日本ハムら、豚の発情検知サービスを提供–判定作業が約8割減
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日本ハムとNTTデータグループは10月12日から、豚の発情検知サービス「PIG LABO(ピッグラボ) Breeding Master」のテスト販売を行い、参画農場を募集する。日本ハム、NTTデータ、NTTデータSBCが10月5日に発表した。
PIG LABOは、母豚に種付けする適正な時期を意味する「発情」を人工知能(AI)で検知する。これにより、熟練した飼育作業員が長時間観察する必要があった発情判定を高精度かつ効率的に行うことが可能となり、高い生産レベルの維持が期待される。同サービスの実証試験では受胎率が1.4%改善し、熟練した飼育作業員の受胎率を上回ったという。さらに、人による判定作業が79%削減されるなど、労務削減効果も確認されている。
PIG LABOは、専用のカメラを豚舎に複数設置することで利用可能。母豚一頭ごとの毎日の発情確率は、PCやタブレットなど、利用者が指定した端末から確認できる。今回のテスト販売を通して両社は、同サービスの実効性の確認や本格販売に向けた改善を行い、2023年度の本販売を目指すとともに、新たな機能を順次開発する。
テスト販売では、養豚農場における同システムの有効性を確認するほか、改善点の抽出と運用ノウハウを蓄積する。テスト期間は1~1年半程度で、参画農場は期間終了後も継続して利用できる。
各社の役割は、日本ハムがPIG LABOの運営・販売、NTTデータがIoT機器の提供、動画/センサーデータの収集・取り込み、豚の発情を学習・判定するAIモデルの構築、AIやIoT技術の提供、NTTデータSBCが現場環境に適したエッジデバイスの検討とネットワークインフラの設計、動画/センサーデータを収集するシステムの方式検討・開発を行う。
世界人口の増加に伴い、食肉全体の需要は増加傾向にあるが、国内では豚肉消費の約半分を輸入に頼っている。国内の畜産農家数は1980年以降減少し続けているほか、養豚経営が中小規模から大規模へ移り変わって一戸あたりの飼養頭数が増加する中、熟練した技術と経験を持つ養豚従事者の高齢化や飼育技術の継承が課題となっている。
ニッポンハムグループとNTTデータグループは2018年から、AIやIoTを活用した「スマート養豚プロジェクト」の一環として、母豚の繁殖から小豚の育成、出荷までの全ステージにおける飼育作業を支援するシステム「PIG LABO」の開発を進めており、2029年までの実現を目指している。今回テスト販売するPIG LABO Breeding Masterは同システムの第一弾で、母豚の繁殖を対象とした発情検知機能を提供する。こうした取り組みにより両グループは、養豚生産における労働環境の改善や生産性の向上・安定化を目指しているという。