都市などの空間シミュレーションをクラウドで–AWS、「SimSpace Weaver」を発表

今回は「都市などの空間シミュレーションをクラウドで–AWS、「SimSpace Weaver」を発表」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月29日、新たなサービスとして「AWS SimSpace Weaver」を発表した。ユーザーはこの新たなクラウドサービスを用いることで、都市規模の環境におけるさまざまな状況のシミュレーションをリアルタイムで実行できるようになる。

 AWSによると、都市計画のマネージャーや、イベントプランナーはSimSpace Weaverを利用することで、都市全体、あるいは国全体の規模で交通や公共交通、サプライチェーンのインフラといったもののシミュレーションを実行できるという。

 例えば都市計画担当者は、起こり得る自然災害のシミュレーションを実行し、それに対応するシステムをテストすることができる。またイベントプランナーは、大規模なスポーツイベントのシミュレーションを実行し、会場近くの交通状況に及ぼす影響を計り知ることができる。

 空間シミュレーションの実行は多くの場合、単一ハードウェア上での実行という制約に縛られている。AWSはコンピューティングにまつわるこの問題を解決するとしている。より多くの動的なエンティティー(実体)が相互に作用し合うという、規模の大きな世界をシミュレーションしようとする場合、今まで以上に大きなコンピューターが必要となるため、シミュレーションを生み出す開発者は世界の大きさと、その世界に作り出す独立したエンティティーの数に関するトレードオフを実行する必要があった。

 そういった環境をシミュレートする上で、人間や自動車といったさまざまな要素をモデル化する必要がある。そして、このような要素が世界の中で活動する際には、他のエンティティーとの相互作用を計算しなければならない。

 AWSは、SimSpace Weaverが大群衆のシミュレーションの他、自動車や人間をはじめとするさまざまな物体が存在するスマートシティーのシミュレーションに有効だとしている。

 SimSpace Weaverは「Amazon EC2」インスタンス上で動作し、100万を超える独立した動的エンティティーをサポートしている。そしてユーザーは、必要となるインスタンス数や、シミュレーションにおけるパーティション分割方法を指定することができる。SimSpace Weaverは、パーティション間でエンティティーを転送する際に自動的にリソースまわりの処理を実行する。

 AWSが公開したシミュレーション画像の例では、各行が1つのインスタンスを表現しており、それぞれのインスタンスは16のパーティションを取り扱っている。

 AWSのMarcia Villalba氏は発表の中で「SimSpace Weaverは、EC2インスタンスのプロビジョニングを取り扱うとともに、シミュレーションアプリケーションを起動し、シミュレーション終了後における環境の後始末を実行する」と記している。

 また同氏によると、「Unreal Engine 5」や「Unity」エンジンを用いて開発を行う場合には、SimSpace Weaverにあらかじめ用意されているプラグインをそのまま使用できるという。

 SimSpace Weaverは米国東部(オハイオ)と米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(シドニー)、欧州(アイルランド)、欧州(フランクフルト)、欧州(ストックホルム)の各AWSリージョンで利用可能となっている。利用料金はEC2のインスタンスに課金される。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
「ChatGPT Plus」を使って自社データを分析–試して分かったこと
IT関連
2023-08-24 13:05
キリンビバレッジ、「アセスメントAI」の試験運用を開始
IT関連
2022-05-10 04:44
インフォマートと串カツ田中HDの合弁会社、飲食店運営を効率化するアプリ実証
IT関連
2022-07-07 18:17
「Android」のロック画面で機密性の高い通知内容を非表示にするには
IT関連
2023-01-15 14:46
ワークスモバイルジャパンとヤマト運輸、「LINE WORKS」で宅配便の発送手続きを可能に
IT関連
2022-05-14 02:33
日立製作所、疑似量子コンピューター「CMOSアニーリング」のクラウドサービスを開始
IT関連
2022-10-06 00:24
爆発的成長で快進撃–「Python」はいかにして最も有力な言語になったのか
IT関連
2021-07-10 14:37
「監督官庁からの天下りは人的わいろ」 SBG孫社長、“会食問題”など業界内の官民癒着を批判
企業・業界動向
2021-05-13 20:10
万人向けの使いやすい「Linux」ディストロ–ゲーム機能も充実した「Nobara Linux」
IT関連
2024-09-07 19:39
女性のコーディング学習–男性中心の業界でスキルを磨くためのヒント
IT関連
2022-06-08 03:30
TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始
ネットサービス
2021-07-29 15:36
コクヨの紙とペン「PERPANEP」で改めて考えた、「書き心地が良い」とはどういうことだろう :新連載「分かりにくいけれど面白いモノたち」(1/5 ページ)
くらテク
2021-04-14 23:17
「CentOS」に代わる「Rocky Linux 8.4」の一般提供が開始
IT関連
2021-06-24 07:04
Akamai、全サービスを「Connected Cloud」にリブランドし、クラウドへ本格参入。新たに分散型クラウドサービスを投入
クラウド
2023-03-06 02:46