Clouderaの大澤社長に聞く、データ分析市場の現状

今回は「Clouderaの大澤社長に聞く、データ分析市場の現状」についてご紹介します。

関連ワード (トップインタビュー、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Clouderaは、「Apache Hadoop」ベースの大量データの分析環境である「Cloudera Data Platform(CDP)」を提供し、「あらゆる場所に存在する複雑なデータを素早く簡単に実用的な洞察に変換できるよう支援」する企業だ。Hadoopは、2005年に独立した開発プロジェクトとして進化を始め、2010年代に大きな注目を集めたが、急速なクラウドシフトが起こって市場環境が激変している。現在のHadoop/ビッグデータ分析はどのような状況になっているのか。Cloudera 社長執行役員の大澤毅氏に聞いた。

–2018年に同業のHortonworksと合併しました。

 Clouderaは、2008年にHadoopの商用ベンダーとして設立され、オンプレミスのHadoop市場では圧倒的なシェアを持つに至りました。この時に、成功体験にあぐらをかいてしまった面もあると思いますが、将来予測として、「パブリッククラウドの波までは来ないだろう。せいぜいプライベートクラウド止まりだろう」と考えてしまったのは事実です。しかし、Amazon Web Services(AWS)や「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform(GCP)」といったパブリッククラウドの活用がエンタープライズ市場でもどんどんと広がっていく中、いよいよこのままではマズいということで、Hortonworksと合併しました。

 合併後にまず取り組んだことは、両社の製品の良いところを組み合わせて、1つのCDPを作ることでした。次が、「オンプレミスからパブリッククラウド対応へ」という部分です。これは、それぞれ単独ではできなかったことで、2社が一緒になったことにより「パブリッククラウド化のアクセルを共に踏んだ」という感じだと言えます。

 今では「ハイブリッド・データクラウド・カンパニー」となり、オンプレミスでもパブリッククラウドでも、どのような環境にも対応できる会社になっています。かつては、ITのヘビーユーザーが活用する製品というイメージが強かったのですが、現在はオールインワンのSaaSも提供しており、オンプレミス、パブリッククラウドに対応したPaaS、業務の現場ユーザーにも使いやすいSaaSなど、全方位でソリューションを提供しています。

–現在の市場動向をどう見ていますか。

 市場の声としても、今は「結局100%クラウドに移行することはない」という認識になっています。「60%はマルチクラウドだとしても、40%はオンプレミスに残ります」という感じでしょうか。米国では、一度パブリッククラウドに移行してみたものの、トータルコストが高くなってしまったり、パフォーマンスが出なかったりといった理由で、オンプレミスに戻った例が出ています。欧州でも直近は、ウクライナの問題のような地政学的なリスクの高まりを受けて、重要なデータをクラウドに置くことに対する不安も高まっており、オンプレミスへの回帰、脱クラウドという流れも出てきているところです。

 こうなると、オンプレミス市場で見れば、Clouderaは現状これといった競合もなく、基本的にはClouderaの製品をご採用いただいているような状況です。もちろんクラウド対応の製品もそろっていますので、ハイブリッドクラウド時代になって、改めてClouderaのソリューションが注目されていると感じています。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
WWDC 2021で期待される発表は?iOS 15、iPadOSリニューアル、もしかしたら新Macも
イベント情報
2021-06-06 00:52
日立製作所、2024年度第1四半期は減収増益–中計最終の行方を握る「Lumada」
IT関連
2024-08-02 22:25
「ロボットらしい演技が大事」 サイバーエージェント流、遠隔接客ロボの効果的な使い方
ロボット・AI
2021-08-11 18:44
IIJ、ID認証・認可、ガバナンス管理を包括したソリューションを提供開始
IT関連
2022-09-08 12:22
マクロ経済が急激に変動–これからのサプライチェーンには何が必要か
IT関連
2023-01-26 16:11
「SaaSの影響力拡大が脅威になるのではないか」–AWSジャパン幹部に聞いてみた
IT関連
2023-03-24 00:25
Wovn Technologies、文書ファイル多言語化ソリューション「WOVN.files」ベータ公開
IT関連
2022-12-15 20:29
伊藤園、営業系のデータ活用基盤を刷新–データドリブンな営業活動を推進
IT関連
2024-06-01 16:49
情シス部門の約4割が「経営者が自社ITを理解してくれていない」–メタップス調査
IT関連
2022-02-11 12:19
Cloudera、「RAG Studio」のプレビュー版を提供開始
IT関連
2024-12-12 10:41
ソニー「α1」やっぱり凄かった 高性能を誰でも享受できるフラッグシップ :荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/6 ページ)
くらテク
2021-04-30 13:06
「Googleフォト」対「iCloud」 プランの比較から見る各社の狙い :Googleフォトの容量無制限終了で考える(1/2 ページ)
クラウドユーザー
2021-05-29 20:32
Netflixが東宝スタジオ2棟を賃借 「七人の侍」「ゴジラ」が生まれた場所を長期的な制作拠点に
くらテク
2021-03-19 09:53
ソニー、新機軸のホームシアター提案 スピーカー4本で「360度の立体音響」
くらテク
2021-07-22 01:26