ブレイン・マシン・インターフェース技術競争が加熱–軍用としての評価も
今回は「ブレイン・マシン・インターフェース技術競争が加熱–軍用としての評価も」についてご紹介します。
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筆者の記憶の中で、機械と人間の戦いに関する最も古く、そして最も鮮烈なのは、映画「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」に登場する「AT-ATウォーカー」(通称:スノーウォーカー)だ。ダチョウのように長い脚部を持つこの兵器は隊列を組み、ギクシャクした動きで歩みながら、ジェダイの騎士や反乱軍の一団を蹴散らそうとさまざまな方向にレーザー砲を発射する。
それ以来、小説や映画の世界ではPhilip K. Dick氏やGeorge Lucas氏といった、生き生きとした、そして先見的な想像力を持った小説家や脚本家のおかげで、レプリカントやアンドロイドの召使い、未来から送られてくる殺人ロボット、地球の支配をたくらむマシン、ロボット警官、感情をプログラムされた性奴隷ロボット、人工知能(AI)とのロマンス、人間になるという願望を抱いているロボットなど、数え切れないほどさまざまなものが生み出されてきている。
今ではこういったストーリーのいくつかは荒唐無稽とも言い切れなくなっているようだ。人間の意思の力で制御できるロボット犬の登場を目の当たりにすると、特にそう感じられる。オーストラリアのシドニー工科大学(UTS)の工学および情報技術学部の教授であるChin-Teng Lin氏とFrancesca Iacopi氏は最近、オーストラリア陸軍と同国のDefence Innovation Hubの協力の下、Ghost Roboticsの犬のような見た目の四足歩行ロボットをブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を介して制御できるようにした。
つまりこのロボット犬は、特別なご褒美を用意せずとも、そして声に出して命令せずとも、考えたことをセンサー経由で送信するだけで、働いてくれるのだ。
こういった流れはこの犬型ロボットだけではない。実際のところ、思考を読み取る能力を実現するための取り組みは2023年に入って、雪崩を打って出てくるかのように登場してきている。まるで、イノベーションの詰まったクローゼットの扉が開け放たれたかのようだ。
テキサス大学オースティン校は5月、先駆的なある実験で世界の注目を集めた。その実験とは、MRI検査台の上で横たわる被験者に音声で物語を聞かせるというものだっだ。
研究者らは被験者が物語を聴いている際の脳波を記録し、セマンティックデコーダーと呼ばれるAIシステムを用いて、音声の物語に含まれている内容と同じテキストを生成することに成功した。