業務の自動化とデジタル化、その関係と本質的な意味

今回は「業務の自動化とデジタル化、その関係と本質的な意味」についてご紹介します。

関連ワード (DXと業務プロセス自動化の本質、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 業務プロセスとデータをリアルタイムに可視化できるということは、ビジネスにおける健全性を示す一つの指標でもある。

 新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年に緊急事態宣言が発令され、出社がままならない状態に突然陥った時のことは記憶に新しいが、その時点でビジネスがどのような状態であるかを把握できていた経営者はそれほど多くなかったのではないだろうか。

 旧来の方法では、業務フローの中で扱われているデータが完了地点に至るまでに、何がどのようになっているのか、その全体像を把握することはできていなかったのだ。そのために数人が出社して業務の運営に当たり、必要最小限の状態まで処理をして、まとめられた報告を待つことしかできなかった経営者も多かったのではないか。

 また、別の例としては、急に特定の地域との取り引きの停止を余儀なくされた方もおられるだろう。その時点で、関連する取り引きを正確に把握し、停止させるための費用と時間、自社のビジネスに与えるインパクトを把握するために時間を要した企業もあるのではないか。

 リアルタイムに業務プロセスやデータを把握することで、こういった突発的な事態に陥ったとしても最小限の時間で状況を把握し、可能な打ち手には何があるか、そのためにはどのような対策を打てば良いのかをシステム上でシミュレーションできるようになる。

 こういったシミュレーションは「デジタルツイン」とも呼ばれ、ものづくりの工業的な劣化故障の検知から自治体の防災計画の策定にまで幅広く応用されるようになってきている。今までのように、時間をかけて処理していたことが、最初にデジタル技術を駆使して試行錯誤し、ある程度の知見を得てから、実際に作業できるようになっているのだ。

 デジタルツインのアプローチを業務フローの現場に導入するためには、まず今のビジネスがどのようになっているのかを常に把握できる状態になっていなければならない。その上で、各種部品を組み替えてより効率的な作業フローの改善策を検討したり、危機的状況に陥った場合を試算したりして、万一に備えることが可能になる。

 業務情報と処理工程をデジタル空間内で完結するためには、それぞれの情報がデジタル化され、滞りなく業務フローが運営されるように整備しておかなければならない。

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