「Chromebook」でWindowsアプリを使用可能に–「ChromeOS Virtual App Delivery with Cameyo」

今回は「「Chromebook」でWindowsアプリを使用可能に–「ChromeOS Virtual App Delivery with Cameyo」」についてご紹介します。

関連ワード (Chromebookをより便利に、モバイル等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 近年、「ChromeOS」の人気がかなり高まっている。近頃では、ほとんどの人は、ウェブブラウザーさえあれば、仕事に取り組むことができるからだ。例えば、「Microsoft 365」「Google Workplace」「Slack」「Zoom」といったSaaSアプリケーションは、ほとんどの労働者に必要なものになっている。

 それでも、企業には、必要な「Windows」アプリケーションが少なくとも1つは常に存在するので、Windowsを使い続けなければならない。しかし、今回、ソフトウェア仮想化を手がけるCameyoがGoogleとの提携の下、最新の「Virtual App Delivery」(VAD)を発表した。VADを使用すると、「Chromebook」上でWindowsアプリケーションをChromeアプリケーションと一緒にシームレスに実行することができる。

 これは仮想デスクトップソリューションではない。GoogleのChromeOSソリューション担当製品責任者であるNaveen Viswanatha氏は、「多くの組織は、レガシーソフトウェアをエンドユーザーに配信するために、VDIやDaaSなどの仮想デスクトップソリューションを利用してきたが、そうした組織の多くは、完全な仮想デスクトップの配信に伴う大きなオーバーヘッドに苦しめられている。今日のクラウドファーストの世界でユーザーが必要としているのは、生産性を最適化するシームレスな方法で、簡単かつ安全にアプリにアクセスできることだけである。そこで、『ChromeOS Virtual App Delivery with Cameyo』の出番だ」と述べている。

 ChromeOSに統合されたこの新しいサービスを使用すると、Googleが「レガシーアプリ」と呼ぶものを、どのChromebookでも実行できるようになる。それらのアプリはChromebook上で「Progressive Web Apps」(PWA)として表示される。PWAは、アプリケーションに対するMicrosoft独自のクラウドベースのアプローチだ。

 Microsoftは近年、Windowsのクラウドへの移行に取り組んでいる。それは、高速インターネット接続があれば効果的に機能するが、高いコストがかかる。同社の「Cloud PC」の最新バージョンである「Windows 365 Frontline」(小売やヘルスケア、ホスピタリティーなどの垂直業界の従業員を対象としている)の利用料金は、3ユーザーで月額42ドルからとなっている。このエントリーレベルの構成には、2つの仮想CPU、4GBのRAM、64GBのストレージが含まれる。最前線のサービス担当者にとっては、これで十分なはずだ。

 Cameyoは、完全なWindowsのリモート版を実行することをユーザーに求めるのではなく、アプリ配信プロセスを合理化する。ユーザーは必要なWindowsアプリケーションをリモートで実行するだけだ。また、これらのWindowsプログラムには、ファイル処理、クリップボードのサポート、ChromeOSのファイルシステムも組み込まれている。VADを使用すると、仮想化されたWindowsアプリケーションがChromeOS環境と統合される。

 Enterprise Strategy Group(ESG)によると、ChromeOSでVADを使用すれば、仮想デスクトップを利用する場合と比較して、総所有コスト(TCO)を54%削減できるという。

 プレスリリースによると、TCOを54%削減できるとの試算は、以下の要因に基づいているという。

 コスト削減に加えて、ChromeOSデバイスはセキュリティに関してもWindowsより優れている。WindowsアプリをChromeOS上でリモートで実行する方が、Windows PC上で実行するよりも安全である。ChromeOSはまだランサムウェア攻撃の被害に遭ったことがないからだ。一方、Windowsは毎日のようにランサムウェアの餌食になっている。さらに、ChromeOSとCameyoはセキュリティをより強化するためにゼロトラストモデルを実装している。

 Cameyoは長年、このサービスをChromeOSのアドオンとして提供してきた。今回、ChromeOS Virtual App Deliveryという名称でChromeOSに直接統合されることになった。ユーザー側でこのサービスを追加する必要はない。Virtual App Deliveryは、まもなくChromebookに配信されるChromeOSのアップデートに含まれる予定だ。

 ChromebookとWindows PC向けアプリを最大限に活用したい人は、ぜひチェックしてほしい。

 IDCの仮想クライアントコンピューティング担当リサーチディレクターのShannon Kalvar氏は、「安全なクラウドファーストのOSとVirtual App Delivery(VAD)は、企業のデジタル運用と人材戦略を可能にする重要な要素となっている。CameyoのVADソリューションとChromeOSデバイスを組み合わせれば、エンドユーザーとIT部門の双方にとってウィンウィン(Win-Win)のシナリオとなる。エンドユーザーはどこからでもシームレスで生産的な作業体験を享受できる。一方、IT部門は、セキュリティと柔軟性、コスト効率に優れ、より少ないITリソースで展開および管理できるソリューションが手に入る」と述べている。

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