キヤノン、軽量・広視野角のMRデバイス発表–遠隔共有や多用途化に対応
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キヤノンとキヤノンマーケティングジャパン、キヤノンITソリューションズは4月21日、複合現実(MR)システム「MREAL」の新製品となる広視野角のヘッドマウントディスプレイ(HMD)「MREAL X1」を発表した。6月上旬に発売する。
MREALは、現実空間にコンピューターグラフィックス(CG)映像を重ね合わせることで、あたかもCGが現実に存在しているかのような臨場感を得ることができるシステム。2012年から展開しており、約100社の導入実績多くを占めるという製造業では、例えば、工場の生産設備を計画検討する際に、現場空間に3次元のCADデータの画像を組み合わせて表示することで、設備機器を設置した際の人の動きへの影響を検証したり、製品の設計データから起こしたCGを現場空間に重ねた合わせることで実際の様子を把握したりといった利用がなされているという。
新製品のMREAL X1は、2021年2月に発売した重さ約179グラムの軽量HMDモデル「MREAL S1」と同様の軽量性(約158グラム)を継承しつつ、視野角をMREAL S1の約45度×34度から約58度×60度に大幅に拡張した。これによりHMDを装着したユーザーが頭部を大きく動かさなくても視認できるエリアが広がり臨場感もさらに高まるため、検証作業の効率化や精度の向上を図る効果が期待されるという。
また軽量による可搬性が高さや広視野角の特徴を生かし、用途の広がりも期待するという。例えば、コロナ禍で出張が制約されている場合は現地と本社をリモートで接続し、現地で担当者がHMDを装着し動作しながら本社側で共有、検証を行えるようになる。また、例えば、現実空間としては広さに制約のショールームでも多数の商品CGを組み合わせて顧客に実感のある訴求を行ったり、病院の会議室で医師がCGを利用して手術のトレーニングを行ったり、スポーツイベントでは、臨場感の溢れる選手の動きを疑似体験できるファン向けのサービスを実施したりできるとしている。
キヤノンITソリューションズによると、MREALのMRはビデオシースルー方式を採用しており、現実空間に重ね合わせるCGの再現性に優れる。MRには、他に光学シースルー方式があり、こちらはディスプレイを通した半透明の現実空間に仮想情報を付加することに優れているという。それぞれの方式に優劣はなく適する用途が異なる。ある製造企業では、生産設備の事前検証ではMREALを使用している、製品の保守作業には光学シースルー方式の他社システムを使用して点検マニュアルのCGを現実製品に重ね合わせて作業効率を高めている。
MREAL X1本体はオープン価格で、システム一式の最小構成による想定価格は350万円から。MREAL全体で2025年までに年間1000台以上の販売を見込んでいる。