日本の開発者とデジタルネイティブな世界を作る–マイクロソフト吉田社長らが講演

今回は「日本の開発者とデジタルネイティブな世界を作る–マイクロソフト吉田社長らが講演」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本マイクロソフトは5月25日、グローバルで開催している年次の開発者会議「Microsoft Build 2022」に合わせて、日本語による特設ページ「Microsoft Build Japanスポットライト」を開設した。独自コンテンツとして日本語による47セッションを用意し、国内開発者に向けて発信している。

 これは12回目を迎えた同イベントの新たな取り組みの一つで、グローバルのコンテンツに加えて、各国に合わせたコンテンツを提供、開催期間(日本時間5月25~26日)と連動する。夜間はグローバル共通で最新のテクノロジーや製品情報、昼間は国内開発者向けの基調講演、最先端の技術トレンドや注目すべきイノベーション、最新ソリューションに関するブレイクアウトセッションなどを用意した。25日は、独自企画として代表取締役社長の吉田仁志氏と執行役員常務 クラウド&ソリューション事業本部長の手島主税氏が、「Revitalize Japan – 技術革新とコラボレーションの未来を共に創り上げる為に」と題し、基調講演を行った。

 講演の冒頭で吉田氏は、デジタルトランスフォーメーション(DX)が業務のデジタル化による効率化や生産性の向上だけでなく、企業やビジネスモデルそのものを変えることを意味すると説明した。政府によると、DXに取り組む日本企業はわずか13%に過ぎず、「日本のDXは待ったなしであり、日本マイクロソフトは『Revitalize Japan』を掲げ、日本社会の再活性化を最優先にしている。DXの具現化に欠かせないのは、各産業の現場に根ざし、活躍している開発者および市民開発者の力」などと述べた。

 吉田氏が、特に時間を割いたのがメタバースだ。メタバースを「物理世界とVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(混合現実)による仮想世界を融合したイマーシブ(没入感)なインターネット」と定義した。さらに、「目的に応じてコンシューマー、オフィス空間、産業特化型という3つの分類される」とし、「メタバースはDXを実現するアプローチとして注目を集めている動き」とも述べた。

 コンシューマー領域では、「Microsoft Flight Simulator 2020」を例に挙げた。航空機パイロットの視線で没入感のあるフライト体験ができることを紹介し、オフィス空間ではインフォメーションワーカー向けとして発表した「Microsoft Mesh for Teams」を使用することで、仮想空間のフロアに社員同士が身振り、手振りを用いてコミュニケーションを行えるとした。

 産業特化型では、MRとデジタルツイン(現実世界の状況をサイバー空間に再現し、サイバー空間での試行成果などを現実世界に反映する概念)を駆使することで、メタバースを実現でき、日本では既に多くの企業と産業特化型メタバースの取り組みを開始しているとした。川崎重工業では「Azure IoT」や「Azure Percept」を活用した産業用ロボットの予兆保全、「Azure Digital Twin」と「HoloLens 2」で構築したデジタルツインによる産業ロボットの危険状態を確認する仕組みを実現する。「Dynamics 365」と「Microsoft Mesh」を活用することで、遠隔地からも産業用ロボットの状態を確認できる仕組みを実現しようとしている。川崎重工業の事例は、グローバルの基調講演でも時間を割いて取り上げられた。

 また、ニコンクリエイツとの協業で2022年秋を目標に、日本初となるボリュメトリック映像制作スタジオ「Microsoft Mixed Reality Capture Studios」を東京・平和島に開設することを発表した。これはコンシューマー向けおよびオフィス空間でのメタバースの利用を促進することが期待される。

 吉田氏は、こうした新たな取り組みを紹介した上で、「マイクロソフトは創業時の開発言語『Microsoft Basic』を提供し始めた時から現在に至るまで開発者を大切にしてきた。日本を変えるのは開発者一人ひとりの熱意と行動にかかっている。マイクロソフトとともに、日本の未来をビルドしてほしい」と視聴者に呼び掛けた。

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