従業員エンゲージメントが高い組織、悪環境でも高い回復力と安定性を発揮
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日本マイクロソフトは5月18日、米Microsoftが4月29日に開催した「Microsoft Viva Summit」の内容を国内向けに披露した。
ここ数年の大手企業は従業員エンゲージメントの向上に努めてきた。Microsoftが2023年に米上場企業226社の従業員約300万人を対象に長期的調査を実施したところ、コロナ禍で経済的混乱下にあった2022年の1年間で、最もエンゲージメントが高かった組織は、最も低い組織と比較して2倍の財務実績を記録したという。
モダンワークビジネス本部 GTMマネージャーの加藤友哉氏は「従業員エンゲージメントが高い組織は悪環境でも、より高い回復力と安定性を発揮する」と調査結果を解説した。
「Microsoft Viva」は従業員のコミュニケーション体験の向上を主な目的としたソリューション群である。「Microsoft Teams」と連携してコンテンツをひも付ける「Connections」や、データ駆動型の分析を備えたコミュニケーション基盤の「Engage」と「Insights」、コンテンツを整理する「Topics」、学習コンテンツを提供する「Learning」、チームや従業員の目標設定を行う「Goals」、任意の顧客関係管理(CRM)と連携する「Sales」、従業員の声を収集する「Glint」、人工知能(AI)を活用した「Copilot in Microsoft Viva」がラインアップされている。
今回はGlintとCopilotの2つに焦点を当てて解説された。
Glintは従業員を対象にしたアンケートからエンゲージメントの状態を可視化し、経営層が適切な行動を下すためのツールだ。Microsoftが2022年9月に実施した調査によれば、意見を求められていると自負する従業員は43%、適切な意見を収集していないと感じる管理職は80%、意見の活用に戸惑う経営層は75%に及んでいる。端的に述べれば“上から下まで不幸”なほど従業員エンゲージメントを活用していない状況だ。
加藤氏は「われわれは持続的なビジネス成果を達成するため、『エンゲージメント×生産性=パフォーマンス』と定義付けている。適切なツールやデータインサイトを使用すれば、エンゲージメントと生産性と継続的に改善し、パフォーマンスを引き出せる」とGlintの有用性を主張した。
GlintをInsightsと連携させると前述の主張が合致する。例えば、従業員の感情や判断は、従業員エンゲージメントスコアや販売実績に代表されるビジネス成果データ(「Microsoft Graph」のデータ)と組み合わせることで、成果につながるパターンが把握可能だ。
Glintは7月からVivaスイートとして提供を始め、今後は「Microsoft Outlook」、Microsoft Teamsなどを含んだ「Microsoft 365」との統合を予定している。
Copilotは、ビジネスの文脈に基づいて、正確かつ個人向けに最適化した回答や洞察を適切するAI機能をVivaスイートに提供する基盤だ。
Copilot in Viva Goalsならプランニングや戦略に関する文書、会話型AIからOKR(組織目標と達成のために必要な成果を結びつける手法)を作成し、達成に必要な要素の提案や進行状況の要約を示す。Copilot in Viva Engageなら投稿の作成を支援し、文書作成や画像提案、文書の雰囲気を調整する機能を提供する。Copilot in Viva Glintは従業員などから収集したコメントの要約や内容を確認して、必要な課題把握を支援。Copilot in Viva Topicsなら効率的な方法の提示や組織が蓄積した知識の共有を行う。
加藤氏は「Microsoft 365とCopilot in Microsoft Vivaはセキュリティ、コンプライアンス、プライバシー(保護)、レスポンシブル(責任ある)AIで構築されている。(顧客が入力した)プロンプトを基に大規模言語モデル(LLM)のトレーニングが改善することはない」と業務利用の安全性を強調しながら、Vivaの利用を促した。
実際にVivaの社内活用を推進する同社は、2023年4月までに利用浸透度が90%超、組織やリーダーに親近感を覚える割合は80%、Viva Engageによる情報発信を希望する割合は97%まで上昇。コーポレートコミュニケーション本部 シニア コミュニケーション マネージャーの嶋内愛氏は「(従業員による)自走やリーダーの負担軽減など課題も明確になった。われわれのような社内コミュニケーターの課題も解消してくれる製品」だと主張した。