NECプラットフォームズ、掛川新工場を稼働開始–5Gや無人搬送車などを駆使
今回は「NECプラットフォームズ、掛川新工場を稼働開始–5Gや無人搬送車などを駆使」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
NECプラットフォームズは、掛川事業所(静岡県掛川市)内に建設した通信機器製品を生産する新工場の本格稼働を開始した。NECグループの製造現場で初めてローカル5Gを実運用するほか、自律走行搬送ロボット(AMR)と無人搬送車(AGV)の同時複数台制御を行うなど先進的なスマート工場となっている。
新工場は、鉄骨造の地上4階建てで、生産フロアが9315平方メートル、延べ床面積が1万5632平方メートルとなる。主に5Gのモバイルルーターやホームルーター、ホームゲートウェイ、企業向けLANスイッチ、無線LANの製品を生産する。
同事業所はNECグループの社会インフラ事業の生産拠点で、同社は半導体のひっ迫といったサプライチェーンの課題や生産年齢人口の減少といった状況下でも中長期的にネットワーク関連機器を安定供給していくために、同事業所全体で30%の生産効率向上を目標にしている。新工場は、下層から上層への製造工程に沿った建物構造を採用することで作業効率を高め、業務に応じて入退出可能な区画の設定とICカードおよび顔認証を組み合わせた厳格な入退出管理によるセキュリティ対策、各フロア入口にエアシャワー付きバスボックスを設置するなど、工場のクリーン度(清浄度)も強化しているという。
また、年間約281メガワット/時の発電量となる自家消費型の太陽光発電システムを導入しており、新工場の消費電力の約1割を再生可能エネルギーで賄う。一般家庭で約40世帯の年間排出量に相当する約120トンの二酸化炭素の排出を削減する。
新工場の内部にローカル5Gの通信環境を構築しており、物の搬送にカメラ映像データから自己位置を推定する「Visual SLAM」技術を用いて、複数台のAMRを活用する。AMRの運用には、NECの自律移動ロボット管制制御ソフト「NEC マルチロボットコントローラ」を採用し、AMRの最適な走行経路をリアルタイムに計算して、渋滞の回避やAGVの位置情報を活用した交差点の制御を行う。
さらに、プリント基板に実装する表面実装工程(SMT工程)で、量子コンピューティング技術を用いた生産計画立案システムを導入している。作業計画や人員配置を最適化し、作業進展状況に応じて最適な作業順番を常に再計算し作業者に指示する機能も導入した。これにより、効率的な順番で生産するための段取りに費やす時間を50%削減し、設備の稼働率向上を見込む。
工場内のセキュリティ対策では、上述の入退出管理に加えて、独自のセキュリティ基準による調達、製造、物流を行う「セキュア生産」を適用する。総合脅威管理(UTM)システムなどによるサイバーセキュリティシステムも導入し、物理とサイバーの両面から安全性を確保している。