個人の金融データ、第三者提供への抵抗感で意外な違い–マネーツリー調査

今回は「個人の金融データ、第三者提供への抵抗感で意外な違い–マネーツリー調査」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 マネーツリーは12月8日、個人向け資産管理サービス「Moneytree」の利用者約1万4000人に対して実施したアンケート結果をもとに、金融データ活用に関する消費者の意識調査結果を発表した。

マネーツリー ビジネスディベロップメントディレクター 山口賢造氏

 同社 ビジネスディベロップメントディレクター 山口賢造氏は「金融データ提供に対する懸念は提供目的によって変化し、公共性が鍵を握る。投資経験の有無はデータ提供の懸念内容が異なり、提供目的の明確化で(消費者の)信頼を獲得すべきだ。また、消費者は支出管理のデジタルサービスに期待している。資産設計サービスの重要性を啓発しなければならない」と調査結果から得た知見を述べた。

 「約1.4万人調査から見えてきた求められる金融サービスレポート2022年版」は、9月12~18日にMoneytreeをアクティブに利用するユーザー1万4000人を対象に、オンラインアンケートを実施した調査結果から成り立っている。

 金融サービスの提供を受けるために、資産データの共有を望む割合は31%。拒否した割合は69%。山口氏は「技術が進んでも、プライベートな金融データを第三者に提供する抵抗感は大きい」と分析した。

 だが、アンケート回答者の65%は、匿名化加工を施して個人を特定できない場合の抵抗感が低減している。積極的な活用を望む割合は9%、匿名化を前提とする56%がデータ提供に積極的だ。

 山口氏は「総務省統計局の統計調査などにも活用できる。行政サービスのデジタル化が促進する現状を踏まえると、金融データの提供も加速する可能性は高い」と持論を述べた。

 データ提供に対する抵抗感の差異は、どこから生じているのだろうか。マネーツリーが深掘りしたところ、投資経験の有無が大きいという。今回の調査結果では67%の消費者が何らかの投資活動を経験し、残る33%は知識不足や時間・金銭的な理由で投資を敬遠している。これは20代から60代まで同様の結果だった。

 山口氏は「野村総合研究所が2021年12月に発表した『生活者1万人アンケート』によれば、25歳から69歳の投資経験を持つ割合は21%。Moneytreeユーザーは3倍以上の経験率」だと、消費者でも知識や経験に応じて温度差が生じていると述べた。

 投資経験の有無はデータ提供に対する懸念内容が異なり、投資経験者67%のうち、46%は商品勧誘や営業を拒み、29%はプライバシーやセキュリティを不安要素に掲げている。

 山口氏は「(営業活動の)デメリットをリアルに想像しやすい。他方で『投資を始めたいが何らかの理由で始めていない』方々は(営業活動に対する不信感は39%ながらも)、プライバシーやセキュリティが不安だと回答した割合は37%と比較的高い。知識不足などのギャップが不安につながっている」と推察した。

 その上で山口氏はこう主張した。

 「資産データがインターネットで流通することに慣れ始めている。データ提供時はユーザーとの信頼関係を築くために丁寧で分かりやすいコミュニケーションを心掛けなければならない。MoneytreeもUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を最重要視しつつ、データ提供に関する目的や共有範囲を記述するユーザーファーストを心掛けてきた」

 他方で消費者が注目している金融サービスについても調査した。こちらは複数回答だが、63%は積み立てや少額の投資サービスを利用し、60%は各種ポイントサービスの管理に用いている。また、58%は送金やプリペイドで利用可能な決済サービスで利用中だ。

 消費者が希望するサービスについて尋ねると、54%は支出傾向をレポートするサービス、38%は節約の助言機能、37%はライフプランの自動シミュレーション、36%は資産運用コンテンツ、34%は家計管理の助言を希望している。こちらも複数回答だ。

 山口氏は「紙幣や硬貨を使ったアナログな支払いからキャッシュレスにデジタルシフトし、消費者も支払い手段をアップデートしたいことを証明している。我々も日常生活におけるお金の流れを把握して、見つけ出した問題点を改善する『個人のDX(デジタルトランスフォーメーション)プロセス』を牽引すべく貢献したい」と自社の姿勢を語った。

 今回の調査はマネーツリーのウェブサイトから無償でダウンロードできる。

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