすばらしい機会を与えられる。

それに加えて、自分で個人的に学習したことが他の人たちの役に立つかもしれないという包括的な可能性がある。これが実現できるのは、Ultrahuman製Cyborgに関するコミュニティ構築の取り組みのおかげだ(例えばSlackチャンネルでは、アーリーアダプターたちが自分たちの学びを共有するよう促される。また、バーチャルおよび対面のオフ会も開かれる)。それで、社会貢献の使命を果たしている気分にもなる。

皮膚の穿孔を通じたマンマシン相互作用に関わる勇気のあるスタートアップは注目を浴びるチャンスだ。結局、主流の大手テック企業はそこまで変わったことはやれないのだ。そんなことをしたら、もっと平凡な生体指標のトラッキングを支持するより広範な健康定量化ユーザーからそっぽを向かれてしまうからだ。

そのおかげで、このようなスタートアップは、極めて私的な生体データを取得して自社の製品開発、データサイエンス、AIモデル、アルゴリズムによる予測機能に入力として与える機会を得られる。そして、消費者がヘルスサービスのパーソナライズを望む中、競争で有利な立場を得て先頭に立てる可能性もある。

血中グルコーストラッキング(従来は糖尿病またはその予備軍の症状がある人たちを対象としていた)の最前線では、多くのスタートアップがその気のあるユーザーの間質液に入り込むという思い切った方法をとるようになっている。

インドのUltrahuman(Cyborgサービスはまだベータ段階)だけでなく、他にも多数のスタートアップがある。米国におけるCGMを活用したUltrahumanの競合他社をいくつか挙げてみる。ジャニュアリー・エーアイはグルコーストラッキングと心拍数モニターデータを組み合わせて食物の予測と運動レシピのパーソナライズを提供し、過剰摂取した食物を燃焼させるのを支援する。Levels Heath(レベルズ・ヘルス)はa16zからの支援を受けている。Signos(シグノス)はCGMを使用してリアルタイムの減量アドバイスを提供している。Supersapiens(スーパーサピエンス)は運動能力を重視している。NutriSense(ニュートリセンス)は日々の健康度を最適化する全体像キャッチフレーズを提供する。

競合他社は欧州にもいる。英国本拠のZoe(ゾーイ)は、大規模な微生物叢研究から得たデータを使用してAIモデルを生成し、個々の食物の反応を予測する。このため、ユーザーに血中グルコースモニターを装着させるだけでなく、糞便サンプルを提出してもらい、ラボで解析する。

他にも欧州でグルコースモニタリングを目指しているスタートアップとして、ドイツのPerfood(パーフード)は食事のパーソナライズによる体重管理を行い、オランダのClear Nutrition(クリア・ニュートリション)は食物に対するユーザー固有の反応を学習してユーザー専用の栄養プランを構築している。本稿の執筆時点では、この発生期の領域にある他の欧州企業として、フィンランドのVeristable(ヴェリステーブル)(略称Veri)は、24時間体制のグルコースモニターサービスの広告を写真共有ソーシャルネットワークInstagram(インスタグラム)に掲載している。

この広告では、いかにもヒップスター的な見た目のモデルがUltrahumanのサービス(および他の多くのサービス)で使用するのと同じ円盤型のウェアラブルデバイスを身に付けている。このデバイスはスタイリッシュなグレーのパッチで留められている。Ultrahumanの円盤型ディスクは白黒で、斜体のKの文字がくっきりと入っていた。「何を食べるべきか推測するのはもう終わり」とヴェリステーブルの広告は宣言し、この159ユーロ(約2万円)のサービスに目を向けさせている。

Veri(6月にシードラウンドで資金を調達、ベンチャーデータベースCrunchbase(クランチベース)による)とUltrahuman、および他の多くのスタートアップがアボット製のCGM(前述のフリースタイル・リブレ)を使用している。この円盤型のデータ収集デバイスには、中空の針の付いたばね仕掛けの装着具が同梱されている。位置を固定してしっかりと、しかしあまり強すぎない程度に押し下げるとフィラメントが皮膚に直接発射される。

ここで珍しいのはテクノロジーそのものではない。CGMは世に出てから数年経っている(アボットのフリースタイル・リブレは2016年に導入された。一方、別のメーカーDexcom(デクスコム)は、他社の糖尿病管理用電子デバイスで使用できる完全互換CGMとして2018年にFDAの認可を受けている)。実験的なのは、CGMを使って行っていることである。

つまり、CGMは変革的なテクノロジーとして糖尿病および糖尿病予備群の患者たちにすでに利用されているが、自分たちの体についてもっと知りたいと思っている一般ユーザー向けにCGMを商業化する動きがあったのは比較的最近のことだ。

2021年夏、デクスコムは、サードパーティーデベロッパーとデバイス向けのリアルタイムAPIとしてFDAの認可を受けた。フィットネスハードウェアメーカーGarmin(ガーミン)はユーザーによる自身のグルコースデータへのアクセスを拡張するためにデクスコムと提携した数社のうちの1社だ。ただし、依然として糖尿病患者向けの実用性を高めることに重点が置かれている。

ただし、投資家たちはすぐに幅広い消費者がいる可能性を察知し、資金をどんどん投入して開発を加速させ、より多くの人たちにCGMを広げようとしている。

例えば2021年初め、ジャニュアリー・エーアイはさらに880万ドル(約10億200万円)を追加調達し、ゾーイは2021年5月に530万ドル(約6億300万円)のシリーズBラウンドをクローズした(Balderton(バルデントン)が投資家として追加され、最近、事業規模を拡大している)。Ultrahumanも1750万ドル(約19億9000万円)のシリーズBラウンドを実施すると発表した(2021年8月)。一方、シグノスも11月にシリーズAで1300万ドル(約14億8000万円)を調達している。

データ量が増えれば、投入されるVC資金が急増するのは確実だ。

Ultrahumanの広報は潜在的な最大市場規模に触れ「代謝健全性危機」が始まろうとしていると指摘する。具体的には、米国人の88%以上(世界の人口の約80%)が「代謝性疾患に対処する」ことになるという。そして、Ultrahumanの「Cyborgアーミー」(同社はアーリーアダプターたちをこう呼んでいる)に加わることで恩恵を受けられる可能性があるとしている。

したがって潜在的な最大市場は巨大だ。だが、このような広範なオンボーディングを行うことで、結果的に容易に習熟できるようになると思われる。スタートアップ各社は、抵抗の少ないアーリーアダプターや運動愛好家たち以外にもユーザー層を拡大し、このテクノロジーが放っておいても伸びるような自己定量化とバイオハッキングコミュニティの外に踏み出そうとしている。

Ultrahumanのコミュニティ構築の取り組みでは、Cyborgの招待者限定スラックチャンネルとTownhall(タウンホール)を介してユーザーに個人の体験とさまざまなヒントを共有するよう促すことに重点を置いている。また、スポーツ好きのインフルエンサーを登録して、運動エネルギーの補給とその他のバイオハッキング手法の利点を伝えてもらい、CGMを身に付けることに目的を与えようとしている。

「現在、糖尿病患者の数は全世界で5億人を超えていますが、さらに全体的に見れば、6億人を超える糖尿病予備群がいることに気づけます」と同社の広報は指摘し、その対処方法として、CGMテクノロジーと「健康スコアアルゴリズム」および「即座の健康アドバイス」の組み合わせを提案する。そして、これにより「数百万人がこの危機を管理し回避することができる」としている。

数百万人が皮膚にセンサーを付けることに納得するかどうかはまだわからない。

このテクノロジーは進化して、あまり精度を落とすことなく、侵襲性が低く、主流に沿ったものになるだろう。そうなれば、標準的なフィットネスキットにはならないと考える理由はなくなる。

代謝トラッカーのサブスクリプションサービスに数百万人がお金を出すようになるかどうは、また別の問題だ。だが、この種のデータにアクセスできる状態を少しでも体験してしまうと、病みつきになる可能性がある。もちろん、センサーが生活習慣の選択に関するデータ、どのくらい健康的な生活を送っているを示すソフトウェアスコアをフィードバックしてくると、若干、監視され判断されているという気持ちにはなるかもしれない。

おかしなもので、世界中に蔓延している甘いものを追い求める不健康な習慣が、今や商業的に逆用されて、血糖値の上昇と下降をトラッキングしバイオハッキングするようになった。少なくとも、次の血糖値の上昇を盲目的に追いかけるよりも健康的な習慣だとは思うが。

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【原文】

For four weeks during 2021, this TechCrunch reporter took the plunge and tested a “metabolic fitness” service from Bangalore-based startup Ultrahuman. The tracker program, branded Cyborg, uses arm-mounted medical grade hardware to get a real-time read-out of your blood glucose — using that dynamic data-point to power a quantified health service that scores what you eat and how you move, nudging you to make healthier lifestyle choices throughout the day.

Research has linked chronic metabolic inflammation, from factors such as poor diet and physical inactivity, to the risk of developing a number of diseases — from diabetes to cardiovascular disease, chronic kidney disease and even cancer. So the theory behind the product is that lots of incremental lifestyle choices can stack up to a healthier long term outlook — if you’re able to ‘optimize’ these decisions to avoid triggers for inflammation and oxidative stress.

Here follows my long read on the curious experience of living with a skin-perforating wearable and a dynamically updating digital window onto your biological process, as well as wider discussion of the value of continuous glucose monitoring (CGM) for a general health/fitness purpose, and — finally — some notes on the competitive landscape springing up around productizing this type of sensing hardware.

As this is loosely a review of Ultrahuman’s (still private beta) product/service, I’ve also included a ‘Verdict & Price’ section too. Skip ahead if you want to dive into the operational details. But first some context…

 

Preamble & Caveats

Becoming a cyborg is no longer as sci-fi as that sounds. For years the ‘quantified self’ trend has spawned all sorts of sensors and services for measuring bodily activity and nudging you to track and ‘optimize’ your outputs — from step counters and heart rate monitors, to stress and sleep sensors, lung capacity scorers, and, more recently, freakier stuff: Blood glucose monitors and saliva or pee/poop analyzers — the latter for delving into hormonal and/or microbiome/metabolic health if you’re so inclined.

Serving the worried well with wrist-mounted, strapped on or otherwise self-administered sensing technology plus a subscription service to play pocket oracle — via an app-delivered interpretation of what all this personal data means (and ofc how to improve your metrics) — is booming business. Close your (exercise) rings. Breathe more deeply. Try to get to bed earlier, and so on.

Some of this quantified health tech can come across as a bit superficial or frivolous; an attempt to ‘gizmoify’ daily life and push a gadget when you could just go for a walk or get to bed earlier. The more basic products work by selling the motivation-challenged a call to get off the sofa or a replacement for lost childhood structure. Or, well, data-fication as proof of existence.

But it can be horses for courses, too; if you have a sleep disorder or suffer from stress and anxiety then tracking your sleep — and getting little nudges and tips on how get more shut-eye — might be just what you need to lock in quality Zzzs.

Available tech has been getting more sophisticated, too. Although, when commercial trackers put a suggestive focus on organ-function (heart; lung etc), the quantification may sound impressive but can suffer from questionable accuracy — given a lot of this stuff is consumer-grade, rather than (regulated) medical devices.

Even step tracker data can be plenty inexact.

But in a more recent development, a growing number of startups are making use of medical grade sensing hardware to offer self-administered metabolic analysis via tracking (near) real-time changes in blood glucose through the use of a sensor that you ‘wear’ on (and, well, in) the skin.

This is a fascinating and growing but still novel area of focus for quantified health startups. One that looks promising, in terms of being able to serve individually useful health insights and which — given enough data — may be able to scale in utility and help empower many others to make healthier individual lifestyle choices.

But the really big caveat is that scientific understanding of metabolic fitness isn’t yet as complete and holistic as we might hope.

Ultrahuman Cyborg: What’s in the box shipped to me in Europe? Abbott’s CMG sensor, alcohol wipes, tape patches to wear over the sensor (Image credits: Natasha Lomas/TechCrunch)

Much is not understood — such as why there can be so much variation between individuals’ metabolic responses (different people eating the exact same diet can have very different responses, for example); or the exact role of inflammation in the risk of developing diseases like diabetes or cancer.

So the ability of startups to play oracle here is bounded by the need for more research. (Albeit, grabbing data to advance research and understanding is a key part of the opportunity entrepreneurs are spying.)

Nor is the sensing hardware in question regulated for the ‘general wellness’ use-case most of these startups are pursuing.

Which means these services remain novel — aka, experimental — even if the hardware they’re repurposing is legit, in the sense of being manufactured by established medical devices firms, and regulated for narrower use (i.e. diabetes management).

Typically these sensors have regulatory clearance for people with diabetes to track their blood glucose — instead of having to do constant finger prick tests. That may lend credibility to startups hooking into the same device makers’ APIs to grab the same data stream. But the interpretative spin such services put on the data is just that: A spin.

Any wider analysis — including lifestyle recommendations — are definitely not FDA approved.

The debates that have continued to rage back and forth for years around nutrition — all the fad diets, bestselling books and rehashed discussions of what’s good or bad for us to eat, or even what’s effective exercise — is a long-running symptom of a still flawed understanding of the interplay between our biology and what we routinely expose it to.

It’s clear that measuring complex systems without a full understanding of how all the constituent parts can interact and interplay means you’re not going to get the full picture. At best it’s a snapshot — maybe one that supports improved understanding. But it’s never going to have all the answers. So, another word of caution, the risk of misinterpretation is real.

There is also the question of how exactly do you go about measuring ‘metabolic fitness’? As a label it’s a bit of a fuzzy umbrella — arching over complex biological interactions linked to chemical reactions which generate energy in our bodies that may (or may not) mean we’re easily able to maintain a healthy weight; or which can otherwise support or work against us achieving a high level of physical fitness.

What you eat; how; when; and how active and well rested (vs stressed) you were at the time are just a few of the dynamically varying factors that can affect metabolic function. (One illustrative example: What you ate the day before may affect how your body metabolizes a particular foodstuff today.) While the biomarker (or biomarkers) a product chooses to zero in on and track will also, obviously, influence what that “metabolic fitness” service can see — and is able to deduce.

Startups targeting metabolic health are exploring a range of options — from tracking blood glucose, to analyzing the gut microbiome or other bodily excretions (like urine), or looking at a combination of outputs/signals (maybe also factoring in heart rate). Over time more bodily signals are likely to be added to the mix to try to flesh out a fuller understanding — but a lot of the current gen metabolic tracking is best thought of as a piece of the puzzle; a sketch or a rough guess, with more blanks than shading lines.

How to understand — or, well, best interpret — data from a combination of metabolic signals presents no shortage of questions and challenges for those trying to productize the cutting edge of figuring out all this bodily chemistry. As Ultrahuman’s founder acknowledges — telling TechCrunch: “Solving for accuracy of insights that we generate from glucose biomarkers is at the very core of our mission.”

The company’s website also contains a text disclaimer that the Cyborg service provides “general information for athletes to understand their glucose levels and athletic performance”; and does not substitute for a professional medical opinion or consist of healthcare/treatment for specific conditions or medical concerns.

While an entrepreneurial mission to demystify the metabolism — and commercialize the concept of metabolic fitness — remains very much ongoing, a couple of things are clear: 1) Demand to better understand biological function exists (plenty of people, not just elite athletes, are interested in what’s going on with their bodies generally and their metabolism specifically) — and: 2) big but as yet unverifiable claims are being made for what this type of ‘health’ tracking tech could provide an individual user as a long term benefit.

So — another caveat! — anyone keen to get involved with metabolic biohacking needs to be clear about the limitations.

Getting a bit of data is not the same as getting a diagnosis — or even a proper understanding. More data in this context can mean more noise and confusion, not necessarily a clear signal. It may also make you worried about things you shouldn’t.

Another observation: The consumer boom in digital health/wellness tracking over the past decade has been understandably slower on the update when it comes to invasive/semi-invasive wearables. Aka, sensing devices that work by being installed (at least a little bit) inside the body.

Even partially — dipping under the skin so it can stick a sensing filament into the interstitial fluid in the case of Ultrahuman’s Cyborg — the ‘wearable’ metabolic tracking service that’s the main focus of this review. This semi-invasive-sensor-plus-app combo monitors (near) real-time glucose levels as a proxy for understanding and scoring metabolic health — providing the patch-wearer with blood sugar-triggered nudges and alerts to encourage beneficial lifestyle tweaks.

The goal is to support the sensor-wearer to stabilize their glucose levels as they go about their day — avoiding extreme highs or lows — with the overarching mission of reducing inflammation and oxidative stress, which is linked to negative health outcomes.

The suggestion is that, by paying attention to “metabolic fitness” — Ultrahuman’s phrase of choice to describe its mission — and taking little actions related to what you eat and when, and how and when you exercise and sleep — you can avoid or even reverse chronic inflammation that might, over time, lead to developing a metabolic disorder like diabetes, or non-alcoholic fatty liver disease or cardiovascular disease.

While the notion of dieting isn’t always overtly promoted by startups productizing CGM technology, blood sugar spikes are also of course associated with the consumption of sugary foods (and with a higher volume of consumption) — both of which can lead to weight gain. So supporting metabolic fitness implies help to obtain and stay a healthy weight too.

With such headline-grabbing potential gains — from reducing the risk of chronic diseases to support for weight management and a smart digital sidekick to boost athletic performance — it’s easy to see why there’s been a major startup scramble to demystify (and monetize) the metabolism.

And when it comes to startup opportunity, a literally ‘wired in’ consumer health tracker is definitely a lot less mainstream than wrist-mounted tracking gear like the Apple Watch — which instantly shrinks competition from consumer tech giants, providing bold entrepreneurs with a chance to shine.

Safe to say, if Apple’s wearable came with a retractable metallic fang embedded in the backplate, the tech giant wouldn’t have shipped anywhere near as many watches, no matter how fancy-looking its glucose-sensing filament. (Apple will surely want to incorporate a needle-free version of glucose monitoring into its Watch, as rumors have suggested, and if the tech works out.)

Piercing the skin just sounds messy (even if it isn’t really). And ofc lots of people hate the idea of needles. That means there is simply more space and opportunity — here at biohacking’s cutting edge (ha!) — for quantified health startups to blaze a trail that seems to go deeper than mainstream consumer tech companies. Quantified self tech that’s not afraid to cross the needle-phobia line certainly feels more serious because it is literally closer to the biological process that’s being tracked.

That said, whether placing a tracker into the skin makes a meaningful difference vs a less intimate sensor placement — in terms of the quality of the data being captured; the analysis of that data; and any resulting recommendations provided to the user — is a tricky-to-answer question. (Indeed, it’s a whole series of questions, depending on context and the execution of the service/s.)

In the case of Ultrahuman’s Cyborg, the startup is careful not to overpromise; its marketing puts the responsibility on users to “work on improving your health with real-time visibility of how food and exercise impact your body, and a score that motivates you to improve every day”, as the minimalist instructions which arrived in the box with the beta product put it.

The metabolic “score” Cyborg gives is personalized, yes, But it’s an abstraction and interpretation of biological processes that still hold plenty of questions for science. So, again, this is really more about being part of a search for answers vs getting a single ‘biological truth’ handed to you on a plate. (In short, there is no plate; there’s just a lot of suggestive data to feast your curiosity on.)

While a little knowledge can be a dangerous thing — maybe even more so when the data in question is attached to your own biology — a glimpse of one’s inner workings is undoubtedly catnip for the curious. And in our digital age, with so much health research information available online at the stroke of a key, who isn’t a little curious on matters of personal biology?

The danger, perhaps, is that a more invasive/intimate sensor placement may lead people to automatically assume this type of tracker is giving higher quality intel (and more personally relevant insights) than the calibre of the data processing — and our wider scientific understanding of metabolic processes — is able to deliver.

Ultrahuman isn’t afraid to push that sci-fi notion as a selling point, though. Hence its overt choice of ‘Cyborg’ branding — which deliberately emphasizes the intradermal sensor placement — the direct interface between the tech and your body — implying that’s the special sauce powering a quantified health service which promises to “nudge you towards better health, one small step at a time”, and without the need for “drastic diet changes” or the tedium/frustration of “generic exercise plans”.

Given how many other startups are also leveraging the same (or similar) CGM hardware, the automagic of obtaining the data is already at risk of being commoditized; it’s how this information gets visualized, analyzed and contextualized for each user that really counts.

Again, though, given all the aforementioned uncertainty around the science, that looks inherently hard to quantify.

Of course cynics might say that makes for a perfect startup opportunity…

Ultrahuman Cyborg: How it works

Tracking dynamic changes in blood glucose is Ultrahuman’s proxy of choice for assessing metabolic health.

Why glucose? Ultrahuman’s CEO and co-founder, Mohit Kumar, says it was the best fit for what they wanted the product to achieve — being “a real-time biomarker that is sensitive to food, stress, sleep and activity”.

“We were looking for biomarkers and methods to personalize the fitness journey for people when we started as well but it took us a year long of experimentation to figure out which biomarker really works for the kind of impact we were looking at. We looked at various biomarkers like HRV [heart rate variability], sleep and respiratory rate but glucose seemed really interesting out of the entire lot because of the feedback it provides on our food aspect of the lifestyle,” he tells TechCrunch.

“This means that we would be able to get instant feedback for these lifestyle factors and what we’ve seen is that instant feedback leads to better actionability. For e.g. a nudge that pushes you to walk after a meal that gives you a spike will lead to better actionability vs a report that gets sent after a day.

“Secondly, there are so many fitness wearables and markers that help you improve your activity performance but there’s nothing that helps you optimize what you eat. Nutrition is generally a blackbox and is way more confusing (given hundreds of diet types and personal preference) but it is probably the most important lifestyle factor given how broken our food ecosystem is.

“This is why we felt going in with glucose makes a ton of sense from a ROI perspective even though it is a semi-invasive biomarker. The private beta is helping us understand what nudges and information helps people make lifestyle changes easily. We’ve seen massive engagement on the platform with app opens / user being around 21 per day and most people seeing real-improvements in their health around the 45th day of usage.”

Tracking blood sugar swings almost as they’re happening — thanks to CGM technology — is immediately a major step up on the patience-challenging business of (traditional) dieting trial and error over a multi-week/month period: Aka, change what you eat/how you exercise and wait and see if it actually moves the scales, weeks or even months later.

Continuous blood glucose tracking (vs repeated finger pricks) has been enabled by the development of CGM hardware in recent years — initially for people with a formal diagnosis of diabetes. But now a growing number of startups are productizing this technology for a more general health-concerned or fitness-focused consumer.

The tech itself has led to some interesting science. See for example this 2018 research paper which showed that glucose dysregulation (i.e. highs or lows outside what’s considered the normal range) were actually pretty common in ‘healthy’ people; i.e. those without a diagnosis of diabetes or pre-diabetes — which wasn’t what the researchers had been expecting to find.

At a basic level, Ultrahuman’s service consists of arm-mounted sensing hardware (a disc-shaped sensor) — which must be replaced every two weeks — plus an app to visualize your blood glucose data and deliver alerts and nudges. You pair each new sensor with the app to continue the tracking.

Not your average fitness wearable (Image credits: Natasha Lomas/TechCrunch)

The sensor hardware is made by another company: US medical devices firm, Abbott. The specific sensor that shipped with the Ultrahuman product at the time of writing was Abbott’s FreeStyle Libre 2 flash glucose monitoring system.

Self administering the CGM sensor is a little nerve wracking but mainly because you only get one shot at (correct) placement. And with only two sensors in the beta box delivered to TechCrunch I didn’t want to waste any hardware.

At the time of application, Ultrahuman had produced a couple of (amusingly robot-voiced) videos to instruct on sensor placement and set up. These were helpful — and only slightly disturbing (owing to the reference not to press too hard to avoid “few drops of blood splatter”).

Abbott’s hardware comes with its own set of instructions and a spring-loaded applicator which you prime manually before positioning the plastic cup on your raised upper arm and, trepidatiously, pressing down to fire the filament into your flesh. The action is rapid enough to make you flinch. It may not help to recall another phrase in Ultrahuman’s instruction video (“hollow needle”). But the needle is just the delivery mechanism for the filament; you’re not going to be left with that bit of visible metal in your arm.

Was there any blood splatter? Not that I noticed. However the second sensor I installed/put on seemed to have fired into a nerve or something as it was pretty painful for several days. After which it sort of settled down/bedded in. Or, well, I got used to it.

The first sensor was not painful, per se, to wear but it definitely takes a bit of getting used to to sleep with a piece of plastic attached to your arm. I found certain yoga poses required extra contortions to avoid uncomfortably pressing down on the sensor, for example. And I swear I could hear a very high pitched whine in my head at night while wearing the CGM — but maybe I was just dreaming of electric sheep.

Yes you can shower/bathe with the sensor in place. Ultrahuman’s box contained a few disc-shaped fabric tape patches to help protect the hardware (and add its branding to your arm). These can start peeling off after a few days depending on your lifestyle but the sensor itself remained firmly lodged for both my two-week stints. (You can remove a dogeared patch and replace it with a fresh one (if you have enough spare). Although that was also nerve wracking as you don’t want early patch removal to prematurely rip out the sensor. So basically it’s about as much fun as applying a whole Macbook decal.)

If you’re curious about the sensing filament itself it feels like a piece of not that fine wire. You get to see it for the first time on extraction from your arm. At which point I saw it looked as if it was coated in some kind of black paint. Which was — I was not too pleased to observe — flaking slightly… But by that time you’ve been living with it in your skin for two weeks so Cyborg acceptance has already taken place. Smart.

The sensor after extraction from my arm (Image credit: Natasha Lomas/TechCrunch)

Was there a mark left? Yeah, a small red bump where the filament had perforated the skin. It faded after a while. The tape itself — including the sensor’s built in fixing (which stayed a lot more firmly attached) — never bothered me.

The sensor pairs with Ultrahuman’s app via Bluetooth. This means it can lose connection if your phone is out of a few meters’ proximity with your arm/person — at which point the data flow (and real-time alerts) will stop. So now you have the perfect excuse for your phone never to leave your side!

If that does happen, the app will notify you and request you to tap the phone back on the sensor when you can to upload any missing readings. (NB: On set up, the sensor also needs a little time to “warm up” — before data starts flowing. So you may find yourself pacing the room as you wait for it to be ready to log your first workout/meal etc.)

The app itself was a work in progress during TechCrunch’s period of testing which was split over more than a month (as I took a break between applying sensor 1 and sensor 2) — and the software went through a number of changes, including one major visual tweak.

This changed the glucose plot line’s gradient from a too simplistic view (where low-to-high glucose was always displayed as green-to-red) to having a central “target zone” where the plot displays in frosty ‘good to go’ green but as/if rates drop too low or too high they will bleed in a gradient from yellow to orange to red — meaning you can have red highs and lows if you’re out of the optimal glucose range (which is between 70mg/dL and 110mg/dL).

This update was a vast improvement as the earlier version had been visually suggesting that a lower glucose was always better — even if the level was already below target (aka, hypoglycemia) — which it just a small illustration of some of the design/UX pitfalls for this type of quantified health product.

As well as plotting the ups and downs of your blood glucose throughout the day (or at least the approximation which Abbott’s hardware pulls from your interstitial fluid; as any diabetic could tell you, these levels don’t always exactly match blood glucose readings; and if your glucose is rising or falling there can be a short time lag before that shows up in a flash glucose monitor), the app displays what Ultrahuman refers to as a “metabolic score” — which is a number from ‘0’ to ‘100’.

This is the main ‘metric’ mechanic the app uses to try to nudge and gamify healthy lifestyle tweaks.

Ultrahuman describes this score as an indicator of your “overall metabolic health” and says it’s calculated based on glucose variability, average glucose and time in target metrics. The number resets to 100 every day at midnight and decreases or increases “based on your daily lifestyle activities and body’s response”.

The gamification mission sounds very simple: “Your goal is to maximize this score on a daily basis,” as the app puts it.

In practice, getting a ‘good’ (i.e. high) score will depend on your individual biology and lifestyle. And, depressingly, you can wake up with a score that’s already down in the 80s (or, I guess, worse) — depending on what you did/ate earlier.

NB: Stress can also impact blood sugar so events outside your control can impinge on your metrics.

Logging of food — and/or activity or the other types of events which were gradually added to the app during the testing period — is done manually.

Initially this was by custom typing your meal descriptions (or activity). A later update added a food and activity index that lets you search and pick from a structured list and their quantities or times rather than manually typing everything.

In the end, I much preferred custom typing to log food as the list was far too specific and tedious to feel useful. (Type: “Cheese” and it’ll suggest a lot of different types of cheeses — but not necessarily the exact one you’re eating, nor the amount you actually have on your plate, which you may not know in any case; and that’s just one meal ingredient to log; repeating that for a full plate quickly gets old fast… Plus the list also seemed pretty US-centric, which wasn’t very useful for logging a European diet.)

Whereas type in your own favorite cheese — or indeed a custom description of the entire meal — and you can quickly log it next time you eat it as the app will remember your custom label.

Doubtless Ultrahuman is keen to get the best quality structured data that it can — to build the wider utility sought for from predictive AI models. But, if logging feels too much like work, few users will perform the task perfectly for free. So it may have its work cut out to get accurate and structured (vs custom but cryptic) food-to-glucose-response data from its beta user-base.

(Indeed, it may need to rely on asking users to snap an image of their meal and applying computer vision technology to make informed deductions, say, although that may also introduce plenty of errors. Longer term — if the tech goes really mainstream — you could imagine restaurants printing a QR code per meal on their menus which can be scanned so all the correct nutrient data is instantly logged to reduce input friction.)

Activity logging was a lot more straightforward than meals. Not least because, unless you’re an Olympic athlete, you’re going to need to log a lot less of it than food.

After community feedback from beta users, Ultrahuman also added “stress” events as a logging option, as well as fasting — which can of course play havoc with blood glucose but — per some research — may have its own set of health benefits. So giving users more granular options to help better structure the CGM data is sensible.

In the future, automated logging via integration with other types of consumer wearables seems likely. For example, it’s easy to imagine that your fitness band or smart watch detects a specific activity and passes that data to the Ultrahuman app — which could just prompt the user to confirm the details of the detected workout.

For now, though, beta users remain in control of inputting and structuring the data so data quality is likely to be a real smorgasbord.

 

What I learnt

Ultrahuman’s tips caution that during early use of the product you probably won’t be rewarded with stable, high scores.

This is because learning what you need to do to stabilize your blood glucose typically takes a bit of time — since you have to try different stuff (food pairings, exercise timings etc) to see what works for you. Although this is still a much accelerated process vs the tedious business of old school dieting and fitness regime assessment. (Ofc if you’re blessed with a naturally more stable (i.e. low variation) glucotype you may find you need to do a lot less manual ‘steering’, as it were.)

I will still unprepared for the early horror, though. And spent pretty much the whole first week — jaw on the floor — watching the app lowball score the stuff I usually eat.

Humus salad pita bread sandwich lunch followed by a few walnuts, half an apple and coffee (white, no sugar)? Doesn’t that sound reasonably healthy? Um, apparently not, in my case. It remains one of the all time “bottom zone” lunches during my four weeks as a Cyborg (scoring a big fat ‘0’). ?

The all time worst lunch food during the test period (purely in terms of how high my glucose peaked after eating) was at least not a dish I had prepared myself but a fast food meal — albeit, from a brand that markets its fare as a “natural” and more healthy choice than traditional McBurgers n chips.

The meal in question — Leon’s lentil masala with brown rice followed by a “regular” coconut milk latte (brand of plant milk: Rude Health); another ‘0’ scorer — produced such an epically large spike that I decided I needed to do an emergency HIIT session just to bring my elevated levels back down again.

The exercise did do the trick. However, if I’d known before lunch that I would need to do do a bunch of burpees and squats right after lunch to metabolise the food spike I might well have revised my food choices.

How continuous glucose monitoring, and mass access to real-time metabolic data, will affect the fast food industry is certainly an interesting question to ponder…

A whopping fast food spike — vanquished by doing some intense exercise (Image credits: Natasha Lomas/TechCrunch)

I hadn’t checked the ingredients small print prior to eating the Leon meal — but eyeing the label suspiciously afterwards, in the red glow of the app’s condemnation, I was unimpressed to find “caster sugar” in a long list of additions.

Although, knowing what I know now, it was probably the coconut milk (an ingredient in both the stew and the coffee) that was especially triggering for me.

Sadly, the post-meal coffee probably didn’t help either.

My least favorite Cyborg learning was that coffee seems to raise my blood sugar. Green tea? Totally fine. Black coffee, decaf, white? All cause me some uplift. And since I like to drink coffee in the afternoon, after eating lunch, that means a raise atop a (food) raise — which might be just enough to tip me into the red.

I still refuse to be a morning coffee person, though.

Rice can also be a spiker for many people — certainly white rice which is more quickly metabolized by the body vs the more fiber-rich wholegrain. Although I’m now more wary of the crash that can come after eating a mainly white rice-based evening meal as it seems to work against keeping blood sugar stable and sustained in the target zone overnight.

Blood sugar lows are just as important to avoid as highs, as it turns out. At least, that’s my sense after four weeks hooked to a CGM. Although my early usage of the app was entirely preoccupied with trying to avoid the big red spikes, they did get easier to manage over time — with some creative biohacks and a few strategic dietary edits.

For example, I have all but removed plant-based milks from my diet (save for a dash of oat milk in coffee; no I have not — will not! — give up coffee entirely. But I do tend to nurse a cup for longer now). The spikes these alt milks served up were just too consistently red flag-ish to ignore and I came to think of them as akin to fruit juice and best avoided. Which — again — is pretty interesting considering how often the marketing of these highly processed beverages makes loud noises about how they offer a ‘healthy choice’.

Interestingly, other Cyborg users seem to have reported a similar issue — per one of the company’s email newsletter round-ups of shared learnings, where it wrote that: “Almond  milk and breakfast cereal could actually cause a bigger spike than a hotel breakfast buffet!”

Maybe this is a similar mechanism as can cause a glass of orange juice to spike whereas eating a whole orange (typically) won’t. Or maybe it’s down to something more specific in how these drinks are manufactured — the type of processing they undergo and specific additions. Many have added sugar for instance (although the ones I was pouring on my cereal definitely didn’t — yet they still spiked me). Unfortunately I didn’t have a chance to make a homemade version of oat milk to do a direct comparison with commercial brands to see if it was any less spikey.

For breakfast I do still usually eat a bowl of oats — which certainly also has spike potential (being carbs, albeit fiber-rich carbs) — but I make sure they are jumbo oats (not oatmeal). Most importantly, I liberally dust the bowl with cinnamon (which I discovered helps reduce glucose spikes). And I eat them with water (not any kind of milk), plus a blob of natural yogurt (for flavor and some essential vitamins), plus the usual mix of berries and seeds.

This is not a massive change on my pre-CGM breakfast of choice (oats, berries, seeds etc but washed down with, er, oat milk). But the difference in metabolic score terms? Huge! It switches from a meal that typically scores a ‘2’ to a ‘9’. Crazy but true (or, well, true per Ultrahuman’s reading of my fluctuating interstitial fluids). 

I also found creative ways to adapt how I consume bread to limit how much of a spike it generates.

Eating less or even no bread is one way to shrink glycemic load and manage down any associated blood sugar rise. However like oats, wholegrain bread is a complex carb that has dietary benefits so I didn’t want to remove it (or, indeed, quit carbs entirely) from my diet. So, with the benefit of the app’s real-time glucose view, I experimented with eating a slice of wholemeal bread towards the end of lunch, after other fiber, protein and fat rich foodstuffs — which take the body longer to break down — and that seemed helpful.

I then found another specific biohack — involving apple cider vinegar — that worked a treat.

As with cinnamon, I learned this type of fermented vinegar has properties that help to reduce glucose spikes. So I experimented with pouring the vinegar (stay with me) on a slice of sourdough bread before eating it — yes this sounds odd but actually tastes amazing! Using this method, plus eating the bread later on in the meal (after the salad, nuts etc), I could turn a lunch that spiked into one that remained in the healthy zone. There’s simply no way I’d have figured out something as specific as that without being able to see real-time shifts in my blood sugar.

The problem is the lunches that spiked didn’t make me feel any different/less healthy vs the lunches that didn’t. Not without seeing the metabolic response in the app. So it just wouldn’t have been possible to distinguish between them without the sensor data.

Plus, of course, another person, with different metabolic responses, may be able to eat five slices of bread without any spikes at all. So there really is no clever way to generalize — beyond setting basic strictures such as control your carb intake and carefully build the balance of foodstuffs on your plate. And generic, broad-brush strategies that can be very demotivating in the absence of immediate feedback — which is exactly what makes the CGM so potentially, individually transformative as a lifestyle tool. Suddenly you can try stuff and see if it actually works for you or not.

That said, whether managing relatively small blood sugar spikes is as important for a person’s long term health as metabolic tracker startups like to suggest is a wider question.

The TechCrunch reporter as a ‘Cyborg’ (Image credits: Natasha Lomas/TechCrunch)

Dr Matthew Campbell, a scientist who does research into biological systems that impact the human metabolism at the University of Sunderland in the UK, was sceptical about the benefits of otherwise ‘healthy’ people putting so much effort into managing their blood glucose when we asked for his views on this general use of CGM technology.

“Glucose usually fluctuates throughout the day anyway — it’s not a kind of static variable, it is very dynamic. But it should, on average, stay within a normal range. There are cut off points for people who would be characterised as high risk. For example, if your glucose doesn’t come down below a certain level after a meal or in the morning time if it’s chronically elevated. And that’s where the kind of cut points are for diagnosing diabetes or even pre-diabetes, the people who are at risk of developing diabetes,” he tells TechCrunch.

“The issue that we have [with ‘healthy’ people tracking their glucose] is just these arbitrary values — if it’s going down that’s okay, if it’s going up that’s not so good — [but] if you sit within the normal range I don’t know what the clinical utility and the usefulness or the health advantage is of, for example, reducing your glucose by 1mmol if it’s already in the healthy range.

“So I guess if you already sit — 95% of the time — within a healthy range trying to flatten that line or aggressively manage it even lower, I don’t think that confers any additional health benefit because you are already in a healthy range.”

Campbell also pointed to the challenge of correctly linking the blood glucose data that comes from the CGM to everything going on in the user’s body which might be influencing glucose levels, noting too that as well as a time lag the exact position of the sensor on the user’s arm can affect the readings, for example.

“So certain situations, is it your weight, your sex, your ethnicity, individual genetic makeup — all of those different factors influence glucose levels — sleep impacts it, nutrition impacts it,” he says. “And I think if this tech just [tracks] the glucose trace and it doesn’t tie in those other factors then it’s quite difficult to make an informed decision on what is influencing your glucose levels.”

He was more positive about the potential of CGM for athletes, though.

“I think what it can be useful for — you mentioned elite athletes — if you’re exercising at particularly high levels or for a long duration of time — even if you don’t have diabetes, can be at risk of having low blood sugar levels and a lot of this tech tends to come with alerts,” he adds.

Campbell also raised an interesting comparison — suggesting out of range glucose may not always be a problem if the individual’s metabolism is able to aggressively manage it back down again.

“The way to think of it is a little bit like heart rate during exercise,” he says. “If you’re exercising somebody might have a much higher heart rate at the same exercise intensity as somebody else and you might think they’re exercising a lot harder therefore they might be less fit.

“But actually if the variability within the heart rate is a lot greater then that’s more indicative of more cardiovascular flexibility. Which is pretty much associated with very good exercise tolerance and very good levels of fitness — and I don’t really see how it’s any different with glucose response.

“So it’s not necessarily the fact that the glucose level goes outside of range because that happens for a large proportion of people and they can be metabolically healthy — I think what is important is looking at the overall picture.”

Given that, Campbell suggested the true utility of these services will be in augmenting the CGM data with algorithms and machine learning — that can “look for patterns in the data” and “piece things together rather than just cherry picking ‘well your glucose level went high after you did this’; well it doesn’t really matter if it came down fairly aggressively, maybe that’s actually a good thing.”

Returning to blood sugar lows, I had an interesting personal experience in that I was able to figure out — through usage of the app (including by chatting to Ultrahuman’s in-app coaches to get their manual analysis of my CGM data) — that a series of glucose lows I had experienced overnight correlated with waking up in the middle of the night in a cold sweat or even with cramps.

I also noticed that such overnight lows often followed a meal that had involved drinking alcohol (which, turns out, plays its own devilish game of interference with normal metabolic processes). So keeping a careful eye on the ratio of food to alcohol — and perhaps eating a protein-rich snack before bed after an evening meal when I had drunk wine with a less nutrient dense dinner (white rice, say) — was another little hack I was able to work in to shrink the risk of going hypo/crampy in the night without having to forgo wine with a meal.

In that case the personal benefit looks tangible: Not having my sleep unpleasantly disturbed.

I was also able to extrapolate this finding to suggest a similar night time snack hack for an elderly relative — who had been suffering chronic night cramps for months. After she’d adapted her regime to include a strategic bedtime snack she soon reported being almost entirely cramp free overnight.

These are of course just a couple of anecdotal examples — but they are illustrative of the potential for individuals to experiment, make connections and join the dots between the unique quirks of their lifestyle and the CGM data.

Dr Michael Snyder, a Stanford professor and co-author of the aforementioned pioneering research paper — who is also a co-founder of a (rival) US startup, called January AI, which sells its own metabolic health tracking service that’s productizing CGM — is, as you’d expect, evangelic about the benefits of the technology to deliver valuable revelations to individual users.

He actually has Type 2 diabetes — and has worn a CGM to help manage the condition for around a decade at this point — so is well placed to comment on the tech’s utility.

Albeit his personal use, for a specific medical condition, is very different to the general fitness/health use Ultrahuman, January AI and other startups in this space are targeting. But he suggests that broader use of CGM technology could help manage or even reverse the risk of people becoming pre-diabetic or diabetic.

“Right away you learn what foods spike you and what doesn’t — and that just differs from one person to the next,” he tells TechCrunch. “You can actually see people who have glucose dysregulation who might not otherwise know it and this is a big deal because 90% of pre-diabetics don’t know it and 70% of those will go on to become diabetic so one could argue it’s really really valuable to get their glucose under control so at least they can push off becoming diabetic hopefully for a number of years.”

“There’s these kind of hidden secrets in your food — at least they’re secrets to you, they’re probably obvious to somebody,” he adds. “But even people who think they knew everything learn stuff, from what I can tell, that they didn’t realize. And, yeah, there’s just sugar everywhere.

“It probably lines up to the concept that I think now — compared to right after World War 2 — people eat something like 40,000x more sugar than they used to. It’s just everywhere.”

“I personally think — from my standpoint — the whole world should be getting measured on this at least on some treatments,” he also tells us. “If your glucose is under control maybe you get measured a little bit less, get measured periodically. But if you’re pre-diabetic or diabetic I think this information should be life-saving on some level.”

Snyder also predicts the tech will get a lot more powerful — thanks to the addition of AI and predictive modelling around food responses based on all the empirical data that’s now being ingested after being fed in by early adopters.

“That’s why you need AI,” he notes. “First of all you’ve got to know which foods spike you — which ones don’t. It’s very empirical unless you just do it you don’t know going in — so we’re finding some people spike to grapes, other people to pasta. Everybody spikes to white rice.

“But different people do spike to different things and at some point we’ll get predictive about what’s doing that but right now it’s just empirical. And so that’s what these devices do — they teach you.”

“For January AI we have food recommender system because we can say well here’s what you’re eating that spikes you and we know the composition of these other foods and with reasonable predictive accuracy we can say well this food didn’t spike you, eat that one, don’t eat that one,” he adds.

“It sounds crazy — but it is a big data problem. You need to have a lot of data and a lot of understanding to be able to do that.”

January AI similarly factors in the user’s activity level — given it also impacts glucose level. And Snyder argues that even just tracking those two elements is enough for such a service to be useful.

“I think that’s essentially at least two of the ingredients — but you’re right there are a lot of factors and that’s why it’s a data problem,” he adds. “Bring in enough data around you personally and we’ve got the data to decide what formulas are working for you.”

Personally, I can say one thing for sure: I have never known a gadget to be so engaging. Just on the pure information level.

The Ultrahuman app’s fairly formulaic alerts — which might pop up to warn you that your glucose is rising and suggest you “get movin’” to bring the level down; or nudge you to eat earlier in the evening for “better sleep quality and metabolic response”; or offer some motivation by trumpeting an “epic/insane start to the day” based on minimal spikes/crashes — were probably the least personally useful element of the product for me. Because, well, if you’re paying attention to the data you’ll soon realize that sort of stuff yourself.

I was very quickly way down the rabbit hole of testing diet/exercise tweaks to see whether I could identify hacks and strategies to keep things frosty green.

It’s absolutely fascinating/terrifying to watch how your body deals with the stuff you throw at it. But, be warned: Your S.O. will hate you as you inexorably whip out your phone at lunch/dinner to first log your meal and then vicariously observe as the app scores your body’s response to whatever you’re eating. It’s a double whammy for screen time. And the stickiest app I’ve used since forever. (Sometimes literally given you’re logging what you’re eating.)

But of course it’s not perfect.

One notable functionality issue I found is that the app wasn’t always able to distinguish between an exercise-related spike (yes intense exercise can raise blood sugar out of the target range!) and a food related spike (even if you’re doing careful logging) — so it could end up scoring your day badly when it shouldn’t.

Exercise spikes are “nothing to worry about”, per Ultrahuman’s coaches — who I quizzed about this via the app’s chat function. “The reason for spikes during strength and HIIT workouts is due to an increase in adrenaline and cortisol which stimulates the liver to break down glycogen into glucose,” was the explanation I got from one of the coaches, along with the reassurance that this is: “Nothing to be worried about. It’s natural phenomenon.”

Now a person with diabetes may need to worry about going out of target even if exercise is the cause — as their body could have trouble bringing the elevated blood glucose back down again. But a person without that diagnosis — the more general consumer that Ultrahuman is targeting for Cyborg — shouldn’t, in theory, be worried.

However the app, in its current form, ended up causing me some concern when I did some intense exercise and then right afterwards ate a meal. High glucose rates caused by the HIIT — which the app will normally notify as “a good spike” — seemed to get co-mingled with the food-related increase and that combination conspired to dent my metabolic score.

Accurately distinguishing a “good spike” from a bad one is evidently a work in progress.

Here’s what Kumar told TechCrunch when we asked about this: “Solving for accuracy of insights that we generate from glucose biomarkers is at the very core of our mission. If we look at clinical grade parameters that determine how one’s body responds to something like food, we get to know that it is a combination of: ‘X ( macro+micro constituent of food ) + Y ( the state of recovery i.e stress, sleep deficit, microbiome diversity etc ).’

“The platform currently looks at X closely and hence you would see that there are many exceptions to how glucose responds to food. With our custom hardware that’s going live in early 2022, we are changing the way we look at this by capturing the rest of the Y factors i.e HRV, sleep etc. We feel this will completely change how we look at the food and activity response and the resulting accuracy.

“For e.g.: The platform will be able to clearly figure the attribution of activity and food within a spike. This is because we could figure out your approximate glycogen release thresholds based on a combination of glucose with other factors that we will capture via our custom hardware wearable.”

Kumar also said the startup is starting clinical trials for a study that relates glucose, insulin and other bodily parameters (“Triglycerides and hormone balance”) to establish what he described as “a proper correlation between glucose monitoring predictions (‘metabolic score’) and the actual state of metabolic health”.

“This has also been attempted in the past with lesser tools and non-continuous glucose at disposal but the v2 here will have way more validation,” he predicts.

So, once again, more research is needed to try to improve the resolution of the ‘personalized’ snapshot of data the CGM is pulling out of your arm. Which also means that these cutting edge quantified health services may still be making a relatively crude assessment of what’s going on in your body at any given moment.

There’s a similar complication with food too of course, unless you’re someone who eats a single foodstuff per meal.

Since most of us eat foods in combination (bundling different ingredients), it’s the combo you’re eating that counts — and, indeed, the order in which you eat different ingredients on your plate can affect how you metabolise them. So the same meal eaten in a different way (or at a different time of day) might go down (or up) differently.

Starting with fiber rich foods (salad, vegetables etc), moving through proteins and fats and ending with (any) carbs — a deconstructed humus salad pita lunch, say — would probably have been less of a low scoring lunch for me than wrapping the same food in bread and eating it the quick and convenient way.

Another clear takeaway from my four weeks as a Cyborg is that fast, ‘convenient’ food — scoffed at a pace — will, inexorably, cause big, unhealthy-looking glucose spikes.

I also found that more processed the food (i.e. prepared meals with added sugars, preservatives, oils etc), were more likely to spike vs eating whole foods, freshly prepared.

This was not surprising to me — I’ve long sought to avoid eating heavily processed foods in favor of stuff I prepare myself using fresh/minimally processed ingredients — but it did underscore how much of a problematic food culture the Western world has developed, with its time-is-money emphasis on speed which encourages liberal use of artificial sweeteners and other additives in order to turn an edible convenience food into a profitable product with a long shelf life.

My experience of using a CGM suggests that eating in a way that is healthier for you — because it generates less inflammation and oxidative stress — requires both more time to prepare food and more time to consume food.

Healthier ingredients may also be more expensive to buy and assemble yourself vs buying a product that comes prepackaged and ‘ready to eat’. So health can literally cost more, in time and money. So there are huge socioeconomic considerations when you start to dig into metabolic health.

Cracking open this Pandora’s (lunch)box has implications that scale beyond our broken food system too — touching on wider structural inequalities baked into our societies.

Poor health and poverty are often intertwined. And it remains to be seen whether big data and AI will be able to break that link by democratizing access to valuable health insights — scaling broad utility off of enough individual-level learnings — or whether tech’s wealth divide will just serve to further accelerate inequalities as health tech gets smarter too.

The concept of a cyborg instantly implies a new elite tier of humanity. But what about all those who can’t afford to be wired in?

Pizza for dinner? A slow but steady rise in blood sugar may follow… (Image credits: Natasha Lomas/TechCrunch)

 

Verdict & Price

While I remain (healthily) sceptical of the scale of the potential gains being claimed for metabolic tracking, four weeks as an Ultrahuman Cyborg was long enough to convince me this is the start of something big. And I didn’t have an obvious need going into testing the product — such as wanting to lose weight or needing to get fit. I’m just interested in staying healthy.

Nor am I a big fan of fitness wearables, generally. But this felt like a different level of self quantification.

The future of healthcare will certainly be about shifting towards preventative interventions by leveraging data accessibility to inform and augment our ideas about what’s good and healthy for us — even if, where metabolic health is concerned, there’s no shortage of learning and research still to do.

The data from individual sensors (Ultrahuman’s service alone has some 400x cyborgs at the time of writing) will also feed research that will continue to deepen our understanding of complex metabolic processes. Although there is a degree of risk that commercial interests will look for results which support and underscore their point of view, the potential scale of use — as more of these services launch — should help drive transparency and keep the science clean.

At the same time there is plenty to be cautious about.

The most engaged and scientifically literate users are likely to get the most out of this sort of tracking as they can bring wider knowledge/resources to bear to help them interpret their data — while a less informed user might take an overly simplistic read of what the information means.

There is also the risk that linking big bold stress triggers to food and other lifestyle events could lead to (or exacerbate) problems like eating disorders. The service wrapper and support are therefore a really key piece of making the most of what CGM tech can offer.

In short, poor UX decisions could have serious ramifications. And a lot of care and due diligence is needed over service design and delivery.

Longer term, having a snapshot view of blood glucose may — on its own — turn out to be far too limiting.

A more fully integrated tracking platform is likely to be needed to deliver the best understanding of an individual’s metabolism, drawing in a variety of signals and biomarkers. Although, right now, tracking glucose feels like a start; one which offers the chance to experiment with lifestyle tweaks that could accrue significant benefits over time — in a way that’s far more motivating than trying to figure out healthy individual dietary choices without any kind of real-time feedback.

Even just four weeks using the product yielded so many interesting tidbits and so much food for thought — avocado and egg is a super solid breakfast choice!; beer is a terrible spiker but natural cider looks (er) practically medicinal!; olives and nuts are truly the food of the Gods! — and the experience has led me to make some small but sustained lifestyle changes.

The jury is still out on whether those tweaks are genuinely worthwhile from a long-term health point of view. But given the changes weren’t especially radical, even if there’s only a tiny chance they have a benefit then, really, where’s the harm in that?

That said, another qualification: I do wonder whether (further) reducing the amount of carbs I eat — as a result of seeing how much they can spike me — might not have capped how much energy I have available for training purposes.

I already had a fairly low intake of carbs and it’s important to remember that food is also fuel — and energy needs vary. So a ‘spikes are bad, stability is best’ view on blood glucose may be too simplistic for an above average sporty lifestyle.

There is a real need to plug this data into relevant specialisms. A personal trainer would likely be able to make far more intelligent use of my results for me — based on knowing my individual fuel for training needs. Such a person may even be able to advise on dietary tweaks that could let me have my bread and eat it, so to speak.

But of course a personal trainer — or nutritionist — isn’t something everyone can afford or otherwise justify based on their (non-Olympic athlete) lifestyle. So on that front the product looks good value. (Even if you’re mostly getting raw data and need to do much of the wider interpretation yourself.)

How much does Ultrahuman’s Cyborg cost? The beta program is priced at ~$80 for two weeks (or $470 for 12 weeks). If you were paying a human personal trainer to be on your case and analyzing your data 24/7 it would be a lot more expensive than that — so it looks like pretty good value. (A decent personal trainer might cost $80 an hour.)

It’s important to emphasize that the app isn’t actively trying to be a full-time personal trainer. But it can do some basic things like offer exercise nudges if your blood glucose gets too high and — retrospectively — identify your “best workout zones”, aka optimal time windows to take exercise over the course a week based on how your body was fuelled. (“Do you see a trend? Use these times to your advantage to crush your next workout” was one suggestion it emailed me, although this nudge seemed more random than useful tbh.)

There are also a few (human) coaches on hand in the app to take questions and help you analyze your data. Plus you can always ask for help from other users via the invite-only Cyborg Slack channels. (Albeit, that’s crowdsourced wisdom, not dedicated professional support.) So the ‘relative value’ price-tag comes with the caveat that most of the time you’re on your own when it comes to drilling in and distilling more nuanced insights.

One more thought to ponder: As with every data-driven and ambitiously predictive AI product the Cyborg isn’t just training you; your data is training the Cyborg… So how much do you think 24/7 access to your biology is worth?

The value being derived from your highly intimate personal data flows two ways — and that upside isn’t necessarily being distributed equally. If you feel you’re getting enough value from the service that may not bother you. But privacy considerations are impossible to ignore.

Even if you’re comfortable sharing such intimate data with a commercial company in order to be able to access the service, Ultrahuman’s privacy policy for Cyborg notes some circumstances where your information may end up elsewhere — such as if it receives a subpoena it’s legally bound to respond to.

The policy also specifies that: “Anonymized, aggregated data may be shared with advertisers, research firms and other partners.” And robustly anonymizing health data has been shown to be notoriously difficult to do, even as the adtech industry has shown a rapacious appetite for triangulating and “sharing” data to better profile individuals for targeting — up to and including applying labels like “diabetes”. So your highly personal data leeching from a CGM into the modern web’s manipulative microtargeting ad matrix is not, unfortunately, impossible to imagine.

But let’s end on a personal note: What has Kumar himself learned from using CGM to track his glucose?

“For me the biggest learning has been around expanding my food spectrum and incorporating more of the foods that I like. Prior to this I pretty much followed a disciplined diet but couldn’t sustain it for long given it would affect social eating etc. With Cyborg, I’m able to understand how I can balance food with my activity. On the days I lift weights or am generally more active, I know that I have a little bit of extra flexibility around eating what I want to,” he tells TechCrunch.

“The other big learning — which is a work in progress — is around maintaining stable energy levels throughout the day. For me, stable glucose levels are broadly correlated to stable energy levels and this is what I’ve been trying to maintain during a particular week where I have a lot of reading work to do.”

 

Cutting edge competition

Here, past the quantified self trend’s needle-phobia line, is truly a wild(er) west — a lesser trodden arena of experimental startup opportunity. Naturally, it’s a lot more interesting than boring old step/sleep tracking, exactly because it’s so much less familiar.

There is a genuine sense of discovery as you fire the spring-loaded CGM sensor into your arm; feeling like a bit of a pioneer, involved in a kind of citizen science collective — with the fascinating opportunity to design and run experiments that interrogate the health of your own lifestyle.

On top of that, is the overarching possibility that what you learn personally might be useful to others — encouraged by Ultrahuman’s community-building efforts around Cyborg (such as its Slack channels, where early adopters are encouraged to share their learnings; as well as virtual and in person meet ups) — so there’s a ‘philanthropic mission’ feel as well.

Startups that are bold enough to get entangled in skin-puncturing machine-human interactions do have a chance to stand out. After all, mainstream tech giants simply can’t be that freaky. And it sets them apart from the wider wellness quantification crowd that’s plumped for a more quotidian biomarker to track.

That in turn means these startups have a chance to grab some very intimate biological data to feed their product dev, data science, AI models and algorithmic predictions; and — potentially — jockey themselves into position to race ahead as consumer appetite for personalized health services steps up.

On the blood glucose tracking front — an activity that has traditionally been associated with people who have conditions like diabetes (or pre-diabetes) — a large number of startups are now taking the plunge into willing recipients’ interstitial fluids.

As well as (India’s) Ultrahuman, with its still beta Cyborg service, there’s January AI, which does glucose tracking combined with heart rate monitor data to offer personalized food predictions and exercise ‘recipes’ to help you burn off any indulgent excess; Levels Heath, which has bagged backing from a16z; Signos, which is using CGMs to offer real-time weight loss advice; the athletic-performance focused Supersapiens; and NutriSense, which offers big picture soundbites around “optimizing” your “daily health performance”, to name a few of Ultrahuman’s US CGM-leveraging rivals.

There are more competitors in Europe — including (UK-based) Zoe, which is using data from large-scale microbiome studies to generate AI models to predict individual food responses. So as well as getting users to wear a blood glucose monitor, it also asks them to send in stool samples for lab analysis.

Also targeting glucose monitoring in the region is Germany’s Perfood (“personalized diet” for weight management); and Holland’s Clear Nutrition (“learn your unique responses to food” and “build your own nutrition plan”). At the time of writing, another European company in this nascent space, Finland’s Veristable — or Veri for short — was spotted advertising its 24/7 glucose monitor service on photo-sharing social network Instagram.

The ad pictured a very hipster look model sporting the same disc-shaped wearable which Ultrahuman’s service uses (and indeed many others do), taped over with a stylish grey patch vs the former’s black and white disk emblazoned with its tipped ‘K’ symbol. “End the Guessing Game of “What Should I Eat?” Veristable’s ad proclaimed, pointing Europeans toward a €159pm service.

Both Veri, which raised a seed round in June (per Crunchbase), and Ultrahuman — and a number of others — are using a CGM made by Abbott (the aforementioned FreeStyle Libre). This disc-shaped data-collecting device comes with a spring-loaded applicator that’s armed with a hollow needle. Once positioned in place you press down (firmly but not too firmly) and it fires the filament directly into your flesh.

The novelty here isn’t the tech itself — CGMs have been around for some years (Abbott’s FreeStyle Libre was introduced in 2016 for example, while Dexcom, another maker, got FDA approval for a fully interoperable CGM that could be used with other electronic diabetes management devices back in 2018) — it’s what they’re doing with it that’s experimental.

So while CGM tech has already been a transformative technology for people with diabetes and pre-diabetes, it’s only relatively recently there have been moves to commercialize it for a more general user who just wants to get to know their own body better.

Last summer, Dexcon gained FDA clearance for its real-time APIs for third party developers and devices. Fitness hardware maker Garmin was among the first wave of companies signed up to work with it to expand users’ access to their glucose data, albeit still with a focus on boosting utility for people with diabetes.

But investors have been quick to spot broader consumer potential — and are increasingly injecting funds to accelerate developments and get CGMs into many more arms.

Early last year, for example, January AI topped up with a further $8.8M; while Zoe bagged a $53M Series B in May 2021 (recently expanded when they added Balderton as an investor). Ultrahuman also announced a $17.5M in Series B (in August 2021); while Signos raised a $13M Series A in November.

As more data flows, it’s a safe bet that much more VC cash will follow. 

Ultrahuman’s PR points to the scale of the addressable potential market — talking about an emerging “metabolic health crisis”, and claiming that some 88%+ of Americans (and almost 80% of the global population) are “dealing with a metabolic disorder”; and thus could potentially benefit from joining its “Cyborg army”, as it brands early adopters.

So the potential addressable market is huge. Although any such wider onboarding looks like it will entail a steep learning curve — as startups seek to push beyond the low friction pond of early adopters and performance enthusiasts and step outside the quantified self and biohacking communities where this tech will naturally thrive.

A big part of Ultrahuman’s community-building efforts focus on encouraging users to share individual experiences and tips via invite-only Cyborg Slack channels and Townhalls, as well as signing up sporty influencers to evangelise the benefits of “performance fuelling” and other biohacking techniques that feed the purpose of sporting a CGM.

“The world currently has over 500M+ people who are diabetic but if you look at the problem holistically, you’d notice that there are almost 600M+ pre-diabetic people,” its PR goes on to claim, before suggesting the cure: CGM technology combined with “health score algorithms” and “instant health nudges” — which it argues “could help millions improve and help control / reverse this crisis”.

Whether millions of people can be sold on wearing a sensor in their skin remains to be seen.

But the technology may well evolve so it can be less invasive — and more mainstream-friendly — without losing too much accuracy. At which point there’s no reason to think it wouldn’t become a standard bit of fitness kit.

Whether a metabolic tracker subscription service is something millions of people will shell out for every month is another question. But once you’ve had a taster of this kind of data access it can be addictive. Even if you may also feel a bit ‘watched’ and judged as the sensor feeds back data on your lifestyle choices and the software scores how healthily you live.

It’s funny to imagine that the world’s unhealthy pursuit of something sweet to eat may, over time, get commercially rerouted into tracking and biohacking the rollercoaster ride of blood sugar — which should at least be a healthier fixation than blindly chasing the next sugar high.

 

(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

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