アライドテレシス、帯域オートスケールに対応したSASEサービスを発表
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アライドテレシスは11月8日、ネットワークの通信量や時間に応じて動的に帯域を変動させる帯域オートスケールに対応したセキュアアクセスサービスエッジ(SASE)サービス「Allied SecureWAN」の提供を2023年1月に開始すると発表した。
取締役 サポート&サービス事業本部 本部長の福川原朋広氏は記者会見で、Allied SecureWANについて「ネットワーク機能とセキュリティ機能を統合したSASEサービス」と紹介。「セキュリティをクラウド上で包括制御・管理し、拠点ならびにモバイル端末からのセキュアなアクセスを実現」するとした。
Allied SecureWANは、クラウド基盤やアクセス回線/SD-WANルーターを標準で提供するオールインワンサービスで、帯域オートスケールによって利用帯域に応じたコスト最適化プランも提供予定。トラフィック量に応じて契約帯域を伸縮させることで、コスト削減を可能にする。
同社ではWAN関連サービスとして既に「アライド光」と「クラウド型統合脅威管理(UTM)」を提供しており、Allied SecureWANはこの両者の特徴を兼ね備えたサービスとして追加されるという。
福川原氏はサービス提供の背景として、「サイバー攻撃脅威被害の増加」「テレワークの急激な普及」「クラウドシフト」の3点を挙げ、ユーザー企業はこうした環境変化に対して「変わらざるを得ない/対応せざるを得ない」状況だと指摘した。また、こうした環境変化に対する対応策の一つとして近年、ゼロトラストアーキテクチャーが注目を集めているが、これは「あくまでも概念であり、具体的なガイドラインはないためどう進めていけばいいのか分からないというユーザー企業が少なくない」という。
そこで同社ではゼロトラスト導入のガイドラインとして「組織的対策(エリア0)」と「技術的対策(エリア1~4)」に分類整理し、これに基づいてユーザー企業に対するコンサルティングなどを提供すると同時に、この技術的対策の部分をまとめたSASEサービスとして提供することとしたのがAllied SecureWANになる。
さらに同氏は、テレワークの普及やクラウドシフトが急速に進んだことで「トラフィックの流れが変化」したことも指摘した。従来は本社/支店などの拠点からIP-VPNでデータセンターに接続し、データセンター経由でインターネットやクラウドサービスにアクセスする形が一般的だったが、現在はテレワークユーザーがモバイル端末からクラウドサービスに直接接続するトラフィックが急増しており、逆に企業の拠点からIP-VPN経由でデータセンターに向かうトラフィックが減少した結果、IP-VPN接続のために高価な閉域網接続を確保する意義が薄れ、コストが無駄になっているという。
そこで、SASEやクラウド型UTMを利用してモバイル端末からのセキュアなアクセスを実現し、同時に従来IP-VPN用に確保していた専用線などの閉域網接続を廃止することで回線コストの低減が実現できるとする。
Allied SecureWANでは、「ネットワーク機能」「セキュリティ機能」「運用機能」をオールインワンで提供する。また、帯域オートスケールにも対応予定となっている。現時点ではまだ正式リリースに向けた準備中とのことで詳細は固まっていないというが、基本的な考え方としては、あらかじめ契約した帯域を超えるピークトラフィック発生時に一段階上の帯域が使えるようにする一方、夜間の業務時間外などのトラフィックが減少する時間には帯域を下げることで、契約帯域の変更なしにピークトラフィックに対応できるようにすることを考えているという。
価格は、「基本料金」「拠点料金」「モバイル料金(端末数に依存)」の3種類の料金の合計として算出される。なお、モバイル料金はエンドポイントセキュリティ機能や端末管理機能を使用する場合に発生するが、VPN機能を利用したリモート接続のみの場合は無償だという。モデル費用として、500Mbpsの帯域を10拠点で利用し、モバイル料金なしの場合で月額61万円という例が示されている。
回線コストの削減に関しては、同社が自ら実践した例も紹介され、従来3000万円を要していた回線コストを1000万に削減できたという。