安全なデジタル社会の構築に貢献–カスペルスキー・小林社長
今回は「安全なデジタル社会の構築に貢献–カスペルスキー・小林社長」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2023年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
カスペルスキー 代表取締役社長 小林岳夫氏
2022年は2月にロシアのウクライナ侵攻が開始され、コンシューマー向け事業、法人向け事業両方のビジネスが、風評によって一部で影響を受けました。日本市場はもちろんグローバル市場においても、当社ビジネスはキャッシュフローを含めて安定しています。当社製品・ソリューションをご愛用いただいているユーザー、パートナーの皆様にはあらためまして厚く御礼申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、日常生活ではオンラインサービス、キャッシュレス決済サービスを利用する機会が増え、身近なものとなりました。スマートフォンに代表されるモバイルデバイスは、こういったサービスを利用する上でも私たちの生活の一部ともなっています。サイバー上の脅威に目を向けますと、モバイルデバイスへの攻撃の活発化が2022年同様、継続すると思われます。個人に対するサイバー犯罪は、日本でもRoaming Mantis(ローミングマンティス)に代表されるようなスミッシング(SMSを使ったフィッシング詐欺)や金銭を狙うマルウェアによる攻撃を大変多く観測しています。安心・安全にインターネットを利用するためにも、まずはセキュリティ対策ソフトの使用やパスワードの適切な変更など、自衛策をお願いしたいと思います。
ランサムウェアの被害は、企業・団体などの規模や業種を問わず広範囲に及んでおり、特に医療機関への感染が多く報じられました。侵入経路としては、VPN機器の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用した侵入が後を絶ちません。VPN機器をはじめとするインターネットフェイシングシステムに脆弱性がないかを確認するとともに、ファイルやシステムの定期的なバックアップを推奨します。また、終息したかに思われたEmotet(エモテット)の活動を観測しています。取引先などを装ったメールで信頼を悪用する手法には引き続き注意が必要です。常にサイバー攻撃を受ける可能性があるとの認識を持ち、サイバーセキュリティ対策をコストと見なさず投資と捉え、セキュリティ製品をはじめとした高度な脅威インテリジェンスを使用した対策を検討いただきたいと思います。
当社は、お客様にいっそう安心して当社製品やサービスをご利用いただくために、2017年から「Global Transparency Initiative(透明性への取り組み)」を推進しています。2022年6月には、東京にトランスペアレンシーセンターを開設し、いつでも当社製品のソースコードレビューやエンジニアリングとデータ処理の手法について情報を得たり、検証したりしていただけるようになりました。同センターは全世界で9カ所に設置しており、今後も拡大し透明性の確保に取り組んでいく予定です。
当社は2023年、新規ビジネスの開拓にいっそう注力するとともに、新しいビジネス分野でパートナー企業様と共に製品とソリューションの提供拡充を推進いたします。
これからもミッションである「Building a safer world」の下、情報セキュリティコミュニティーならびに法執行機関と連携してサイバー犯罪の撲滅に取り組み、皆様が安心・安全にインターネットを利用していただけるよう、社員一同尽力してまいります。