「デル女性起業家ビジネスコンテスト」開催–起業家は多様化、しかし課題も残る
今回は「「デル女性起業家ビジネスコンテスト」開催–起業家は多様化、しかし課題も残る」についてご紹介します。
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デル・テクノロジーズは7月12日、「デル女性起業家ビジネスコンテスト2023」の受賞者を発表した。1位に選ばれたのは、長距離トラックの中継輸送プラットフォーム「ドラ基地」を展開するスペースを創業した村井美映氏。起業家とビジネスアイデアが広がりを見せる一方で、課題もまだ残る。
デル女性起業家ビジネスコンテストは、Dell Technologiesが女性起業家を支援する企業の社会的責任(CSR)活動として展開する女性起業家ネットワーク「DWEN(Dell Women’s Entrepreneur Network)」のもとで実施されている。2021年に米国でスタートし、現在6カ国で展開、日本では2022年に続き2回目となる。
3月に応募を開始、第1次審査を経て8人のファイナリストに絞られた。5月23日から1カ月弱、特設サイトでの一般投票を経て上位3人が選ばれた。
1位に輝いた村井氏は、運送会社に勤めていた時にトラック運転手の過酷な現状を知り、中継拠点を共有することで問題を解決できないかと起業に至った。「トラックドライバーは2泊3日運行、一日最大16時間という過酷な労働環境にある。家になかなか帰れないなど悲鳴にも近い声を聞いてきた。それに加えて、2024年4月に予定される法改正によりドライバーの労働時間が削減される」と同氏は運送業を取り巻く課題について説明する。運転手の労働時間が削減されると消費者は荷物が届かず、生活に困ることになる。運送会社1社では解決できない、と起業した。
ビジョンは「最高な働き方で最高の運送を」。中継点を設けて荷物をリレー形式で運ぶことで、運転手は日帰りでき、消費者には従来通りのスピードで荷物を届けることが可能になる、と村井氏。中継輸送に切り替えるに当たって、「ドラ基地」としてプラットフォーム化して中継拠点を共有し、独自のアルゴリズムを使ってマッチングする。運転手だけでなく、拠点探しが楽になるほか、使っていない敷地の収益化も可能となる。物流ニーズの変化にも柔軟に対応できる。
「ドラ基地」は2022年4月にベータ版をリリース、2024年に備えて全国に拠点を拡大しているところだ。
村井氏は受賞のステージで、「どんな時でも荷物を運んでくれるトラックドライバーと共に、私たちの生活がもっと豊かになるよう今後もまい進していきたい」と語った。
2位は、仕事を探していたシングルマザーと人材不足に悩む土木業界のギャップを埋めるところから起業に至ったという森川春菜氏(オングリットホールディングス 代表取締役)。3位は成井五久実氏、真空特許技術によりフードロス問題の解決を図るインターホールディングスの代表取締役 最高経営責任者(CEO)を務める。
3人には合計500万円相当のDell製品が商品として贈呈される。
2022年の1位はフェムテック、2位はアグリテック、3位はフードロス対策だった。2023年はビジネスアイデアが多様化したと言えそうだ。