第38回:「ひとり情シス列伝」を書いた理由
今回は「第38回:「ひとり情シス列伝」を書いた理由」についてご紹介します。
関連ワード (「ひとり情シス」の本当のところ、運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
昨今、コロナ禍に対応したテレワーク環境の構築や事業継続計画(BCP)のためのデータ保護/バックアップなど、ひとり情シスの役割が拡大しています。ひとり情シス協会が実施した「中堅企業IT投資動向調査2022年」「ひとり情シス実態調査」では、専任の情シスがいない企業の27%が新たにひとり情シスを任命したという結果が出ています。
中堅中小企業でIT化・デジタル化を強化する傾向が顕著になっており、特に2022年4月の人事異動で新任のひとり情シスが多く誕生しています。ひとり情シスを脱して複数人体制になるケースも増えていますが、採用を計画しても思うように人を確保できない企業もあるようです。
望むか望まないかに関わらず、ひとり情シスになったからには、他の人たちがどのように仕事を進めているのか参考にしたいと思うでしょう。しかし、ひとり情シスの実情はなかなか表に出てきません。ひとり情シス歴の長いベテランたちであっても、他社の状況は意外と知らないもので、話を聞きたいという声を耳にします。
そこで、ひとり情シス協会では、さまざまな経歴を持つひとり情シス経験者10人に直接取材し、直面した課題やその解決策などを伝記にまとめることにしました。ご協力いただいた方々には、ひとり情シスとして悩んでいる時に「こんな情報があればよかったのに」という観点で振り返ってもらいました。2022年2月に同人誌として「ひとり情シス列伝」を出版し、無償配布を開始しました。
ひとり情シス列伝では、10人のひとり情シス経験者について、ひとり情シスに至った経緯、直面した問題、成功・失敗体験など48の経験談をまとめています。さらに、現在、ひとり情シスとして悩んでいる方に向けて79のアドバイスを加えた、280ページの書籍となっています。
アドバイスのテーマとしては、次のように、ひとり情シスが避けて通れない課題に対して、実体験をもとに助言しています。
ひとり情シスにさまざまなタイプがあるのと同じように、各人の個性や人柄によって課題に対して取り組むアクションも異なります。10人のひとり情シスの生い立ちや考え方などパーソナルな部分も含めることで、より立体的に描いています。
「ナラティブアプローチ」とは、相談相手などを支援する際に、相手の語る「物語(narrative)」を通して解決法を見出していくアプローチ方法です。そして相手から自身へ「物語の主人公を変更」して問題との関わり方を考えていきます。10人の境遇に合わせて自身の取るべき行動を投影することで、今後の不測の事態に対応する準備になることと思います。
また、ITベンダーに勤務する方がキャリアチェンジでひとり情シスに転職されることも昨今とても多くなっています。ひとり情シス列伝で紹介している10人のうち7人はITベンダー出身です。中堅中小企業のIT人材不足を考えると、とても重要なことです。「ひとり情シス列伝」を見ていただくと、どういった環境か分かると思いますので、関心がありましたらぜひご一読をお願いします。