NGINX、商用版の重要な機能をオープンソースで無料化、オートスケールやCI/CDフックなどフルスタック化など、今後の発展についてコミットを発表
今回は「NGINX、商用版の重要な機能をオープンソースで無料化、オートスケールやCI/CDフックなどフルスタック化など、今後の発展についてコミットを発表」についてご紹介します。
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本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
オープンソースのWebサーバ「NGINX」(エンジンエックス)の開発元であるF5 Networksは、オンラインイベント「F5 NGINX Sprint 2022」を開催中です。
そこでNGINX開発チームは、今後のNGIXの発展に向けて、ソースコードをMercurialからGitHubへ移行すること、有償版の機能をオープンソースへ移植して無料で利用可能にすること、単なるWebサーバ機能だけでなくCI/CD機能などを拡張することなど、3つの約束を発表しました。
GM of #NGINX @rwhiteley0 has just announced three #opensource promises that will come to life during #NGINXSprint 2022. Read more on how we're getting back to our open source roots https://t.co/4rVxitx5cU pic.twitter.com/1cTu2mAGSs
— NGINX (@nginx) August 23, 2022
NGINXは、オリジナルの開発者であるIgor Sysoev(イーゴリ・シソエフ)氏がロシアの首都モスクワに住んでいたことなどにより、ロシアの首都モスクワを中心に開発が行われていました。
しかしロシアのウクライナへの武力侵攻に反対する西側諸国による厳しい経済制裁下で、今後の開発体制がどうなっていくのか、その先行きが心配されていた5月に、F5によって開発チームがモスクワから移転されグローバル化したことが発表されています。
今回の3つの約束は、これを踏まえて今後さらなるNGINXの発展を開発チームがコミットするものといえます。3つの約束の要約を紹介しましょう。
Promise #1: Modernize Our Approach, Presence, and Community Management
(約束その1:アプローチ、プレゼンス、コミュニティマネジメントのモダナイズ)
- ソースコード管理をMercurialからGitHubへ移行する
- コミュニティとの対話を強化する
- SlackにNGINX Communityチャンネルを追加し、開発チームが常駐して質問に答える
Promise #2: Optimize Our Developer Experience
(約束その2:開発者体験の最適化)
- インストールやドキュメントを改善し、コミュニティフォーラムを充実させることで、開発者体験を刷新していく
- 無料のNGINX Open Source版によるSaaSを提供する
- DNSサービスディスカバリなど有償版の重要な機能をオープンソースに移植し無料化する
Promise #3: Extend the Power and Capabilities of NGINX
(約束その3:NGINXのパワーと能力の拡張)
- フルスタックのNGINXアプリケーションを提供したい
- 具体的には分散トレーシング、ロギング、オートスケーリング、セキュリティ、CI/CDフックなど一揃いのNGINX環境を開発していく
高速なWebサーバやプロキシは、Webアプリケーションの開発実行基盤として、あるいは分散アプリケーションの足回りとして、より広範囲で重要な役割を担おうとしています。
今回の3つの約束は、NGINXがそうした重要な役割を積極的に担うソフトウェアであり続けたいとする意志の表明ではないかと思われます。