「全員参加型の分析」で企業の変革を推進–アルテリックス 最高データ分析責任者のジェイコブソン氏

今回は「「全員参加型の分析」で企業の変革を推進–アルテリックス 最高データ分析責任者のジェイコブソン氏」についてご紹介します。

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 Alteryxはデータ分析プロセスの自動化プラットフォームを提供するアナリティクスベンダー。同社で最高データ分析責任者(Chief Data and Analytics Officer)を務めるAlan Jacobson氏に直近の市場傾向と同社の製品動向について聞いた。

 同氏は、企業におけるデータサイエンスの実践をリードしている人物で、以前はFord Motor Companyでエンジニアリング、マーケティング、販売、新規事業開発にわたってさまざまなリーダーシップを担ってきた。データサイエンティストのチームを率いて、企業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していたという。

 Jacobson氏はまず調査会社IDCのレポートを引用し、「データ、分析、人工知能(AI)は、経営、財務、顧客基盤、エコシステム、リーダーシップなど、組織のあらゆる領域で効果的なデータ活用環境を構築するために不可欠なデジタルテクノロジープラットフォームの基盤となる」と説明する。

 次に、コンサルティング企業NewVantage Partnersの調査に触れ、「92%の組織がAIと分析に多額の投資を続けている」とする一方で、「真にデータ主導型の組織へと移行できたと感じている組織は19%にとどまる」と指摘。その上で、Jacobson氏は「多くの企業が分析に投資の投資を行っているが、分析における理想と現実のギャップは開く一方となっている」という現状を語った。

 実際、AlteryxとInternational Institute for Analytics(IIA)が共同で開発した5段階からなる「分析成熟度のステージ」でも、企業の平均スコアは2.2となっており、ステージ2の「局所的に分析を活用」の段階にあるとした。

 IDCのレポートによると、企業の平均的な分析プロセスにおいて、データ分析/データサイエンスの実行時に使用されるデータソースの数は平均6つ、データ分析/データサイエンスの実行結果の出力先の数は平均7つ、データ分析時に利用されるツールの数は4~7つになる。

 また、IDCの別のレポートでは、企業における現状の分析環境は、導入済みの分析ツールの平均数が4つ以上で、90%の企業が表計算ソフトをメインで利用しているとし、63%の組織では一部のデータ(特に構造化データ)しか利用されておらず、93%の組織は大半の社員の分析スキルを生かせていないという。Jacobson氏は「こうした状態ではミスが起きやすく不正確で、インサイトを得るのに時間がかかる」と指摘し、分析アプローチの変革が急務だと述べる。

 「サイロ化された分析プロセスをエンドツーエンドで統合して、人手で行っていた作業をAI主導で自動化し、構造化/非構造化データの活用を進めることで、全ての社員が分析を活用できるようにする必要がある。そうすることで、リアルタイムに、自動化された、正確なインサイトを獲得できるようになる」(同氏)

 Alteryxでは、こうした「全員参加型の分析」を実現する要素として、「Easy」(簡単)、「Everything」(全てに対応)、「Everywhere」(どこからでも)、「Everyone」(誰でも)を掲げている。そして、データの準備から結果の獲得までの分析プロセスを統合、自動化するプラットフォームとして「Analytics Automation Platform」を提供している。

 Jacobson氏はまた、2023年までに74%の企業がクラウド分析を導入予定とする調査会社Gartnerの見通しを紹介し、Alteryxでもクラウド対応を急速に拡大していると語る。

 具体的には、クラウドネイティブなデータプレパレーションサービスを提供するTrifactaを2022年2月に買収したのをはじめ、3月にはクラウドベースの統合分析自動化プラットフォーム「Alteryx Analytics Cloud」を発表。さらに、10月にAlteryx Analytics Cloudと「Alteryx Machine Learning」をマルチテナントのクラウドネイティブインフラに統合し、11月には分析ワークフローの作成ツール「Alteryx Designer」のクラウド版となる「Designer Cloud」の早期アクセスプログラムを発表している。

 Jacobson氏は、Designer Cloudについて「ノーコードで使いやすいDesignerインターフェースにあらゆるウェブブラウザーからアクセスできるようにし、Alteryxのユーザーエクスペリエンスをクラウド版に合わせて再開発した。『Snowflake』などのクラウドデータベース向けにも最適化されている」と説明する。

 最後にJacobson氏は、2023年の取り組みとしては、引き続き製品のイノベーションを継続し、ケイパビリティーの拡大に注力するほか、パートナーとより一層密に連携することで企業の変革を加速させていくと強調した。

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