Splunk、マイクロソフトとの提携やエッジ製品、AI機能など発表–「.conf23」基調講演
今回は「Splunk、マイクロソフトとの提携やエッジ製品、AI機能など発表–「.conf23」基調講演」についてご紹介します。
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Splunkは米国時間7月17~20日、年次カンファレンス「Splunk .conf23」を米国・ラスベガスで開催している。米国現地での開催は2019年以来の4年ぶりとなる。セキュリティ、オブザーバビリティ、デジタルレジリエンスなどをテーマにした最新の製品発表や技術革新などが披露される。初日の基調講演には最高経営責任者(CEO)のGary Steele氏が登壇し、Microsoftとの戦略的提携やエッジ製品、AI機能について発表した。
Steele氏はまず、「2023年はSplunkにとって20周年を迎える大きな年」と切り出し、2022年3月にCEOに就任して以来、顧客から多くのことを学んできたと語った。
「(顧客企業は)Splunkからどのような価値を得ているのか。ミッションクリティカルなシステムをセキュアに運用するのは容易ではない。ビジネスの対応が求められる中、状況を把握しながら短時間で準備を整えていかなければならない。従来はモノリシック(一枚岩)なアプリケーションだったものが、この数年で環境は複雑化し、運用の多くがデジタル化された。セキュリティやオペレーションの観点から見ても、見えないものを管理することはできない」
Splunkはデジタルレジリエンスの構築を支援することに焦点を置いているといい、そこには3つの柱がある。具体的には、(1)マルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境へのコミットメント、(2)さまざまな環境にわたった包括的な可視性、(3)AIによって強化された統合的なセキュリティとオブザーバビリティ――になる。加えて、その根底には「ワールドクラスのカスタマーエクスペリエンスの提供」があるという。
その具体的な施策として、Steele氏はまずマルチクラウドの領域について説明を始めた。ここで重要なものとして同氏は「柔軟性」を挙げた。SplunkはAmazon Web Services(AWS)と戦略的提携を結んでおり、「AWS Marketplace」で同社製品を提供している。同じく、Google Cloudとも戦略的提携を発表しており、「Google Cloud Marketplace」で同社製品を利用可能にしている。
Steele氏は「ここに一つ欠けているものがある」といい、続いて「Microsoft Azure」を挙げて会場を沸かせた。Splunkは17日付でMicrosoftとの戦略的提携を発表し、Microsoft Azure上でSplunk のセキュリティとオブザーバビリティ製品を構築していくとともに、「Microsoft Azure Marketplace」で同社ソリューションを購入できるようにする。
また、Splunkのクラウド製品にMicrosoft Azureを活用することで差別化された製品を共同で開発していくと明らかにした。
同氏は次に、さまざまに分散する膨大なデータをどのようにコスト効率良く管理するかが課題であり、「総合的な可視性を提供することでデジタルレジリエンシーを強化できる」と話した。
その上で、同社は「エッジでのイノベーションに投資している」といい、新しいソリューション「Splunk Edge Hub」を発表した。これは、センサー、IoTデバイス、産業機器などによって生成されたOT(製造系技術)データの取り込みと分析を簡素化するもの。これまでアクセスが難しかったOTデータをSplunkプラットフォームに直接ストリーミングすることで、ITとOTの環境全体で完全な可視性を提供する。
Edge Hubは、物理環境と仮想環境にわたるデータアクセスの障壁とサイロを取り除き、他のベンダーのプラットフォームからのデータアグリゲーターとして機能することで、エッジデータの収集と調査を合理化する。また、物理環境や既存のOT機器に配置でき、データを即座に収集、照合し、Splunkプラットフォームにストリーミングするように簡単に構成可能という。
Steele氏によると、Splunkはセキュリティ業界での自動化を支援し、今後も加速化させていくとのこと。SIEM(セキュリティ情報イベント管理)やSOAR(セキュリティの運用と対応の自動化)をはじめ、先進的な製品を次々に発表。2021年にはTruSTARを買収し、クラウドネイティブのインテリジェンスプラットフォーム機能を加えることでセキュリティ分析機能を拡大。昨秋には自動脅威分析のスタートアップであるTwinWave Securityを買収している。
「デジタルレジリエンスはセキュリティだけではなく、信頼性やパフォーマンスも必要になる」とSteele氏。Splunkはオブザーバビリティの領域においても、「Splunk IT Service Intelligence」(ITSI)やインフラストラクチャー監視、アプリケーション性能監視(APM)、「Splunk Synthetic Monitoring」など、非常に速いスピードで製品を提供してきた。
Steele氏は、オブザーバビリティの領域についてもセキュリティと同様に投資を続けていくと強調し、Splunkの強みは「全てのトランザクションをペタバイトレベルでもサンプリングせずに診断できる」点にあると語った。加えて、オープンソースのオブザーバビリティフレームワークとして「OpenTelemetry」への継続的なコミットメントも改めて表明した。
「(Splunkは)セキュリティとオブザーバビリティの市場でリーダーシップのポジションにある。このような競合は存在しない」とアピールした。
Steele氏は最後に「Splunk AI」についても触れた。同氏によると、今後はSplunk AIという名前で新しいAI/機械学習(ML)のケイパビリティーが製品ポートフォリオ全体に展開されるといい、「AIによってセキュリティやオブザーバビリティの日常業務が変革されていくことになる」と話した。詳しくは、18日に予定されている基調講演で明らかにされるとのこと。
(取材協力:Splunk Services Japan)