シスコ日本法人社長が語った「パートナー施策」での意気込みとは
今回は「シスコ日本法人社長が語った「パートナー施策」での意気込みとは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、シスコシステムズ 代表執行役員社長の中川いち朗氏と、PwCあらた有限責任監査法人 サステナビリティ・アドバイザリー部長 パートナーの田原英俊氏の発言を紹介する。
シスコシステムズ(以下、シスコ)は先頃、新たなパートナー制度「エコシステム パートナープログラム」を国内で展開することを発表した。中川氏の発言はオンラインでのその発表会見で、パートナー企業との協業についてはCiscoグローバルでも日本が先行していることから、新たな制度も日本が世界をリードしていくつもりで臨みたいとの意気込みを示したものである。
シスコは2021年、インテグレーター、プロバイダー、ディベロッパー、アドバイザーの4つのロールで構成された新たなパートナー制度を立ち上げた。今回発表のエコシステム パートナープログラムは、Ciscoグローバルで展開するディベロッパー向けのプログラムを日本の市場やインテグレーター、ディベロッパーに適した形で情報発信の仕方などを強化した戦略的なパートナーシッププログラムだとしている。
会見の内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは中川氏の発言に注目したい。
同氏は会見で初めに、シスコが現在推進している3カ年成長戦略(2021〜2023年)について説明した。図1がその内容で、「シスコのテクノロジーが作り出すクラウド時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)レディーなプラットフォーム」の上に4つの戦略が記されている。
同氏の説明によると、1つ目の「日本企業のデジタル変革」は、働き方改革をはじめ、業種に特化したユースケース開発などによる日本企業のDXの支援。2つ目の「日本社会のデジタル変革」は、企業のみならず、教育、医療、政府機関など日本社会の基盤におけるデジタル化の支援。3つ目の「クラウド時代のサービスモデル変革」は、自らのビジネスモデルをお客さまの製品利用のライフサイクルに合わせた形のサービスモデルに変革すること。4つ目の「パートナー様との価値共創」は、パートナー企業との戦略的アライアンスを一層推進することを指す。今回の発表は、この4つ目の戦略の強化策となる。
ちなみに、今回の発表で筆者が最も注目したのは、図2に示した「エコシステム パートナーポータル」だ。なぜ、注目したかといえば、ユーザーがDXを進める上で必要な「シスコのテクノロジーと連携したパートナーのソリューション」を、このポータルを通じて探すことができるからだ。
パートナープログラムというと、これまではシスコのようなベンダーとパートナーの連携に関する内容が中心だったが、DXにおける「共創」はユーザーを含めた三位一体で推進する必要がある。したがって、これからのパートナープログラムは、ユーザーから見て役に立つものなのかという視点が不可欠だというのが、筆者の見立てだ。その点、今回の新たなポータルは理にかなっている。
今回の発表会見でもう1つ注目したのは、社長が登場したことだ。シスコのパートナー施策に関する会見で社長が登場したのは、筆者の記憶では初めてのことだ。先に述べたように、3カ年の成長戦略の1つでもあることから、同社としての注力ぶりがうかがえた。新たな取り組みの今後の動きに注目していきたい。