第20回:2030年以降も生き残るIT部門・リーダーの姿とは? 先進テクノロジーとの正しい付き合い方–その2

今回は「第20回:2030年以降も生き残るIT部門・リーダーの姿とは? 先進テクノロジーとの正しい付き合い方–その2」についてご紹介します。

関連ワード (ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載は、元ソニーの最高情報責任者(CIO)で現在はガートナージャパンのエグゼクティブ プログラム シニアアドバイザー エグゼクティブパートナーを務める長谷島眞時氏が、ガートナーに在籍するアナリストとの対談を通じて日本企業のITの現状と将来への展望を解き明かしていく。

 現在、大きな変化の時を迎えているテクノロジー。社会や生活者・消費者のライフスタイル、企業のビジネスを含む全てのものを大きく変えようとしている。これから2030年に向け、テクノロジーの進化とともに世の中はどのように変容するのだろうか。今後、CIO(最高情報責任者)やITリーダーに求められるテクノロジーとの正しい付き合い方、新たな時代に獲得すべきマインドセットなどについて、亦賀忠明氏に尋ねた(全3回の2回目。前回はこちら)。

亦賀:私は、最近の講演では、昨今の変化は、「江戸時代からNew Worldへ」くらいの劇的な変化であり、全ての企業はこのような大きな時代の変化に対応する必要がある、とお伝えしています。

 昨今起こるさまざまな事象のほとんどが、この時代変化によるものと考えられます。すなわち、今は江戸末期か明治初期のような時代であると見ています。そう捉えると、なぜ想像を大きく超えた事件や事故のようなさまざまなことが起こるのか合点がいくのではないでしょうか。このような視点で捉えた場合、テクノロジーの進化への対応とは、産業革命への対応のように相当に大きなテーマになります。

長谷島:今起こっているテクノロジーの進化を産業革命と同等あるいはそれ以上の変化点と捉えるところから全てが始まる、いうことですね。その上で、それをビジネスや社会課題の解決にどう戦略的に活用するのかといった議論が成り立つわけですが、残念ながらそういうレベルにはまだ到達していない。まずはそこから変えなければいけないというのが、亦賀さんのポイントですね。

亦賀:その通りです。まず、江戸と明治の2つの時代に間にある変化は、決して江戸時代からのリニアに連続した変化ではないと考えます。明治維新によって、New Worldと呼べる別世界に入ったわけです。同様に、昭和・平成から令和へと時代が移る中でも不連続な変化が起きていることをまず認識する必要があると考えています。

長谷島:現状をどう捉えるか考える際、「不連続な変化点に私たちがいる」ということをまず認識する必要がありますね。今までの延長線上に将来は想定できないということを前提に、具体的にどう行動するかを考えることが求められています。

亦賀:おっしゃる通りです。まずは起きている現象を素直に見る、認めることです。江戸時代に黒船を見た人々は、「すごい」と思った人と「大したことない」と思った人に分かれました。黒船をめずらしいものとして捉え、見物人も相当いたようです。

長谷島:黒船のどこを見るかですね。

亦賀:はい、当初はいろいろな見方があったにせよ、結局、黒船来航のインパクトから発展し、諸外国との違いを実際に目の当たりにした江戸の末期から明治初期にかけて、幕府・政府は、学ぶべき点を学び、取り入れるべき点を取り入れて時代の変化に対応したわけです。それでようやく世界に伍する国にしていこうというのが当時の機運だったんでしょうね。

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