データサイエンティストとエンジニア、役割のあり方–製薬大手ノバルティスのアプローチに学ぶ
今回は「データサイエンティストとエンジニア、役割のあり方–製薬大手ノバルティスのアプローチに学ぶ」についてご紹介します。
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調査によれば、多くの企業は、大量に供給されるデータを実用的な情報に変えることに苦戦しているにも関わらず、それに必要な人材を獲得できていない。
一般には、この問題を解決するにはデータサイエンティストを雇う必要があると考えられており、このポストの空きを埋められる人材に対する需要はうなぎ上りになっている。確かに、データサイエンティストを名乗る人々を雇うこともこの問題を解決する1つの方法ではあるが、こうした役割が分かりにくく、数が少ない人材の獲得競争に加わる以外の解決策にたどり着く企業もある。
IT業界を専門とする調査会社であるForrester Researchは、多くの企業がデータサイエンス人材の獲得に大きなリソースを割いているが、データサイエンティストがデータから価値を生み出すのに必要な、エンジニアリング面への投資がおろそかになっている場合があると5年前に警告している。実際、一部の企業は、このアンバランスを解消するための取り組みを始めているようだ。
大手ライフサイエンス企業であるNovartisのデジタルデリバリー担当グローバル責任者を務めるLoic Giraud氏は、少し前までは人材獲得競争が大きな問題だったと認めている。しかし今では、その問題は小さくなっているという。
「私は、今の状態は過熱しすぎだと思う」と同氏は言う。「2年前は、データサイエンティストを雇用するのが非常に難しかった」
Giraud氏は、Novartisには約2000人のデータサイエンティストがいるが、今や人材獲得のための戦いは別の領域に移っており、これにはデータエンジニアリング人材の獲得や、ビジネスアナリストの能力向上などが含まれていると述べている。同氏はまた、ほかの企業もいずれ同様の結論に至るだろうと予想している。
「私は、これ以上データサイエンティストに対する需要が増えるとは考えていない。今後は、ビジネスアナリストがデータサイエンスを行えるようにするための、使いやすい技術が増えるだろう」と同氏は言う。
「実際、わが社でさえ、これ以上データサイエンティストを増やそうとはしていない。私たちは、多くの人が使えて、広くビジネスアナリストでもデータサイエンスができるようなソフトウェアソリューションを構築しようとしている」
Novartisは、社内のビジネスアナリストが自社のデータを最大限に活用できるようにするために、フルスタックのエンジニアリングを担える人材の獲得に力を入れている。
データサイエンティストがモデルを作って問題を解決するスキルを持っている一方で、データエンジニアはデータ源とデータアナリティクスの間に必要なインフラを構築して管理する能力を持っている。そのどちらも重要なのだが、データサイエンスに重点を置きすぎて、データエンジニアリングがおろそかになっているケースが多いことを示す証拠が増えている。