横河電機とドコモが5Gやクラウド、AIを活用した遠隔制御に成功

今回は「横河電機とドコモが5Gやクラウド、AIを活用した遠隔制御に成功」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 横河電機とNTTドコモは、自律制御の人工知能(AI)アルゴリズム「Factorial Kernel Dynamic Policy Programming(FKDPP)」をクラウド上に置き、これを使用してドコモの5G通信網を介して生産プラントを模したシステムのリモート制御を行う共同実証実験を行った。その結果、遠隔操作における5Gの実用化で有効性を確認した発表した。

 この実証で横河電機は、クラウド上の自律制御AIが三段水槽をリモート制御するデモ環境の構築や4Gと5Gの通信性能の比較、通信遅延によるリモート制御への影響の評価を担当。ドコモは4Gと5Gの通信環境の提供や制御における通信環境の検証・最適化を担当した。

 実証実験では、クラウドにFKDPPを搭載し、制御を検証するための装置である「三段水槽」を5G経由制御できるか検証した。目標水位を決めて低速から高速の制御周期(どのくらいの頻度で制御を実行するか)での実験を行い、通信遅延がFKDPPによる制御に与える影響を調査した。

 結論として、特に高速の制御において5Gは4Gと比較して、(1)通信遅延が小さいこと、(2)目標水位に対しオーバーシュートが小さいこと、(3)0.2秒程度までの制御周期に対応し得ること――が確認された。これは、5Gがより良い制御を実現し、品質の安定や省エネルギーに寄与することを示しているという。

 FKDPPは、強化学習技術を使ったAIアルゴリズムで、横河電機と奈良先端科学技術大学院大学が共同開発した。「品質と省エネの両立」のように相互干渉する目標など、既存の制御手法(PID制御・APC)では自動化できなかったものを含め、制御全般に適用できる利点がある。2022年2月に、実際の化学プラントで既存の制御技術が適用できず手動制御せざるを得ない箇所を世界で初めて35日間連続で制御することに成功させた。

 日常生活に欠かせない資源、素材、産業材料などの精製・精錬を行うプロセス産業のプラントにおいて、これらが自律的な調整能力や制御能力を持つことは極めて大きなメリットが期待できる。例えば、既存設備に高速無線通信に対応したエッジ端末を設置し、クラウド上の自律制御AIが装置の状況や変化を把握しながら制御を行うことは、自律的かつ場所の制約にとらわれないリモート操業を実現する一つの方法となっている。

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