スタートアップとの連携でイノベーションを取り込むPepsiCoの戦略
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多数の従業員を抱える大企業には、社内に優れたプロフェッショナルがいるが、そうした大企業の経営者でさえ、小さな企業には独創的なアイデアを生み出す可能性があることを認識している。
経験豊富な経営者であるDavid Schwartz氏が働いているPepsiCoも、そうした企業の1つだ。Schwartz氏は、食品・飲料の製造販売を手掛ける大手企業PepsiCoが、同社の外側に存在する、世界中の革新的な中小企業の人材を活用できるよう支援している。
Schwartz氏は、社内に設置された専門家チームであるPepsiCo Labsのバイスプレジデントを務めている。チームの役割は、技術的なイノベーションを同社に取り込むことだ。
PepsiCoには世界に約30万人の従業員がいるが、同氏は、どのような企業であっても、社内だけであらゆる最高のアイデアを生み出すことは不可能だと考えている。
コンサルティング企業のMcKinseyは、大企業とスタートアップがパートナーシップを結ぶのは理にかなっていると述べている。スタートアップは大企業が持つ資金やリソース、顧客へのアクセスから恩恵を受けられる一方、大企業は競合他社やディスラプターに先んじるためにイノベーションを必要としているからだ。
Schwartz氏は、世界中の小規模な企業と協力することで、PepsiCo社内にあるさまざまな能力を社外のイノベーションをもって強化し、競争上の優位性を得ることができると言う。
PepsiCo Labsは、ブレークスルー技術を持つスタートアップを探し出して協業し、機械学習や人工知能(AI)のほか、バイオ技術に基づく熱可塑性プラスチックなど、ビジネスの重要課題を解決するデジタルソリューションを生み出している。
同氏は、米ZDNetの取材に対して、「PepsiCoは非常に優れた人材を抱えている。しかし私たちは、ディープテックの一部の分野が、ベンチャーキャピタルから手厚い支援を受けていることも理解している。そこで、そうしたイノベーションと関わりを持ち、そのソリューションを社内に持ち込もうと考えた」と語った。
「市場は急激に変化しており、技術も急速に進化している。その進化に後れを取らないように、常に最高の技術に触れ、適切なタイミングで適切な製品を適切な場所に届けるために役立てたい」
かつてMcKinseyでコンサルタントとして働いていた同氏は、ほとんどのスタートアップは、資金、専門知識、規模のいずれかを求めていると語った。
同氏は、PepsiCo Labsを通じて生まれた関係は、両者にとって「ウィン・ウィン」なものだと述べている。スタートアップは必要な支援や専門知識を得られ、同社は最先端の技術にアクセスできるわけだ。
「私たちは専門知識を提供できる。なぜなら解決しようとしている課題について理解しているからだ。また、世界中で大規模な事業を展開しているため、規模も提供できる」と同氏は言う。