昔のGNOMEを懐かしむ人に勧めたいLinux「Ubuntu MATE」
今回は「昔のGNOMEを懐かしむ人に勧めたいLinux「Ubuntu MATE」」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者は「GNOME 2」のことをよく覚えているし、実のところ「GNOME 1」のことも強く記憶に残っている。というのは、最初の公式リリース前に、このデスクトップ環境のテストに参加したからだ。筆者はその後、もっと現代的なデスクトップに移行したが、初期のGNOMEに対しては懐かしさを感じている。
一方で、「GNOME Shell」(「GNOME 3」のユーザーインターフェース)がリリースされた際に起きた反発についても覚えている。反発は強烈だった。あのときには、開発者が突如として熱烈なユーザーのはしごを外し、デスクトップの使い方をまったく変えてしまおうと決めたように見えた。それは、筆者も含めて、一部の人にとっては歓迎すべき変化だった。以前から「Windows」に似せたインターフェースがあまり好きではなかった筆者は、すぐにモダンなGNOME 3に引き付けられたし、それは今でも変わらない。
しかし先ほど述べたとおり、多くのユーザーは新しい試みに失望し、GNOMEにそれまで通りのデスクトップであり続けることを望んだ。そして、GNOME 3がその意に沿うものではないことが明らかになると、他のデスクトップが登場し始め、(おそらく読者にも想像はつくだろうが)そのいくつかは驚くほどGNOME 2に似ていた。
そんなデスクトップ環境のひとつが「MATE」だ。
実際、MATEは、Perberosと呼ばれるアルゼンチン人開発者の手によるGNOME 2のフォークとして始まっている。フォークのきっかけはGNOME 3に対する反発であり、MATEが登場すると、そうした保守的なユーザーがMATEに殺到した。
それを考えれば、現在UbuntuにMATEの公式フレーバーが存在するのは、まったく理にかなっていると言えるだろう。「Ubuntu MATE」は、Distrowatchでのランキングはかなり低いものの(現在82位)、MATEのデスクトップを使ってみたい人にとってはぴったりのディストリビューションだ。
お察しの通り、Ubuntu MATEは、Ubuntuに(デフォルトであるUbuntu用にカスタマイズされたGNOMEではなく)MATEのデスクトップを搭載したものだ。最新のUbuntu MATEは、「Ubuntu 23.04」と「MATE 1.26.1」を組み合わせたものになる。
「Ubuntu MATE 23.04」で加えられた修正は、バージョン22.04に磨きをかける内容(と「Flatpack」の削除)が中心だったが、このデスクトップLinuxは非常にしっかりしており、使いやすい。ただし、Ubuntu MATEを最大限に活用するためには、いくつか知っておくべきことがある。
だがその話をする前に、まずはUbuntu MATEの長所を説明しておこう。
Ubuntu MATEの最大のメリットは、どのようなユーザーでもすぐになじめることだ。Windowsを使ったことがある人であれば、すぐに使えるようになる。WindowsとUbuntu MATEの唯一の違いは、デスクトップメニューのボタンが(左下ではなく)左上にあることだと言っていい。実際、MATEは、「Windows 7」の下のパネルを上に移動させ、画面の下にウィンドウのリストやコンテナーを配置した2つ目のパネルを追加したようなものだと考えればいいだろう。