AIの開発は中断すべきでない–製薬会社CEOインタビュー
今回は「AIの開発は中断すべきでない–製薬会社CEOインタビュー」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
社会は人工知能(AI)によってもたらされるリスクにどのように対処するべきだろうか。これに関しては、AIによるメリットが差し迫った危険性を上回っているため、安易に制限を加える道に進むべきではないという主張もある。
Recursion Pharmaceuticalsの共同創業者であり、最高経営責任者(CEO)でもあるChris Gibson氏は米ZDNETとの最近のインタビューで「(AIへの)取り組みを中断すべきだという、幅広く包括的な提案は少しばかり見当外れだと私は考えている」と述べた。
また同氏は「機械学習(ML)によってもたらされる機会に人々が積極的に取り組み続けていくということが極めて重要だと私は考えている」と述べた。
Recursionは世界の製薬業界と協力し、創薬にAIを活用している。
同氏は、Elon Musk氏やAI研究者のYoshua Bengio氏など多くの人々が3月に連名で発行した、AIの危険性が調査されるまで同研究を一時停止するよう求める公開書簡に対する自らの見解を述べてくれた。
同書簡は、AIの優位性を追求し、作り手が「理解できず、予測できず、確実に制御すること」のできないシステムの生成につながる「制御不能な競争」を停止するよう求めている。
Gibson氏は、MLプログラムが感情を持つようになる可能性といった、同氏が非現実的だと見なしている懸念について的を絞って語った。こうしたシナリオが現実化する可能性はかなり低いと研究者らも考えている。
Gibson氏は米ZDNETに「Recursionでわれわれが進めている作業は極めて興味深い。それは数十億規模のパラメーターを持つモデルの訓練であり、生物学の観点から見た場合、本当に、本当に刺激的なものだ」と述べるとともに、「しかし、こういったモデルには感情がなく、感情を持つようになることもない。そうしたものからは程遠い」と述べた。
同氏が最も心を砕いていることの1つは、自社や他社が創薬といった分野での取り組みで進歩していく力を維持するというところにある。BayerやGenentechなどの企業と提携しているRecursionは現在、医薬品開発プロセスの臨床段階にある薬剤候補を5つ抱えている。また同社は既に、分子間の「推測された関係」をデータベース化した「Phenomap」に13ペタバイトを超えるデータを集積している。
Gibson氏は「極めて具体的な質問に答えるために別途用意されたモデルは、人類の進歩にとってとても重要だと考えている」と述べるとともに、「当社が有しているようなモデルや、当社と類似している企業のことを考えてほしい。どれだけ多くの機会が眼前に広がっているのかを考えた場合、6カ月間、あるいは1年間の(AI研究)停止は望ましい話ではない」と述べた。