SFC、GPL違反めぐる対VIZIO訴訟で大きな一歩
今回は「SFC、GPL違反めぐる対VIZIO訴訟で大きな一歩」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
オープンソースソフトウェアを推進し、フリーソフトウェアのGeneral Public License(GPL)を擁護する非営利団体Software Freedom Conservancy(SFC)は先頃、テレビメーカーVIZIOが「Linux」ベースの「SmartCast」OSでGPLを濫用したとして、同社を提訴した。VIZIOは、SFCにソースコードを要求する権利はないと反論した。しかし、SFCは先週、対VIZIO訴訟をカリフォルニア州オレンジカウンティの上級裁判所に差し戻すことを求める申し立てで勝利した。
大したことではないと思った人は、もう1度よく考えてほしい。米連邦地方裁判所のJosephine L. Staton判事による裁定で重要なのは、以下の部分だ。「『著作権(コピーライト)法によって提供される権利とは別の追加の契約上の約束』の(GPLv2による)強制は、『追加の要素』に相当するため、SFCの主張は無効にならない」
SFCのエグゼクティブディレクターKaren M. Sandler氏は、「今回の裁定は、コピーレフトライセンスの歴史における重大な転機となる瞬間だ。この裁定は、GPL契約が著作権ライセンスだけでなく、契約上の合意としても機能することを示している」と説明した。さらにSandler氏は、FOSS(フリーオープンソースソフトウェア)の法曹コミュニティーでも、GPLやそのほかのコピーレフトライセンスはコピーライトライセンスとしてのみ機能するという誤った主張をする者がいると述べている。今回の裁定は、GPLが契約としても機能することを明確に示している。
さらに、この裁定は、個々の消費者がGPLの第三者受益者としてソースコードに対する権利を有することを示す最初の事例でもある。
VIZIOのSmartCast OSには、VIZIOが開発者のコミュニティーから不当に流用したソフトウェアが含まれているというSFCの主張が認められた。VIZIOはSmartCast OSのファームウェアで、Linuxのソースコードと、「BusyBox」「U-Boot」「bash」「gawk」「tar」「Glibc」「FFmpeg」を含むそのほかのオープンソースソフトウェアを使用しているとSFCは主張していた。これらのプログラムはGPLv2、LGPLの下で保護されている。開発者だけでなく消費者もソフトウェアの修正版を改変、再配布するなどの権利を持つ。
Sandler氏は、「われわれは、コピーレフトコンプライアンスの下で責任を果たすようVIZIOに要求するよう裁判所に求めている」と述べている。この訴訟で、SFCは損害賠償金の支払いを求めていないが、VIZIOのテレビを購入するすべての消費者に提供できるよう、コピーレフトライセンスが求める技術情報へのアクセスをVIZIOに要求している。