ローコード開発は実際にどこまで使えるのか

今回は「ローコード開発は実際にどこまで使えるのか」についてご紹介します。

関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 開発者不足が今後も続くとみられている中、供給が少なく、費用もかかる人材を雇用する代わりになる可能性があるとして、ローコード開発プラットフォームへの関心が高まっている。

 しかし、ローコード開発が役に立つとしても、実際問題として、JavaやJavaScriptやPythonの開発者を新たに雇うことなしにどこまでやれるのだろうか。

 Googleは「AppSheet」と呼ばれるノーコード開発プラットフォームを持っているし、Amazonには「Honeycomb」が、Microsoftにはローコード開発ツールの「Power Platform」が、Oracleには「Apex」が、Salesforceには「Flow」がある。またローコード開発市場には他にも、早い時期から参入しているAppianのほか、Pegasystems、Mendix、OutSystems、Zohoなどの企業がひしめいている。

 IT業界を専門とする調査会社であるGartnerは、2020年には新しいアプリケーションの25%未満がローコード開発やノーコード開発の技術を使って開発されていたが、2025年にはその割合が70%まで増えると予想している。最近では、この技術によっていわゆる「シチズンデベロッパー」が台頭してきた。通常のJava開発者であれば計算機科学の学位を持っている可能性が高いが、シチズンデベロッパーにはそれほどトレーニングは必要ない。

 米ZDNetは、Appianの顧客であり、ロンドンで開催されたAppianの欧州向けカンファレンスに登壇したStephen Marjot氏にインタビューを行い、企業がローコード開発についてどう考えているかを尋ねた。同氏は英金融機関NatWest GroupでChange Centre of Excellenceの責任者を務めている。NatWest Groupの傘下企業には、世界に1900万の顧客を有するRoyal Bank of Scotlandも含まれている。

 NatWestは、新しい銀行商品を作る際のリスク管理プロセスを効率化するためにAppianを利用している。Marjot氏によれば、NatWestが実施した影響評価で、同社では新製品や既存の製品に対する変更に73日間かかっていることが明らかになったという。これは、プライバシーや不正防止、マネーロンダリング対策などのコンプライアンスチェックに時間がかかっていたためだ。突破しなければならない工程は全部で17段階あり、同社ではこれまでその工程に7種類のツールを使用しており、そのうち3つのプロセスにExcelが使われていた。

 「それらはまったく連携が取れておらず、個人がひとつ一つを使ってデータの入力を管理する必要があり、それが作業の重複につながっていた」と同氏は言う。

 これらの工程を1つのワークフローにまとめるプロジェクトはまだ終わっていないが、NatWest Groupは必要な時間を約70分まで短縮したいと考えている。

 「一貫性がある形で標準化できれば、ローコード開発によるオートメーションを使って、最初の段階で構成を変更可能なワークフローを構築することができるが、それには複雑で成熟したツールが必要になる。しかし、一度それを作ってしまえば、その後のメンテナンスはほとんどローコードでできる」(Marjot氏)

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