世界スマートフォン出荷台数の減少続く–前年同期比で増加はアップルのみ
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スマートフォン出荷台数は5四半期連続で減少しており、2022年末にかけて状況はさらに悪化すると、専門家らは予測している。
2022年第3四半期の世界スマートフォン出荷台数は、前年同期比9.7%減少して3億200万台弱まで落ち込んだ。International Data Corporation(IDC)の最新報告書によると、メーカーが在庫を減らそうとして意図的に出荷台数を減らしたことも1つの要因だが、新興市場でインフレと価格高騰により需要が低下したことが最大の要因だという。
スマートフォンメーカーのうち、同四半期に前年同期比で出荷台数を伸ばしたのはAppleだけだった。そのことは、同社の好調な第4四半期決算にも表れていた。しかし、インフレに見舞われている経済情勢により、中国など複数の市場でAppleの成長は鈍化している。サムスンや小米科技(シャオミ)など、他のスマートフォンメーカーの業績はそれ以上に打撃を受けたが、最も影響を受けたのは、中国メーカーであるVivoやOPPOである。しかも状況は、回復する前にさらに悪化すると予想されている。
「出荷台数は、2022年にさらに急激に減少し、2023年に緩やかに回復すると、われわれは現時点で予想している」と、IDCのリサーチディレクターNabila Popal氏はプレスリリースで述べた。同社は、回復期は訪れると考えているものの、「2022年内はさらに減少する見込み」とした。
出荷台数は減少したが、メーカーシェアの順位に変更はなかった。サムスンは首位を維持し、出荷台数は6400万台で、前年同期から500万台以上減少した。第2位はApple、第3位はシャオミで、VivoとOPPOが同率で第4位だった。
Counterpoint Researchの四半期報告書も、内容はIDCとほぼ同様だったが、出荷台数の前年比減少率は12%だったとしている。Counterpoint Researchはその最新報告書の中で、地政学的な問題に起因する消費者の不安、自国通貨の減価、迫り来る景気後退に対する懸念を、出荷台数減少の理由として挙げた。
同社は、端末の耐久性が高まり、技術的進歩が鈍化したことで、消費者がスマートフォンを買い替えずに長く使うようになったことも、出荷台数が減少した理由だとしている。「これに伴い、上位端末は経済情勢に左右されにくくなる一方で、中位から低位のスマートフォン出荷台数は減少つつある」と、Counterpoint ResearchのシニアアナリストHarmeet Singh Walia氏はプレスリリースで述べた。