かんばんボードとは–タスクの進捗状況を一目で把握可能に
今回は「かんばんボードとは–タスクの進捗状況を一目で把握可能に」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者は昔、かんばんボードという概念をばかにしていた。ビジネス志向の強いプロジェクトマネージャー向けのツールに過ぎないと思い込んでいたからだ。かんばんボードが実際に非常に便利なものであるということを全く理解していなかった。
かんばんの真の価値を理解して以来、筆者は小説の執筆、演劇や映画のシーンブレイクダウン、授業など、あらゆることにかんばんを使用するようになった。かんばんは世界中の企業で採用されているが、クリエーターや保護者、学生など、ほぼどんな人でも活用することが可能である。
だが、かんばんとはどんなものなのだろうか。
かんばんボードとはどんなものなのか。どこで生まれたのか。なぜ使用すべきなのか。ここでは、それらの疑問について、これまでと同じような解説を繰り返すのではなく、極めて簡潔な言葉で説明したい。
行と列で構成されたボードが目の前にあると想像してほしい。「TO DO」(やるべきこと)、「DOING」(作業中)、「DONE」(完了)などのラベルが付けられた3つの列があるとしよう。そして、あなたには処理すべきタスクがたくさんある。それらのタスクは以下の通りだ。
実際に着手するまで、上記のタスクは「TO DO」列に表示される。まず洗濯物をたたむタスクに着手したとしよう。そのタスクは「DOING」列に移される。最後の洗濯物をたたみ終えると、そのタスクは「DONE」列に移動する。
実質的に、かんばんとは、各タスクの進行状況を最初から最後まで視覚化する手段である。各タスクがライフサイクルのどの段階にあるのかを一目で正確に把握できるため、自分の1日、1週間、1カ月、1年を信じられないほど簡単に管理することが可能だ。
かんばんはもともと、大野耐一氏が在庫管理システムとして考案したものだ。大野氏は「トヨタ生産方式」の父とみなされている。同氏の狙いは、トヨタ自動車の生産ラインのどこかで過剰在庫が蓄積してしまうのを防ぐことにあった。
トヨタ自動車で産声を上げて以来、かんばんは工業生産システムだけでなく、ほかのさまざまな分野で採用されてきた。
これから紹介する事実をよく考えてほしい。トヨタ自動車やSpotify、Pixar、Appleなど、多くの大手企業がかんばんを利用して、プロジェクトを円滑に進めている。しかし、かんばんはビジネス以外のことにも活用できることを忘れないでほしい。かんばんは信じられないほど簡単にタスクを視覚化してくれるので、ほぼどんなことにも応用可能だ。
これら2つの理由だけでも、かんばんは非常に重要である。終わりのないタスク群の進捗状況を常に把握しておきたい人は、かんばんボードを採用すれば、山積するタスクに対処するストレスを非常に効果的に軽減できるだろう。
かんばんを非常に簡単に使用できるサービスやソフトウェアはたくさんある。サービスに関しては、「Trello」「Kanbanize」「Atlassian」「Nextcloud」(「Deck」アドオンを使用)、「Asana」「monday.com」などがある。従来のインストール型ソフトウェアを好む人は、「Kanbanier」「Airtable」「Stacks」「wekan」「Kitestack Boards」など、(あらゆるOSで)多くの選択肢の中から好きなものを選ぶことができる。
これらのサービスの中には、ほぼあらゆる種類のタスクに最適な無料のかんばんボードを提供しているものもある(Trelloなど)。それ以外のサービス(Atlassian、Asana、monday.comなど)では、かんばんボードを使用するとコストが発生するので、ほとんどの場合、これらを利用するのは、大規模なプロジェクトやビジネス目的の場合に限られるはずだ。
いずれにせよ、かんばんにアクセスして利用するのは、非常に簡単である。