"進歩的なCIO"は何が違うのか–殻を破り変化を起こすリーダーになるには
今回は「"進歩的なCIO"は何が違うのか–殻を破り変化を起こすリーダーになるには」についてご紹介します。
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最高情報責任者(CIO)の立場がかつてなく強くなっていることは誰もが認めるところだが、ビジネスの将来を成功に導けるだけの資質を備えたIT担当役員はわずかだ。
近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の成功や、IT支出の増加(調査会社のGartnerは、2022年の世界的なIT支出は前年比5.1%増の4兆5000億ドル(約500兆円)に達すると予想している)といったプラス要因を考えれば、IT担当役員には、自分たちの権限を新たな分野に広げるチャンスが十分にあると考えるべきだろう。
しかし残念ながら、多くのCIOの態度は依然として積極的とはいえず、むしろ及び腰だといえる。DeloitteとWorkdayが実施した調査によれば、多くのIT担当役員は保守的過ぎるという。では、何が問題なのだろうか。
大きな問題の1つは、変化のスピードだ。企業のCIOは、自分たちの役割に意識を向けてもらうために、長年の間戦ってきた。経営陣に破壊的変革の危険について語っても、事業部門は技術部門に投資すべきだという意見を拒絶してきた。これまでは、技術部門の価値が理解されることは少なく、過小評価されることが多かった。
コンサルティング企業のDeloitteとIT企業のWorkdayが、世界の経営幹部600人を対象として実施した調査では、IT部門の役割には戦略的な価値があり、長期的な成功には徐々に技術を改善していくことが重要で、自分の組織のデータ活用能力は高いと考えている「進歩的なCIO」は、わずか8%だったことが明らかになった。
また多くのIT部門は、鈍重な業務プロセスによって相変わらず足を引っ張られている。回答者の半数近く(45%)は、イノベーションのペースを上げる必要があると考えており、43%は企業のアジリティ向上が重要だと回答していた。
この調査ではまた、進歩的なCIOは、他のITリーダーとは3つの点で異なっていることも明らかになった。その3つとは、データを意思決定プロセスに役立てていること、変革を加速するために財務部門と連携していること、DXに対してアジャイルで漸進的なアプローチを導入していることだ。
WorkdayのCIOを務めるSheri Rhodes氏は、「進歩的なCIOは、テクノロジーやアーキテクチャーだけでなく、応答性が高く、変化への順応性が高い組織を作ることに関してもアジリティを向上させている」と述べている。「彼らは、製品部門とどう連携し、どう付加価値を高めるかという観点から、仕事の進め方について注意深く検討している」