グーグル、「Duet AI」をクラウドセキュリティに統合

今回は「グーグル、「Duet AI」をクラウドセキュリティに統合」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Googleは米国時間8月29日、サンフランシスコのモスコーニセンターで開催中の年次カンファレンス「Google Cloud Next」で、同社のクラウドおよびセキュリティソリューションの能力強化に重点を置く人工知能(AI)ベースの新たなソリューションを発表した。

 Google Cloudでセキュリティ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるSunil Potti氏によると、同社の目的は「脅威の指数関数的な増加、セキュリティチームが望まれる成果を達成するのに要する労力、セキュリティ人材の慢性的な不足など、広範にわたるセキュリティ上の根本的な課題に対処すること」だという。

 これらの課題に対処する方法の1つは、「包括的なアプローチ」の一環としてAIを活用することだと同氏は述べている。プロセスを迅速化し、脅威の検出能力を高め、既存のワークフローを高速化する技術をセキュリティチームに提供することで、人が主導して操作する必要のある対策に集中するための時間と余裕が持てるという。

 5月に開催された開発者向け年次カンファレンス「Google I/O」で「Google Workspace」への統合が発表された「Duet Al」は、文章作成やスプレッドシートの改善、会議の議事録作成などをAIベースで支援する「常時稼働のAlコラボレーター」だ。クラウドに統合された「Duet AI for Google Cloud」では、コード開発支援、自然言語処理、ビジネスアプリケーション開発に重点を置いている。

 Googleは今回のカンファレンスで、このAIツールのセキュリティに関連する新機能を発表した。

 Duet AIは、クラウド防御用途の主要製品群に統合される。その第一弾が「Mandiant Threat Intelligence」だ。

 Mandiant Threat Intelligenceは、世界中のサイバー犯罪者や国家に支援された脅威実行者が使用する戦術・技術・手順(TTP:Tactics、 Techniques、Procedures)を含む脅威データを提供するサービスだ。Duet AIは理解しやすい形式でサマリーを生成し、敵対勢力とその技術に関する最新データをセキュリティチームに提供することで、防御側がネットワークを保護するため十分な情報に基づいた意思決定を行うのを支援できると同時に、脅威インテリジェンスを既存のセキュリティオペレーションセンター(SOC)ワークフローに統合しやすくする。

 「Chronicle Security Operations」でも、Duet Alが利用可能になった。この統合は、現代のビジネスに対応するSOCへのGoogleの回答とも言える。

 このAIシステムは、起きている事象について分かりやすいサマリーを作成し、重要な脅威に関する背景情報やガイダンスを提供することで、脅威検出とセキュリティ対策を合理化することに重点を置く。推奨される対応策も提案する。

 生成型Duet AIとの新たな統合においてとりわけ興味深い特徴は、自然言語処理が活用される仕組みだ。Googleによると、Duet AIがChronicleの自然言語検索を強化するため、防御者は自然言語で質問を入力できるようになる。Chronicleは質問内容からクエリーを生成し、「検索用に完全にマッピングされた構文を提示して、結果を迅速に絞り込んで反復できるようにする」という。

 また、「持続的な脅威からデジタル資産を保護する防御者をより適切に支援する」ため、Mandiant Hunt for Chronicle Security Operationsも発表された。こちらも現在プレビューが提供されている。同製品について、製品マネージャーのEd Murphy氏とシニア製品マーケティングマネージャーのShelly Tzoumas氏はこう説明する。

 「Chronicleに統合されたDuet Alは、クラウドの防御者が必要とする状況で適時、生成Alを活用した支援を提供する。検索、複雑なデータ分析、脅威検出エンジニアリングを簡素化することで、サイバー防御者による脅威検出、調査、対応を変革するのに役立ち、労力を削減しつつ各防御者の実効性を向上できる」

 Security Command CenterのDuet AIは、セキュリティ上の発見や可能性のある攻撃経路をほぼ瞬時に分析し、チームが攻撃者の先手を打てるよう支援する。複雑な問題を単純化し、専門家ではなくてもより容易に組織を防御できるようにすることが可能だ。脅威の重要性、影響、推奨される改善策を要約することで労力を省き、重要な発見を見落とさないようになることが見込まれる。

 「Duet AI in Mandiant Threat Intelligence」「Duet AI in Chronicle Security Operations」「Duet Al in Security Command Center」はいずれも現在プレビュー版が提供されており、2023年中に一般提供が開始される予定だ。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
SBOMを導入・構築済みの組織はわずか14%–タニウム、SBOM実態調査
IT関連
2023-04-27 16:54
セキュリティチームを「イネーブラー」と位置付けることが重要–Splunk調査
IT関連
2023-04-27 15:03
第26回:SIerが不可欠なひとり情シス
IT関連
2021-04-13 15:49
在宅勤務、昼過ぎの疲労を乗り越える5つの方法
IT関連
2022-12-07 19:16
マイクロソフト、「ChatGPT」のOpenAIに約1.3兆円の出資を検討か
IT関連
2023-01-12 02:11
立教大学、学術研究のビッグデータ分析に「TIBCO Spotfire」を導入
IT関連
2022-06-24 21:42
NECと理研、AI画像認識で新たな対象物の追加作業を大幅に簡素化する技術を開発
IT関連
2022-06-03 02:28
トレンドマイクロ、5G向けセキュリティ機能を発表–富士通と実証
IT関連
2021-04-08 07:29
小学校の連絡デジタル化 勤務時間や印刷費を削減
IT関連
2021-06-03 23:45
APIをプラットフォーム化せよ
IT関連
2022-03-22 21:27
「GPT-3.5」vs「GPT-4」–「ChatGPT Plus」は月額20ドルの価値があるか?
IT関連
2023-06-23 14:10
アイルランドにおけるサイバーセキュリティの最新事情
IT関連
2022-09-06 15:45
ソフトバンクと日立が協業–生産状況を可視化するサービスの提供目指す
IT関連
2022-10-02 13:39
「Chromebook」のセキュリティを強化–変更すべき「ChromeOS」の5設定
IT関連
2024-07-28 13:37