Mendix、ローコード基盤の最新版「Mendix 10」を紹介–今後のクラウド戦略も明らかに
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Siemens傘下のMendixは9月7日、ローコードプラットフォーム「Mendix 10」について報道機関向け説明会を開催した。同社は7月に「Mendix 10.1」を発表済みだが、今回は同日開催した「Mendix 10 Japan Festival」に合わせた形となる。アプリケーション開発ユニット プロダクトマネジメント シニアディレクターのDanny Roest氏は今後の展開について、「今後も毎月のリリースと2年ごとのメジャーアップデートを実施する予定。安定を求める顧客など多様な需要に対応できる」と説明した。
2005年からローコードプラットフォームを提供してきたMendixだが、国内では日本IBMやSAPジャパン、NECなどによるパートナー企業経由の提供がなじみ深いだろう。昨今のアプリケーション開発環境もノーコード/ローコードが広まり、より高い生産性を求められている。
Roest氏は自社製品について「特徴は3つある」といい、1つ目は開発経験を問わず素早く使い始められる点、2つ目は柔軟性で、ローコード開発に取り組む開発者の需要に合わせて設定やモデリングなど自由に選択できる点、3つ目はフルコントロールで、特定のケースに対応するため、APIやSDKで対応可能な点を挙げた。
Mendix 10はダークモードやPDFファイルの生成モジュール、機械学習に用いる「Mendix ML Kit」、スプレッドシート(表計算ソフト)ファイルなど多数の機能に対応している。また、自身のコンポーザビリティー(構成可能性)を高める新機能を用意し、統合基幹業務システム(ERP)や顧客関係管理(CRM)、データベースとの接続が可能。「(従業員のアクセス管理を行う)APIガバナンスも用意する」(Roest氏)
Mendixは新製品の説明と合わせて自社のクラウド戦略も説明した。クラウドユニット プロダクトマネジメント シニアディレクターのTom de Groot氏は、PaaSの可用性とAmazon Web Services(AWS)や「SAP Business Technology Platform」(BTP)などとの連携性、既存のWindowsおよびLinuxによるオンプレミス運用を説明しながら、新たにプライベートクラウドで運用する「Mendix for Private Cloud」の提供を表明した。
パブリッククラウドで運用するMendixソリューションは同社による保守・管理が行われるが、「顧客によっては(機械学習の)モデルデータやプロジェクトデータを独自に管理したいという重要に応じた」(Groot氏)という。プライベートクラウドでの運用は、顧客自身やパートナー企業による運営・管理が行える。
また、パブリッククラウド版はマルチリージョン環境のフェイルオーバー(代替システムによる冗長化)や、イベント発生時にクライアントへ通知するWebhookの統合、最大20倍高速化したバックアップ、運用状況を一目で把握するシングルダッシュボードを導入した。これらの機能は2023年12月までに展開する予定だ。
Mendixは人工知能(AI)に関する機能も注力してきた。Roest氏は「AIとローコードの組み合わせはビジネスの課題に取り組む際の強力な存在」だと述べつつ、OpenAIの「ChatGPT」を用いたチャット機能で部品の提案を行う機能を紹介。将来的には部品を挿入する機能の実装を予定している。他の機械学習サービスであるAWSや生成AIともAPI経由で連携し、PythonやONIXなどのプラットフォームとは共通のフレームワークと言語を利用するMendix ML Kitを用意した。機能拡充は今後も続けるという。