ServiceNowが考えるハイパーオートメーション–人を中心として課題を解決
今回は「ServiceNowが考えるハイパーオートメーション–人を中心として課題を解決」についてご紹介します。
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ServiceNowの日本法人ServiceNow Japanは、「ハイパーオートメーションがもたらす未来」と題して記者説明会を開催し、同社が推進するハイパーオートメーションについて説明した。
激変するマクロ経済環境下で企業は複雑化したビジネス課題に直面しており、それら課題には「ハイブリッドワーク時代における優れた人材の発掘、雇用、維持」「インフレによるコスト上昇、コロナ禍・地政学的リスク拡大によるサプライチェーンの混乱などに対処する柔軟性と強靭(きょうじん)性の確保」「コンプライアンスや規制対応など、頻繁な見直しや複雑性の増大に対する速やかな対応」があるとServiceNowでグローバル エリア バイス プレジデント Creator Workflows ソリューション コンサルティングを務めるGregg Aldana氏は述べた。
これらの課題解決で鍵となるのはエクスペリエンスであり、企業にとって成長の鍵でもあると同氏。このエクスペリエンスに関連するものとして「従業員エクスペリエンス」「顧客エクスペリエンス」、テクノロジーのさらなる活用により堅牢なデジタルバックボーンの構築を可能にする「テクノロジーエクセレンス」、事業運営を高度化・効率化する「オペレーションエクセレンス」を挙げ、最も重要なのは「ハイパーオートメーションとローコード開発」だと続けた。
その一方で自動化を進めるのは容易ではなく、その背景にはプロジェクト数の多さと社内リソースの不足がある。そこで、ServiceNowでは、自動化を促進させるため、開発者に限らずより多くの従業員がアプリを開発できるようにするローコードアプリ開発環境を「Creator」ワークフローにより提供しているという。
企業は自動化にこれまで投資してきたが、これまでの自動化アプローチはツールが中心で、業務プロセス管理(BPM)、ロボティックプロセスオートーション(RPA)、プロセスマイニングといった個別に自動化された「島」を作り出したとAldana氏。
これに対してServiceNowは、人を中心としたハイパーオートメーションを実現するという。同社が提供する「Now Platform」は、ローコード開発における複雑性を排除し、必要とされるガバナンスを確保しながらもあらゆるユーザーがローコードによる自動化の恩恵を享受できるようにする。ビジネス部門とIT部門の共同開発を想定した設計によりバックログを解消し、イノベーションの促進にも寄与する。さらに、人、プロセス、テクノロジーがつながるアプリ基盤によりサイロ化を防ぎ、市場環境の変化にも素早く適用可能とする。
人を中心とするアプローチは、自動化における従来の課題を解決するとAldana氏。ローコードアプリ開発やパッケージワークフローなどの「構築とデジタル化」、システム連携、RPA、予測分析、自然言語処理といった「自動化と人工知能(AI)の活用」、自動化分析とガバナンス、継続的改善によるプロセスの「最適化」、プロセスマイニングやディスカバリーツールによる自動化と効率化の新たな機会の「発見」を可能にし、ハイパーオートメーションのライフサイクルを単一プラットフォーム上に実現するという。
ハイパーオートメーションについて、ServiceNow Japanのソリューションセールス統括本部プラットフォーム事業本部で事業本部長を務める加藤確氏は、AIの活用やビジネスプロセスの最適化により、デジタライゼーションをより高度に進めたものとの考えを示した。企業がデジタル推進する場合、第1段階が媒体の電子化をする「デジタイゼーション」、第2段階がプロセスを電子化する「デジタライゼーション」、そして第3段階として付加価値・競争力を獲得する「デジタルトランスフォーメーション」と進むことになる。
ServiceNowが目指すハイパーオートメーションは、「あらゆるシステムがつながり、それを元に自動化が実現され、さらには自動化プロセスから得られた情報の蓄積を基に、より高度な自動化を実現すべく、プロセス自身が進化し続けることを可能とする」とServiceNow Japanのソリューションセールス統括本部プラットフォーム事業本部でシニア・ソリューション・コンサルタントを務める金井盛隆氏は説明する。
そのために必要となる要素として、「幅広いニーズに対応可能なワークフロー機能」「柔軟な実装のためのローコード・ノーコード開発ツール」「柔軟なシステム連携を可能とする機能(APIやRPAによるもの)」「さらに高度な自動化を実現するためのAIやプロセスマイニング機能」を挙げる。
先日発表になったNow Platformの最新版「Tokyo」リリースは、ローコード開発とハイパーオートメーションに関連する新機能として、市民開発系とAI系の機能強化があるという。
市民開発系では、ローコード開発環境である「App Engine Studio」やローコード開発を集中管理する「App Engine Management Center」の機能強化を含む。AI系では、AI Search機能、仮想エージェント機能、Process Optimization機能の強化がある。
App Engine Studioでは、「データモデル、入力画面、業務プロセスをシームレスに切り替え(Table Builder)」「ダッシュボードのインライン編集」「アプリケーションテンプレート共有機能」「業務プロセス(読取専用)共有機能」「数式ビルダー(Formula Builder)」といった新機能が備わっている。
App Engine Management Centerでは、「アプリ開発ライフサイクルのイベントと開発者の活動を1つのダッシュボードで追跡可能」「開発からデプロイ、本番稼動までのアプリ開発ライフサイクル全体におけるアプリの状態を把握し、ボトルネックを特定」「適切な開発者が適切なアクセス権を持つようにすることで、コンプライアンスを強化」といったことが可能になっている。
これらにより市民開発の大規模展開がより簡単になると金井氏は強調した。