データを中心にアプリ開発や生成AIを支援–Snowflakeの東條社長

今回は「データを中心にアプリ開発や生成AIを支援–Snowflakeの東條社長」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 データクラウドを提供するSnowflakeは、6月26~29日に米国ラスベガスで年次カンファレンス「Snowflake Summit 2023」を開催した。現地には世界から1万2000人以上が来場し、オンラインでも1万1000人以上が視聴登録した。440以上のセッションで構成され、250人以上の顧客講演者、200人以上のエコシステムパートナーなどが参加した「過去最大規模」のイベントになったという。

 今回は、AIや大規模言語モデル(LLM)、GPUアクセラレーションコンピューティングなどを主なテーマに、さまざまなイノベーションが発表された。日本法人の社長執行役員を務める東條英俊氏は、現地の様子や雰囲気について「時代の節目にいる」ことを強く感じたという。

 「OpenAIなどの動向がきっかけかもしれないが、それだけでなく、データの在り方や活用法、アプリケーションなども含め、世界を変えると思っている。日本の企業にとっても大きなチャンスだ」

 6月26日の基調講演では、Snowflakeの会長で最高経営責任者(CEO)のFrank Slootman氏とNVIDIAの創業者でCEOのJensen Huang氏が対談。両社は同日に提携拡大を発表しており、Slootman氏は生成AIのユニークさや知能の高さに触れるとともに、Huang氏はSnowflakeを「データを保管するために最も安全で適切」と評した。

 Snowflake Summit 2023では、数多くの機能やイノベーションが発表されたが、その中でも今後の戦略として重要なのが、アプリケーション開発に関する取り組みだ。

 東條氏は「Snowflakeは今、アプリケーションを変えようとしている。アプリケーションをデータの側に近づけることで、アプリケーションのサイロ化を解消しようというもので、そのための環境整備を進めている」と述べ、Snowflakeに格納されたデータを活用してアプリケーションを開発するための機能を拡充してきた。

 今回発表された「Snowflake Native App Framework」は、Snowflake上でネイティブアプリケーションを開発できるようにする開発者向けフレームワークで、「Snowflakeマーケットプレイス」上で公開することで開発したアプリケーションの配布や収益化も可能となっている。

 もう一つは「Snowparkコンテナーサービス」で、コンテナー化されたワークロードを簡単に展開、管理、拡張できるようにするもの。C/C++、Node.js、Python、R、Reactなど任意のプログラミング言語で構築し、コンテナーイメージとしてパッケージ化した上で、CPUやGPUなど構成可能なハードウェアオプションを使用して実行できる。

 Snowflakeマーケットプレイスには、既に25種類以上のネイティブアプリケーションが利用可能で、100社を超えるプロバイダーが複数の業界やユースケースにまたがるアプリケーションを開発中とのこと。

 NVIDIAとの提携拡大については、企業がSnowflake内の自社データを活用して独自のLLMを安全に構築できるようにする狙いがある。「Snowflakeにデータを蓄積しておけば、非構造化データ/非構造化データに限らず学習データの対象にできる。これも先ほどのアプリケーション開発と同じで、データに近いところでカスタムLLMを構築すれば、安全で時間の短縮にもなる」(東條氏)

 「Snowflakeのこれまでの取り組みは、全てデータが中心に考えられている。その考え方や方向性は常に一貫している」

 東條氏は最後に、「これまでなかなか突破できなかった課題や問題が、今回発表されたイノベーションによって解消される。例えば、『ChatGPT』のようなツールによって自然言語でデータベースにアクセスできるようになれば、データの民主化はさらに進むだろう。テクノロジーを使いこなせる企業とそうでない企業では、ものすごい差がつくようになるだろう」と指摘した。

 なお、同社は9月8日に都内で「DATA CLOUD WORLD TOUR」の開催を予定している。データコラボレーションやアプリケーション開発、AI活用など、さまざまなテーマの講演やセッションを用意する。

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