多様なデータで人事異動を最適化–人事労務ソフト「SmartHR」に新機能
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SmartHRは2月14日から、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」において、同サービスに登録されている従業員情報を活用し、人事配置の検討を支援する新機能「配置シミュレーション」を提供する。2月7日に開催された勉強会では、人材マネジメント事業 事業責任者 プロダクトマーケティングマネージャーの重松裕三氏が、同機能やサービスの強みなどを説明した。
重松氏は、人事配置でよくある課題として「検討に必要な従業員の情報がなく、事実に基づいた候補者探しができていない」「突発的な離職などに対して、場当たり的な配置となっている」「人事部以外の関係者との情報共有がしづらい」「異動における人事業務に手間がかかる」を挙げた。
SmartHRとHR総研が2022年11~12月に実施した調査の結果によると、人事異動や配置転換を行っている企業の70%は「人材育成」を目的としている一方、29%は「成果を出せていない」と回答したという。成果が出ない理由は「戦略的な取り組みができていない」が59%と一番多く、次いで「データに基づいた客観的な取り組みができていない」(48%)、「データよりも、経験や勘が重視されることがある」(同)だった。「成果が出ている」とする企業でも同様の項目が課題になっているという。
今回提供される配置シミュレーションは、SmartHRに蓄積された従業員データを活用することで、一人一人の詳細なプロフィールや兼務・休職などの事実に基づいた人事配置の検討を支援する。利用者は、従業員の顔写真をドラッグアンドドロップすることで、人材配置のシミュレーションが可能。従業員の所属や在籍、契約に関する情報のほか、家族や居住地、保有資格などの情報も一元管理しており、利用者は特定の従業員を選択すると、そうした情報を一覧できる。役職の兼任や休職をしている場合は、それを示すマークが従業員の顔写真上に表示される(写真1)。
「例えば『前職で大企業相手に営業をしていた』『現職では大型店舗の店長を務めている』といった情報は、人々の頭の中だけに曖昧な形で存在している。配置シミュレーションは、それらの情報を可視化・一元化する」と重松氏はアピールした。
加えて、他店舗展開している小売企業などでは、従業員の居住地を確認することで「特定の店舗へ転居せずに異動できる人材」を把握できる。扶養家族の状況を鑑みて、転居を伴う転勤を決めることも可能だ。
配置案の確定後は、CSVファイルが出力され、従業員データベースへ取り込む仕組みとなっており、今後は「文書配布機能」でそのまま辞令を交付することを予定している(図1)。
同氏は先述した調査結果に触れ、「人事配置を行う企業の約7割は『想定通り/想定以上の成果が出ている』と回答しているが、そうした企業でも担当者の業務は非常に煩雑。われわれは業務の効率化という観点でも製品を提供していきたい」と説明した。
SmartHRには今回搭載される配置シミュレーションのほか、人事評価や男女比・離職率などの分析、従業員サーベイの機能がある。近年タレントマネジメントシステムは多く見られるが、同サービスの強みは労務データも蓄積できる点だという。人事評価の結果やエンゲージメントなどの「人事データ」に加え、入/退社情報や給与額などの「労務データ」を蓄積することで、担当者は採用や制度改訂などさまざまな取り組みに活用できるとしている。