ServiceNowはエンタープライズソフトウェア市場で「先頭集団」に食い込めるか

今回は「ServiceNowはエンタープライズソフトウェア市場で「先頭集団」に食い込めるか」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 急成長を遂げている米ServiceNowが、同社のサービス群に自社開発の生成AIを組み込んでいくことを発表した。これによって、同社はエンタープライズソフトウェア市場で先行するOracle、SAP、Salesforceといった「先頭集団」に食い込むことができるか。

 ServiceNowの日本法人ServiceNow Japanは10月3日、米国本社が現地時間9月20日に発表したPaaS「Now Platform」の最新版「Vancouver」の提供開始と、自社開発の生成AIを同社のサービス群に統合していくことについて記者説明会を開き、常務執行役員ソリューション統括の原智宏氏とマーケティング本部プロダクトマーケティング部 部長の古谷隆一氏が説明役を担った(写真1)。

 発表内容については上記のリンク先の資料をご覧いただくとして、ここでは原氏が説明した生成AIとNow Platformの関係についての話が興味深かったので取り上げておきたい。

 「生成AIは、継続的な改善アクションへとつなげられるワークフロープラットフォームに組み込まれることで巨大なビジネス価値をもたらす」と話した原氏は、さらに「AIの持つ力を、インサイトの獲得のみならず、改善策の実装、そして実行にも活用できるインテリジェントプラットフォームが必要になってくる」とも。同氏が繰り返して述べた「プラットフォーム」こそが、Now Platformである(図1)。

 ServiceNowが今回発表した自社開発の生成AI機能「Now Assist」は、Now Platformより同社のサービス群へと組み込む仕組みとなっている。図2が、それを踏まえた同社のサービス群の全体像だ。Now Assistが最下段に記されているのは、サービス全体に組み込まれていく存在であることを分かりやすく見せている。

 筆者は原氏の説明を聞いて、「生成AIとNow Platformの相性は非常に良く、エンタープライズソフトウェアとして他と比べても効果が大きいのではないか」と感じた。

 ここで、改めてServiceNowについて紹介しておきたい。というのは、本連載で同社を話題に上げたのは初めてであり、筆者が同社についての最大の関心事を後ほど述べる上でも基本情報をまずお伝えしておきたいからだ。

 ServiceNowは、ITサービス管理(ITSM)から各種業務、顧客および従業員向けのサービスまで企業全体にまたがるデジタルワークフローを構築することで、組織横断的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するクラウドサービスを提供している。2022年度(2022年12月期)のグローバルでの売上高は72億4500万ドル(決算時で約9400億円)。これまで3年間で倍増以上の成長を遂げてきた。

 2004年設立のServiceNowが注目されるようになったのは、グローバル標準のITSMをSaaSとして提供したのがきっかけだ。その後、各種業務や顧客・従業員向けのサービスへと広げていった。そうした中で、同社が目指しているのは、自動化できる業務はITに任せ、人が付加価値の高い仕事に注力できるようにすることだ。そのために、各種SaaSを連携させるワークフローやデータを一元管理できるようにしたNow PlatformをPaaSとして提供している。ここには、データベースやAI、アナリティクス、ユーザーエクスペリエンス(UX)などの機能も集約されている。

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