AIは不動産業界の平等化を促進する決定打になるのか
今回は「AIは不動産業界の平等化を促進する決定打になるのか」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Amazon Alexa」にお気に入りの曲を再生するよう指示する場合にせよ、顔認証でスマートフォンのロックを解除する場合にせよ、人工知能(AI)のおかげで日々の生活が楽になってきている。また、多くの業界がデジタル変革を推し進めている中、AIはさまざまな業界における企業運営を最適化し続けている。こうした状況は不動産業界でも同じだ。例を挙げると米不動産会社Anywhere Real Estateは、AIテクノロジーを活用して自宅所有者の多様化を促進している。
構造的な差別や偏見といった人種格差により何年にもわたって、米国での有色人種の自宅所有能力に影響が及んでいる。Urban Planetが米国の国勢調査であるAmerican Community Survey(ACS)の2019年データに基づいて実施した研究によると、白人の持ち家比率は黒人のそれよりも30ポイント高く、米国における他のいかなる人種よりも高いという。
業界において「CENTURY 21」や「Coldwell Banker」「Sotheby’s International Realty」といったメジャーなブランドを有しているAnywhereは、顧客とのつながりを強化するとともに、偏見を排除し、自宅所有者の多様化を促進するために自社のビジネスモデルにAIを取り入れる方法を見いだした。
Anywhereのテクノロジー担当シニアバイスプレジデントであるDamian Ng氏は米ZDNetに対し、「意志決定に偏見をもたらす可能性のあるデータに目を向けることが肝要だ。例を挙げると、文書の送信に使われているモバイル機器の機種をデータポイントとして用いることで、人種と社会的地位に関する意図せぬ相関関係を見つけだす可能性がある。これにより、機械による意志決定プロセスを通じて自宅所有者の多様化を促進できるようになるはずだ」と述べている。
AIを活用したデータ収集により、有色人種の人々の不動産売買方法にマイナスの影響を与える、何らかの表に出てこないパターンが発見されるかもしれない。Ng氏によると例えば、一部の不動産売買業者/仲介業者において、特定地域の業績が他の地域に比べて伸びていないとAIが見いだすことで、その地域に対する意図的な偏見があるかどうかを調査するきっかけになる場合があるかもしれないという。
全米経済研究所の調査によると、マイノリティーの被験者らは白人の被験者に比べると、購入物件を探す場合に学校のレベルが低く、暴行事件の発生率や環境汚染度の高い地域の物件を紹介される傾向が高かったという。