ブロックチェーン技術のスキルに関するニーズが上昇中–その理由とは?
今回は「ブロックチェーン技術のスキルに関するニーズが上昇中–その理由とは?」についてご紹介します。
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仮想通貨(暗号資産)に関連付けられることも多いブロックチェーン技術は、ビジネスアプリケーションや業務プロセスのためのグローバルデータベースとしての可能性を以前から指摘されてきており、実際にそういった目的での利用がなされるようになってきている。また、数年前まではブロックチェーン技術についてはハイプ(誇大広告)だと主張する人々も多かったが、今では多くの大手企業が実際の運用で使用するようになっている。
一例としてサプライチェーンへの応用を紹介してみよう。年間の売上高で80億ドル(約1兆400億円)を誇る多国籍企業のAvery Dennisonは、ブロックチェーン技術を活用し、消費者向け製品の大手企業複数社とその顧客に対してサプライチェーンサービスを提供するクラウドサービスを展開している。同社でSaaSベースのサプライチェーンサービスを提供するatma.io部門の市場開発マネージャーを務めるNeil Hay氏によると、そのメリットには同技術がもたらす効率とセキュリティだけでなく、全体的な透明性があるという。
Hay氏は、世界経済フォーラム(WEF)の場におけるBlockchain JournalのDavid Berlind氏とのインタビュー(YouTube)で、「私は、ファストファッションや安価な衣類に向かうというパラダイムシフトが終わりを迎えようとしていると考えている。こういった流れは既に終わっている」と述べた上で、「現在のニーズは、身につけることに誇りを持てる、そして長持ちすると確信できる製品を持つというものだ」と続けた。
そして同氏は、ブロックチェーンの利点が「サプライチェーンのトレーサビリティー、すなわち製品がどのようなものであり、どのような材料から構成されているのかを理解できるようになる」ところにあると続けた。こういったトレーサビリティーには材料の品質や、製造物の出自、環境への影響まで含まれる。また同氏は、「製品がサプライチェーンを流れていくとともに、ブロックチェーンの持つイミュータビリティ(変更不能性)に由来する自信をコンシューマーに与えるとともに、監査可能性や、トレーサビリティー、透明性を実現できる。われわれが起こると述べてきていたことが今まさに起こっていると自信を持って主張できる」と述べた。
同氏は、サプライチェーンにはこういった検証可能性が欠落していたと述べ、「サプライチェーンの上流で起こっていることが本当であると考え、報告された物事をそのまま信じ込んでいる企業は探すまでもなくたくさんある。しかしブロックチェーンによって、トレーサビリティーをつぶさに監査できる能力と、顧客に自信をもたらす能力が一度に得られるようになるのだ」と述べた。
おそらく、ネットワーク化された経済における重要なビジネスプロセスがブロックチェーンによって実現できるようになるというメッセージが業界に伝わっているのだろう。ITスキルの評価プラットフォームを手掛けるDevSkillerが公表した「Digital & IT Skills Report 2023」(デジタル&ITスキルレポート2023年版)でも、過去1年間で最も急速に需要が伸びたITスキルとしてブロックチェーン技術がトップに挙げられており、定番のスキルであるサイバーセキュリティやSalesforceを抑えている。とは言うものの、総合的に見て最も求められているスキルはここ数年、常にJavaScriptとなっている。